小熊研 研究プロジェクトA ブルデュー レジュメ 11月4日(金)

「ディスタンクシオン(La Distinction)」総合2年 諸星 伸純

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1.           ブルデューの人生とその思想背景

 

キーワード:「田舎者」

1930 フランス・ダンガンにて生まれるも・・・

→スーパーエリート養成学校へ入学! そして、その体験を作品に・・・

 

当時はどんな思想が流行っていたのか?

実存主義=人間の主体的決定を重視

構造主義=構造によって人間の行動が規定される

     例)平行イトコ婚の禁止、交叉イトコ婚ならOK

→結婚が主体的決定によって行われていない!

 

ブルデューによる理解

実存主義=自分の特権的立場に気付かない特権的エリート主義

構造主義=エリートの特権的立場から未開社会を断罪する理論

    →要するに、どちらもエリートの論理である。

    →「人間は構造によって規定されるが、それは同時に、人間自身の行動によっても変容させることができる」(発生論的構造主義)

 

2.「ディスタンクシオン」の時代背景

 

     階層社会→大衆社会

数%に満たなかった大学進学率が、たった10年で20%を超える)

・メリトクラシー(能力主義)興隆

 →しかし現実は・・・×

 

ブルデュー批判のポイント

@実際格差は縮まっていない

A格差が縮まっていないだけでなく、学校のカリキュラム・試験がそもそもエリート・金持ちに有利にできている

 

3.「ディスタンクシオン」の内容紹介

 

ディスタンクシオンの概略的流れ

 

普遍的美的感覚への批判(T部:「文化貴族の肩書き」)

→趣味・美的感覚=文化資本として不平等に分配(T部:「文化貴族の血統」)

→趣味と階級との相同を図式化(U部:「階級の存在状態」・「三次元空間」)

→社会的上昇のための転換戦略・再生産のメカニズム(U部:「転換の戦略」)

→個人のレベルから見た趣味と階級

=ハビトゥスの分析(「3.ハビトゥスと生活様式空間」)

→社会のレベルから見た趣味と階級=場と象徴闘争の分析(「4.場の力学」)

→個々の階級の分析へ・・・

 支配階級・中間階級・庶民階級(「ディスタンクシオンU」)

 

テーマ別に見てみると、一つの大きな分析の流れが見えてくる!

 

@     「カント的芸術論」批判

→普遍的美があるという命題を否定

 

美しいと思うのは金持ち・エリートだけ?

     キャベツ

     ラック工場の写真(ディスタンクシオンT・72p)

 

学歴貴族と相続貴族

     ルノワールの絵

     音楽作品

 

これらの分析から分かること・・・

経済資本=お金・資産など

文化資本=教養・学歴など

 

ブルデューは

(@)資本総量の軸、(A)経済資本と文化資本の比率を2つの軸として

各階級を座標平面上に描写する。

 →ディスタンクシオンT・192.193p図

 

A     階層の再生産

階層の再生産はなぜ起こる?

 

(@)垂直移動戦略

教育の拡大により成功するようにみえたが?

  →「バカロレア」資格を持ちながら・・・(資料・小)

 

(A)水平移動戦略

  →文化資本を持つ人だけが成功(新興プチブル)

 

結果:金持ち・エリートだけが階級脱落を免れる。しかし、それでも自分の位置を保守するためには文化資本への投資を続けなければならない。

   →秩序が守られる

   →再生産が継続

 

B     ハビトゥス

 

A.慣習行動に導く

B.分類=識別・評価の図式

 

・若い女性のエアロビ

・キャリアウーマンのポトフ?

     21歳無職のフリーターがヨット?

 

【趣味】

支配階級=卓越性のあかし

庶民階級=押し付けられた選択

当人は、ヨットのような高級な趣味を嫌悪

→価値・認識体系として身体化

 

C     「場」の分析

 

何が美しく、何が醜いかということが一つの評価の図式になっている

=何が美しく、何が醜いかということに各人が利害を持っている

=何が美しく、何が醜いかということをめぐって人々は争う

→個々の階級分析

支配階級

 

支配階級の見取り図=ディスタンクシオンU・11p・図

学歴資本VS相続資本、新参者VS古参者

→争点:禁欲VS贅沢

 

中間階級

 

中間階級の見取り図=ディスタンクシオンU・135p図

3つの階級内階級

     下降プチブル:小商店主など

→伝統・スーパー保守

 

     実働プチブル:普通のサラリーマンなど

→SEXは駄目だが中絶はOK

若年期:上昇・禁欲→老年期:下降プチブル的保守or超革新

 

     新興プチブル:デザイナー、テレビのディレクターなど

→微妙なポジション

→例えば・・・

→快楽主義

 

争点:保守VS革新VS新保守

 

庶民階級

 

     階級内対立より正統的文化押しつけの効果が大

     大衆文化=労働者の文化的無能力

 

結論

このように、各人に身体化されたハビトゥスは、分類=認識の体系として機能しつつ各人を無意識のうちに最もありそうな未来へと導いてゆきます。各人はその中で、様々な上昇のための戦略を立て、それを実践しますが、象徴闘争の場においては、そうした努力は他の階級の人々の同じような努力によって、かなりの程度無効化されてしまいます。

このプロセスが社会全体を通じて行われることで、階級の再生産が行われてゆくのです。→感想(大きな資料28p)