研究方法



このレポートは、先に示した目的を達成するために、連協の対“はまっ子”運動で使用されたレトリックを分析する方法をとる。
分析対象とする資料は、主に連協が発行する「横浜の学童保育運動」1993〜1999[連協:1993〜1999]の中の「“はまっ子ふれあいスクール”に関して」という部分である。この資料は、常任役員と親・指導員が集合し、年間の運動方針を決定する、連協の最重要の意思決定の場である「総会」において、各施設に配布されるものである。連協の運動方針が多岐にわたり細かく分かりやすく表されていること、且つ毎年同じ形式で発行されているので、年代ごとの移り変わりも参照しやすいこと、また、他に連協が発行する資料の内容を総括しまとめたものであるため、取りこぼしがないことが、この資料を選択した理由である。その他の資料は、内容補完の意味で適宜使用した。
また、“はまっ子”問題に関する親および連協の考え方については、資料に表われない面に注目し定性的に明らかにする必要があったため、参与観察を実施した。その内容は以下である。
親たちと連協の関係を調べるため、1999年5月に行われた連協の総会に参加した。
親たちの意見については、1999年7月21日〜8月31日にかけて、横浜市内の「I学童クラブ」に臨時指導員として勤務する傍ら、月1回入所児童の親たちによって行われる父母会を7月、8月分の2回にわたって観察した。その中の5人の親と2人の指導員に対して、父母会の後の飲み会の席で集団インタビューを実施した。
連協の内部事情については、1999年11月に横浜市中区の連協の事務局を訪問し、事務局長のA氏に2時間程度の個別インタビューを行った。
その他にも、以上のような学童保育との関わりの中で、連協の主催する各種会議の合間に、他の施設の親・指導員と交わした会話などから得た情報も、積極的に参照した。

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