2001年度春学期小熊研究会T

 

第9回(6/18)「想像の共同体」まとめ

 

総合政策学部二年 小山田守忠

学籍番号:7002308

ログイン名:s00230mo

 

*この本の3つの立場

@     出版資本主義の発達

A     公定ナショナリズム

B     南米クレオールナショナリズム

 

1.公定ナショナリズムについて

 ・近代国家以前の秩序のあり方:頂点をラテン語が結んでいる、下は何でもあり

  極めて多言語・多民族状態(→国内での均質化が進んでいく)

  聖なる言語・書物の意義:翻訳不能、そのものが神、知れば(読めれば)文明に繋がっていく/コーラン、ラテン語、論語などが読めれば「夷荻」でも文明に近づける

 ・Nation stateができてくるとこれがくずれてくる(言文一致)

  もともと同じ言葉を読める集団が音に出しても同じなのでくっつくが同化機能が弱い

  多言語集団がいたときにどうするか?

  →「ひきしまった皮膚を・・・」で対応

 ・ロシアの19世紀、旧来のローマ正教会から近代国家に移行しようとする

  国民=領域が狭いもの(特定言語集団)→広げて全員にロシア語を教える

  Nation stateのつくり方としてはPrint Capitalismの「下から」に対し、逆(「上から」)であるともいえる

  帝国のサイズに言語領域を広げていく

・何故こんなことをしたのか?

 公定ナショナリズムを使ったのは全て王朝(ロシア、イギリス、日本など)

 王朝の側の自己防衛策としての公定ナショナリズム(対共和主義)

  敵@仏革型共和ナショナリズム(王の首を切る)

  敵A言語ナショナリズム(言語ごとにまとまる)

 これを「いかに転がすか」で第2次大戦までいって、その後バラバラに

1920世紀ロマノフ王朝の近代化を促進しようとしていた改革派がつくったのが公定ナショナリズム(西欧近代国家の「果実」は欲しいが、王朝が残っていないと意味がないというジレンマ)、限定的なNation state化で対応

 →王朝のナショナル化(それまでの貴族インターナショナリズム)

 →軍隊の改革(将校のナショナル化⇔それまでは外国人傭兵中心の軍事

 →民間ナショナリズムに対抗、弾圧

 

2.クレオール・ナショナリズム

 ・1819世紀、南米諸国の独立

  本国、隣国とも言語的な差がない(皆スペイン語)

  →言語に関係ないナショナリズムの誕生(「ヨーロッパ原産」ではない?)

  言語的な差がなくてもナショナリズムは成立する

 ・ただの行政管区であった国境が何故ナショナルアイデンティティになっていくのか?

  クレオール(現地の白人)・ナショナリズム

  本国に行けない(官僚システムにおける現地採用)、他地域にも行けない

  自地域の中をぐるぐる回る→「〜意識」が出てくる

  本国との対立(経済・政治的)が生まれたときにそれが噴出する

 ・出版資本主義、公定ナショナリズムなどの流入、コピーによってクレオール・ナショナリズムが出来てくる

 ・B.アンダーソンは元々インドネシア研究者

  インドネシア:明らかに人口的につくられた国家、その中でいかにナショナリズムが生まれてくるか、出版資本主義だけではとても読み解けない

  人口調査、地図によるロゴ化等の問題(調査→登録→内面化)

 

3.補足

 ・時間意識・空間意識の変化:時空間の共有意識、均質化

  「この間〜では」の発生:「外」「他」を意識しだして初めて発生(←交通の発達)

  客観的なものが時計の針くらいしかなくなってくる(同じ経験などを共有している間柄では必要がない)

  →「この間〜では」は同じNationInter-nationalの中でも通用する

 

4.この本の与えた影響

 ・発表当時、東南アジア情勢が悪かったので注目された

 ・80年代に日本へ

  「出版資本主義」、「時空間の共有→近代小説」にまず文学関係者、現代思想家が注目

  クレオール・ナショナリズム、公定ナショナリズムはあまり注目されず(米でも同じ)