【投書】川口順子外務大臣殿
川口順子外務大臣殿;
私はこの度のSARS蔓延に心を痛めている日本国民のひとりです。SARSそのものは自然災害ですが、中国共産党政府の情報隠蔽体質と権威主義的態度によって被害は大幅に拡大したという点でこれは人災でもあります。中国政府は台湾の人々を「同朋」と言いながら、その「同朋」が適切な健康保険情報を得るために必要なWHOへの加盟を妨害し、台湾人の人権を損なう行為を行っています。中国政府のやり方は明らかに重大な人権侵害です。いうまでもなく人間が健康に生活しようとすることは基本的人権の重要項目です。その基本的人権を政治利用する中国政府のやりかたに強い憤りを覚えます。これまで日本政府はことあるごとにこのような横暴かつ、しばしば国際常識からはずれた利己主義的な行動をとる中国共産党政府におもねる態度をとってきたことを日本国民のひとりとして苦々しく思って来ました。ことに外務省内部に巣食う「媚中派」官僚にはつよい嫌悪感を感じております。どうか外務省が一刻も早く中国に対する、あたかも前近代の「朝貢外交」のような卑屈な態度を改めて、独自の外交姿勢をとるよう、そして、一刻も早く省内の「媚中派」官僚官僚を一掃されるよう希望します。新聞報道によれば今回政府は台湾のWHO加盟を支持するとのことです。これはこれで一歩前進といえます。この方針をどうか外交のすべての局面において貫いていただくよう希望してやみません。
慶應義塾大学総合政策学部教授
野村亨