理性の再検討…ヒュームとカント

総合政策学部3年 79510459 山崎夏美



1 経験論からヒュームの思想へ
                 経験論       合理論
                ベーコン       デカルト
       思想家       ロック       スピノザ
                ヒューム      ライプニッツ
        知識       後天的       先天的
       (良識)   (ア・ポステリオリ)  (ア・プリオリ) 
       学問の方法     帰納法       演繹法 
  例(1)ベーコンの経験論
     自然の法則を知ることで自然を支配する知識を身につけ、それを全人類の幸福のために使う
                  ↓
              ヒュームの思想
2 ヒュームの思想
 〜ヒュームの懐疑主義〜
  <段階1>人間の「認識」とは、意識の受動的作用である「観念」が行うもの
  <段階2>主観的でしかない「認識」に物事の客観的な認識は不可能
                ↑
               (=思い込みのようなもの)
  <段階3>それが思い込みであっても、人間の生活を豊かにしてくれる認識なら問題ナシ(=懐疑主義)
  <<結論>>理性は万能ではなく、素晴らしいものでもない
       ↓     疑 ↓ 問      ↓
       道徳規範は、どうやって成り立つのか(→答:経験主義的道徳)
*経験主義的道徳=経験上築かれた慣習が、人間の自然的傾向に合致することにより道徳規範となり得るという考え
 〜社会契約の否定〜
   ・自然的徳…「同感」など人間の自然的情念に根ざした道徳
   ・人為的徳…上の徳に合理的考察(所有権の尊重や約束の遵守など)を加えたもの
               ↓
 国家は社会契約の産物ではなく、人間の自然の本能を基礎にしたもの
3 カントの思想
 〜カントの考える理性〜 
  (1)理性を構成する2つの要素
    ・感性…人間がものを認識する際にものを受け入れる能力で、ものを時間的・空間的に捉えようとする先天的な能力
    ・悟性…人間が思考する時に、一定の形成をふんで行わせる先天的な能力      (2)理性の分類
    a 理論理性…主観的に現象上のものを認識する幾何学的理性
    b 実践理性…自らの力で道徳法則を発見する理性
         ・これにより人間は現象界を支配する因果法則から解放され、道徳的自由を得る
         ・カントは、その自由な存在としての人間の「人格」に最高の価値を見い出した
           (=カントの人格主義)
 〜コペルニクス的転回〜
  人間の捉えている世界は、外側から感覚を通して受けとられたものに、人間の精神作用(=理性の作用)を加えたもの
 〜目的の王国〜
  ・社会契約により、共通の法に従う市民状態を目指す
  ・自分自身で意思決定し、行為の責任をとる
 〜神と霊魂について〜
  存在を基礎づけることはできないが、実践理性の要請としては認める
 
*参考文献*
  政治思想史    /小笠原弘親・小野紀明・藤原保信 著 (有斐閣)
  カント    /岩崎武雄 著 (勁草書房)
  基礎からよくわかる倫理    /高橋進 著 (旺文社)
  新倫理    /佐藤正英・片山洋之介 著 (数研出版)