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September 05, 2006

アキ

ちょっと道に迷うともう、何が欲しいだとか、どこが心地いいだとか、
そういう基本的なことさえもわからなくなってくる。

好きなものや場所は、ちょっとだけ過去を思い出せばよみがえって、
しかもそこに行く道筋やヒントさえも、
昔読んだ本や出会った人が教えてくれていたのに。

どうして簡単にものごとを忘れて、
出来事はこぼれてゆくんだろう。

残ったものは、必ずしも大切なものじゃない。
残したわけじゃなくて、たまたま残ってしまっただけかも知れない。

もちろん、それだけでもある程度までは戦えるだろうけど、
せっかくの過去なんだから、もうちょっと振り返ってもいいかな。

これも忘れていたのだけど、そういえばもう秋らしい
(TVの中の人が秋モノ着てるから)。
ということもこんな感傷も、季節のせいでしょうか。

*

IKEAで選んだ窓枠は
なぜか鳥籠に似てしまった
逃げ出すのことのない私たちに
檻は必要がないはずなのに

風がたどり着く国に暮らす人々
祈る歌声響く岬では今日も誰か逝く

行き先は
あたたかい場所と
空のない
世界でつぶやいた
どんな場所が
残されているか知らずに

投稿者 POE : September 5, 2006 11:35 EM

コメント

開高健は、ベトナムやら(『夏の闇』など)、アマゾンやら(もちろん『オーパ』)やら、
世界中を旅した(取材した)作家でしたが、
彼は、どこに行っても、
一行のメモも取らなかったそうです。
なんでも、自分のその時の印象に残らなかったものは、
書くに値しない、という考えだったそうです。

人それぞれ、いろいろな考え方がありますな。

まあ、僕は、極度に忘れっぽいので、開高さんみたいことは、真似できませんが・・・。

投稿者 Ryo : September 6, 2006 05:46 EM

確かに忘れてしまうほどのことなら
忘れてしまえばいいという人もいますよね。

でも、僕の場合、きっかけがないと思い出せないことだらけなので、
きっかけとしてメモはすごくとります。
まあ、生き方に指針がないから内容もバラバラなんですけど。

投稿者 poe : September 7, 2006 06:56 EM

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