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November 09, 2004

想い出。

弱っているのか、卒業アルバムなんて開いたりしてしまう。

今が満たされていれば、その過程となった過去も、今への道筋として、愛しいものとして感じられる。勿論、そんなときにはあまり過去を振り向きはしないものだけど。
そして今がたとえば辛くても、たしかに存在したものとして、その中に優しさや意味を見出せる場所として、想い出は慰めになる。

結局、今がどうであれ、想い出はいつだって優しい。いや、痛みや憎しみは克明に思い出せるし消せるわけもないけど、その憎しみの対象物はたいてい、もうこの現在にいないことが多いからなかったことにできる。

だから、明日が辛いとき、想い出にすがるのは全然悪いことじゃない。ところで、でもなんで、そのすがるべきものを「かつての輝かしい日本」とか「大正期のあの原風景」とかに求める人がいるんだろう。「私のちょっとお茶目だった70年代」とか「クラシックギターでロックに明け暮れた10代」とかでいいじゃない。

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足跡を辿ったならば
行き着く先に
誰の残した未来が?

いつかは
たどり着けるかな

途方にくれたあなたがいても
抱きしめてあげられるかな

それとも
風がもう足跡ごと消したかな


重みはやがて
時代からこぼれ
夜の淵に
笑う子供のように
無邪気には
闘うことさえ出来ない

全ては無駄じゃないと
言い切れない

幸せだと言い切れるほど
世界を知らないわけでもなく、
全てを知っているわけでもない

雑踏の彼方
手を振った横顔

アスファルトには
足跡さえ残らない

それでも
たどり着けるかな

笑えるかな
許せるかな

戻れないなら
立ち向かえるかな

投稿者 POE : November 9, 2004 01:01 FM

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