小熊研究会発表レジュメ            1999年11月8日 平野貴之
 
0、アイヌ民族とは?
1、アイヌの財産所有
2、 旧土人共有財産とは
3、旧土人保護法以前 の共有財産
4、北海道における土地 の処分
5、旧土人保護法
6、共有財産・土地の変遷
7、問題の現状と今後
 
 

アイヌ民族の共有財産問題

0、 アイヌ民族とは?  

1、アイヌの財産所有  

2、 旧土人共有財産とは

a. 共有財産の種類

b. 共有財産の発生(貫塩,1934) c. 共有財産が生ずる収入の使用目的(貫塩,1934)  

3、旧土人保護法以前の共有財産〜北海道、各町 村のズサンな管理が問題に

a. 1893(明治26)年帝国議会(衆議院)「北海道土人保護法案」提出

b. 1895(明治28)年帝国議会(衆議院)「北海道旧土人に関する質問書」
(このとき、「北海道土人保護法案」提出→廃案)  

4、北海道における土地の処分

a. 「地所規則」1872(明治5)年?和人に分け与え私有化

b. 「北海道地券発行条例」1877(明治10)年 c. 「札幌県旧土人救済方法」1885(明治18)年 d. 「北海道国有未開地処分法」1897(明治30)年 ● 国有未開地選定、区画の際、官有地第三種として一戸5ヘクタールの給与 予定地を存置、近文、千歳アイヌなどが土地の仮引き渡しを受ける
北海道庁は、「拓殖の成果を挙げることに急で他を省る暇なく、又諸 制度未だ整わずして行政上遺憾な点が多く」(北海道,1954)アイヌ地を めぐり様々なトラブルが起きた

・ 第一次近文アイヌ地問題 1900(明治33)年

 

5、旧土人保護法  1899(明治32)年

a. 土地の給与

b. 共有財産に関する規定
6、共有財産・土地の変遷

a. 共有財産の金額の推移

b. 共有財産の内容(河野本道,1981)
 
種別
形態
数量
指定
使用目的
全道旧土人教育資金 公債・現金
6,266円
1899
就学奨励の資
天塩郡外2カ郡旧土人教育資金 公債・現金
266円
1899
同上
勇払郡鵡川村外7カ村 現金
1,309円
1899
土人救護
勇払郡苫小牧村外7カ村 現金
191円
1899
同上
白老郡各村 現金
135円
1899
同上
沙流郡各村 現金 
建物
349円
2棟
1899
同上
室蘭郡元室蘭村・輪西村  現金
20円
1924
同上
有珠郡稀府村外4カ村 現金
58円
1924
同上
虻田郡虻田村外2カ村 現金
47円
1924
同上
室蘭郡絵鞆村 現金
40円
1924
同上
十勝国中川郡各村 鮭曳網漁場 
海産干場 
郡村宅地 
木造倉庫 
北海道製麻株券 
現金
3ヵ所
1ヵ所
1ヵ所
1棟
90株
213.33円
1902
同上
河西郡伏古村外1カ村、河東郡音更村 鮭曳網漁場 
郡村宅地 
木造家屋 
北海道製麻株券 
現金
1ヵ所
2ヵ所
1棟
80株
346.934円
1902
同上
白老郡白老村、敷生村 現金
100円
1902
備荒のため
厚岸郡厚岸町 海産干場 
15ヵ所
9ヵ所
1924
旧土人救護のため
旭川市旧土人50人
宅地
191ヵ所
173ヵ所
1934,
  1942
旧土人救護、福利増進のため
旭川市 現金
3112.98円
1942
同上
中川郡池田町旧土人4人 原野
4ヵ所
1927
同上
札幌郡対雁村・樺太旧土人 海産干場
宅地
鮭地曳網漁業権
4ヵ所
7ヵ所
8件
1902
同上
札幌郡対雁村・樺太旧土人
24ヵ所
1907
色丹郡斜古丹村 公債証書等
5305円
1931
救護・住宅改善
  
・ 沿革不明の財産が多い
→火災のため書類焼失
→まったく記録が存在しない

・道庁の指定を受けなかった共有財産も存在(留萌郡留萌町など)

c. 共有財産の使用目的

d. 共有財産の処分  
7、問題の現状と今後

a. 共有財産返還をめぐる経緯(北海道新聞1999.10.19)

b. 返還問題の焦点 c. 旧土人保護法による給与地の現状                        
d. 今後の課題

 

引用・参考文献

●石井清治 1993 『勇者たちの道〜昭和期北海道アイヌ運動小史』
●小笠原信之 1997『アイヌ差別問題読本』 緑風出版
●川村シンリツ・エオリパック・アイヌ 『アイヌ・モシリに生きて』  川村アイヌ民族記念館(パンフレット)
●河野常吉 1911「北海道旧土人」(河野本道選 1980『アイヌ史資料集  第一巻 一般概況編』 北海道出版企画センター)
●河野本道選 1980『アイヌ史資料集 第一巻 一般概況編』 北海道出 版企画センター
●河野本道編 1981 『対アイヌ政策法規類集』北海道出版企画センター
●小松豊 1999 「アイヌ差別法の清算のために 共有財産返還問題を問 う」『歴史地理教育』593 歴史教育者協議会
●高倉新一郎 1939「アイヌの土地問題」『社会政策時報』230号 協調 會
●貫塩法枕 1934『アイヌの同化と先蹤』 北海小群更生団(復刻 1986  サッポロ堂書店)
●林善茂 1953「アイヌの土地占有慣行」『民族学研究』18巻4号 
●平田 剛士 1997「アイヌ民族への返還共有財産『一四八万円』の背後 にあるもの」『週刊金曜日』9.26
●北海道 1954『北海道農地改革史〜上巻〜』
●北海道 1957『北海道農地改革史〜下巻〜』
●北海道ウタリ協会アイヌ史編集員会編 『アイヌ史』 北海道出版企画 センター
●北海道庁 1934『北海道旧土人保護沿革史』(復刻 1981 第一書房)
●百瀬響 1994「北海道旧土人保護法の成立と変遷の概要」『史苑』55巻 1号 立教大学