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April 01, 2004

西口駅前


上下する世界の狭間で
漆喰の空をいつも
見上げ続けていたあの人は
今も唄を歌っているのだろうか

ヘッドフォンを耳にあて
懐かしい言葉を少しだけ
消えていく背景に委ねる


全てを捨てたつもりで
駅の隅に縋りつくことを
勇気と言える時代が来るかもしれない

 大切な人に伝えてください
 明日、この場所でテロがあるかも知れません

そんなメールが回った日も
改札口はもう誰の手にも遮られることなく
瞬間の瞬きのような人が流れていた

どうしても行かなくてはならない場所なんて
ほとんど人には、他に居場所がないからくらいの意味
なのに、君は今日も何故か走っていた


巨大スクリーンの中で
たった一人きりで

勝つことも負けることもないと
笑っていたあの人は間違いなく勝っている
そしてそれを怨むあの人はきっと負けている
だからゲームは続いていく

足を止める勇気も実はない
道を閉ざす気配はいつも怖い

側にいるよと簡単に言える人の
側にはいたくない

いつか終わってしまう世界なら
もういいじゃないと、誰も言えない
どうせゲームなのにと
僕は笑っても、君は笑わない

だから、きっと傍観者になりきれず
むしろ僕感謝の名のもとで

そしてまた今朝も改札を通り越し
人込みに紛れて、続けてしまう

居場所を求めるのが旅だとしたら
また闘いは終わりそうもない

明日も無言のテロや葛藤や行き違いが
この場所では当たり前に起こる

ただ、それだけのこと

投稿者 POE : April 1, 2004 09:42 EM

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