【談話室】「私は台湾正名運動を強く支持します」[2003年08月27日]
「現在台湾においては李登輝前総統を中心として台湾正名運動というキャンペーンが国民 的規模で行われております。
日本政府およびマスコミの多くは中国共産党政府に媚び諂って、台湾は中国の一部である という共産党政府の言い分をあたかも自明の理のごとく受け入れております。しかしなが ら、台湾の人口の90パーセントを占める本省人の人々は長い間、戦後大陸における国共 内戦に負けて台湾に亡命してきた国民党政府の支配を受けて、自由な言論を圧殺されてき たのです。しかしながら80年代後半に李登輝氏が総統に就任して以来、国民党の一党独 裁は内部から瓦解し、急速に民主化が進みました。この時のいわば「無血革命」を成功に 導いたのがほかならぬ李登輝前総統であります。私は常日頃から、李登輝氏こそ現代のア ジアを代表するもっとも偉大な知識人であると考え、その高潔な人格に対して深い尊敬と 信頼の念を抱いております。私は2002年9月にほぼ25年ぶりに台湾を訪れる機会を 得ましたが、その時に台湾が真に民主主義社会になったことを実感しました。いまや台湾 は真に自由で民主的な社会になりました。けれども公式にはいまだに国民党が持ち込んだ 中華民国という名称を掲げております。しかし中華民国はすでに存在しておりません。中 国大陸では1949年の中華人民共和国の成立とともに中華民国は実質的に消滅したので す。また中華民国の名称は台湾の多くの人々からも支持されておりません。台湾の人々は 台湾人であり、中華人民共和国の国民でもなく、また中華民国の国民でもありません。私 はこのような台湾の人々の声を強く支持するものであります。私は中華人民共和国政府が 中国大陸を実効支配することを認めることにやぶさかではありません。(ただしチベット と東トルキスタン=新疆、内モンゴルの植民地化には反対しています)その一方で台湾の 将来は台湾人自身が自由な意思で決定すべきである、という基本的認識を60年代末の高 校生の時に新聞に投書して以来、一貫して持ち続けて来ております。現在、ようやく自由 で民主的な社会になった台湾において台湾を正しい名称である台湾と呼ぼうという運動が 澎湃として起こっております。これに対して私は全幅の賛成と支持を表明するものであり ます。去る5月11日に東京、新宿で行われた台湾正名運動のデモ行進にも参加いたしま した。私は今後ともこの運動を支援して行くつもりです。そして、近い将来、台湾人自身 がみずからの国名と国旗を選び取り、台湾国の国旗がニューヨークの国連本部前に翩翻と 翻り、また、台湾国駐日大使館が東京に開設される日が一刻も早く訪れることを心から望 んでおります。一人でも多くの日本国民が中国大陸の共産党政府の策動や日本のマスコミ の偏向した報道に惑わされることなく、台湾に対して正しい認識を持ってくださることを 心から希望しております。  

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