ソシュールの思想の概要

環境情報学部4年   中川 譲   79656391

ランガージュ/ラング/パロール

●ランガージュ:コトバ
シンボル化(抽象化・カテゴリー化・概念化)能力
言語を獲得する生得能力
●ラング:言語社会制度
受動的・集団に存在・ランガージュを組織・社会的コード・構造
ラングは本当に社会的か?
言語の発生は?
ソシュールは無視
「諸言語の起源の問題は一般に認められているような重要性をもたない。そんなものは、存在すらしないのだから」(『一般言語学講義』)
チョムスキーの理論
the man is tall → is the man tall?
the book is on the table → is the book on the table?
the man who is tall is in the room
 →○ is the man who is tall in the room?
 →× is the man who tall is in the room?
幼児はコトバを経験的ではなく、生得的に獲得する。
ただし生得的共通文法=普遍文法(普遍の同一性の措定)とシーニュの恣意性に問題あり。
アヴェロンの野生児の問題
言語の発生を考えるに、幼児にパロールを与えなくとも新言語を作ることが有りえるのではないか?
●パロール:個人の言行為
能動的・個人的・ラングを顕在化・日常の言葉・発話行為・現象
ラングの個人的使用

唯名論と実念論

●ソシュール以前のコトバに対する考え方
唯名論
個物が存在し特殊名辞はラベル・普遍名辞は個物の集合でしかない。
過去現在未来に渡り個物は同一性が維持されているようにみえる理由を説明できないので×。
アリストテレス的。まず第一に個物が存在する。
実念論
まず不変のイデアという本質が実在しそれが個物に取り付いている。
イデアの存在は確認できない。
プラトン的。
●ソシュールの思想は何処が違うか
コトバは人間とは別に存在する何かを言い当てるモノではない。
何らかの実体の存在がコトバの違いを根拠付けしているのではない。
コトバによって世界は分節され(別けられ)認知される。
コトバが指し示す実体は個物も含めて存在する必要はない。
イデアが実在する必要もない。

コトバの恣意性

現象はコトバによって分節され認知される。→価値の体系
ex.オーストラリア中部のアランタ族の言語
purula
父方の祖母の兄弟
母方の祖母の兄弟の妹の息子
自分の姉妹の息子の息子
ngala
母方の祖父
母方の叔父の息子
自分の姉妹の息子
ex.虹の色
英語6色・ズーニインディアン5色・ショナ語3色・サンゴ語/バッサ語2色
ex.謎のイキモノ
ネコ・トラ・ヤマネコ……。どういうコトバを割り振るか?
謎のイキモノ
コトバは、あらかじめ存在してる何かを指し示してはいない。
コトバは「記号」(=何かの実体を指し示してるもの)ではない。
ネガティブに決定される。

連辞と連合

●連辞と連合
連辞
個々の語の意味と機能を決定する線的な関係。
ex.「イシが飛んできた」
「が飛んでイシきた」とは言わない。
石または医師。もしかすると遺子。意思や縊死や遺志ではない。
連合
時間・空間から解放された意識の中で起こる「連想」。
ex.「あの人医師だから」
医師→医者・院長・歯医者・意思・石・先生・ドクター・医学部・金持ち
個人により異なる。連辞関係によっても異なる。定式化は不可能。
●コトバの意味はコトバ自体にはない
連合関係の確定とコトバ同士の関係により初めて意味が決定。
意味は差異のモザイクから生まれる。
ex.失語症患者の文章
「机の冬は、病み上がりの色できしみつづけ、」
連辞的に正しい。連合関係が異なる(教室・向かう・勉強する・椅子など)。
連辞とはコトバの連合のつながり

恣意性とは何か

「規則はあるが根拠はない」状態。
ex. ラングは恣意的だがパロールに対して規則。

シニフィエ・シニフィアン

●シニフィエ・エシニフィアンとは何か
意味と表現の両方を併せ持つコトバを分割する理念上の概念
シニフィエ
意味(意味されるもの)
シニフィアン
表現(意味するもの)
●シニフィアン/シニフィエの対応恣意性
「英語では猫をcatと呼ぶ」だと実体/イデアを前提とする表現なので×。
ある音声から導かれる概念が「neko」に対応する必然性はない。
●シニフィエ/シニフィアンの分節恣意性
音素を音素としているモノは恣意的
「neko」
高い声でも低い声でもガラガラ声キンキン声でも「neko」と聞こえる。
「あ」
英語では“cat”の“a”と“cut”の“u”は別の音だが日本語では両方「あ」。
●シーニュ(コトバ)の分節恣意性

共時態と通時態

●通時態
時間軸上における言語の変容
パロールは歴史的に見ると変化している。
パロールはラングに依拠している。
ラング(体系)も変化している。
ラングは体系(構造)でありパロールにより恣意的に変化する
構造は外部に根拠を持たないから。
構造の共約は不可能
恣意的だから。
●共時態
時間の影響抜きにした同時性の軸
構造は関係の体系だから。
共時的に捉えた後に異なる時代の共時態同士を比較する。

参考文献