IT・ネットワーク・物理・科学・数学の最近のブログ記事

和田中の民間人校長で一躍話題になった藤原和博さんの新聞連載を
まとめた本。校長という人事権も予算権もない役職の中で、
いかに改革を断行するか、という視点から読めば、教育論のみならず、
組織改革論としても読める。

サイエンスライターが独自の視線で描く現代物理学の世界を描く。
主に量子力学を対象としている。読みやすいことは読みやすい...

ブックガイドというよりは、筆者の個人的な社会学体験を
本を切り口に語っているという感じ。確かに文献案内としては、
どうかというところもあるが、個々のエピソードにより社会学が魅力的に見える
ところがいい。改めていくつか読んでみたいと思わされる書名もあった。

次世代マーケティングのコンセプトに「創発」を充てている。
元SFCの学部長の井関先生のイントロが1つの情報社会論のコンセプトとして
とても魅力的。最近「コンセプト」が気になってしょうがない。
遅いですね。。


日本人の、ノーベル賞受賞者は現在12人いる。
そのなかで、2001年受賞の野衣良治博士までの略歴や
インタビュー、総括で構成。

超一流の学者の矜持に触れることができる。

『フォン・ノイマンの生涯』を読了した。


フォン・ノイマンは、数学者にして、ゲーム理論の基礎、原爆関連、
コンピューターの基礎等々、様々な分野の先験的かつ
応用分野の研究をした、いわゆる天才。

天才の伝記を読むことで、得られるものとはなんだろう。
少なくとも、簡単に参考にできるヒントではない。

初期条件があまりに違いすぎるから。

でも、ただ、天才の天才たる所以や所行を知り、頭を垂れるのみ、
というのは、あまりに悲しい。

まずは、すごさを感じることから。
ついでに、何か得るものも、おまけであるといいかな。
そんなわけで、結構伝記好きです。僕は。

でも、この本はちょっとタカ派的なバイアスがかかりすぎている
気もするので、『囚人のジレンマ』も併せ読むといいと思う。

僕は、『囚人のジレンマ』でノイマンの凄さを知りました...

95年に出版されたビル・ゲイツの著書。

生い立ちから、マルチメディア(!)の未来、情報ハイウェイ構想(!)等、
まで、語り尽くしている。

中学から十数年来のMacユーザーだけに、
スティーブ・ジョブスのヴィジョンが好きなのだけれど、
MSによるYahoo買収騒動のさなかだけに、あえて面白い。

というのも、同書の中で、ゲイツ本人が、
囲い込み戦略への否定的見解を示している。
(IBMのハードウェアの囲い込み戦略への批判。)

MSのビジネス・モデルは、20世紀のコンピューター
戦略のある種の究極系だが、情報社会化が
一巡した現代の、最先端のモデルではない。
(とはいえ、MSは現在でも十分な利益をあげているのだけれど。)

そこを意識的/無意識的に関わらず、
直観するところに、MSから引退するゲイツの意図というのはあるの
かもしれない。

<現在>という視座から、当時の文脈を
意識しつつ再検討する、という作業からは、
様々なfindingsが得られる、と思う。

要素の相互作用から、ボトムアップで、予期できない
結果が生ずるという創発論の古典。

「創発」という語は、いまやすっかり
ビジネス書でもめずらしいものではなくなった。

本書は、専門書という体ではなく、事例が豊富で
入門に最適。

いまさら人に聞けない「創発」の事例を知ることができる。

また、山形浩生訳なので、普通の入門書とは
ひと味もふた味も違って楽しく読める。

1950年代から2000年くらいまでの、
社会科学系におけるネットワーク分析の古典論文の
日本語訳を所収している。

ミルグラム、グラノベッター、バート、コールマンの
「弱い紐帯の強さ」「スモールワールド実験」「構造的隙間」等の
論文を収録している。

ネットワーク分析関連の必読書だろう。

結構、時間がかかったが、
ようやく読了。

ぶっちゃけビギナーとしては、
いわゆる「らくだ本」
http://web.sfc.keio.ac.jp/~ryosuke/sociologs/2007/12/perl.html
はハードルが高くて、
また、ちょっと独特な文体が辛かったり。

それに比べて、断然読みやすく、また、
豊富な応用例が載っていて、[入門編]とはいえ、
いい勉強になった。ただし、Mac云々、といった
ハード依存の側面についての開設はない。

実際のプラグラムもこれのおかげで、
ちょっと読めるようになった。
もちろん、実際に作るまでには、
まだ、ハードルがあるのだろうけれども。

正規表現難しい...

蔵本モデルで有名な著者が、冪乗分布やロングテールと行った非線形現象から、
ネットワークまで語り尽くす。非常にまとまってて分かりやすい入門書。
話題のロングテールやweb2.0、ネットワークの原理を少し深く、
でも数式を使わずに学ぶのにもってこい。

オライリーの定番本っぽい。
確かに、ちょっと面白くて、分かりやすくて、
なかなかレベル高いんだけど、サンプルコードまで、
ギャグが入ってて、僕はちょっと読みにくいかな。
それさえ気にならなければ、十分勉強できる。

認知科学の方法論シリーズの一冊。
主に、人が楽曲(リズムや音声)をどのように認知するのかという
問題に対するアプローチが中心。
当然と言えば、当然だが、楽曲の認知についてのアプローチは、
音階やリズムなどを対象にした実験による分析的なアプローチが中心のよう。

J-popの消費についての研究もやっていて、
主に、歌詞中の語の変遷と
音楽カテゴリの変遷からアプローチしてるが、
先日の日本社会学会の大会でも指摘されたように、
歌詞以外の領域をどう扱うかということは課題の一つで
参考になった。


認知科学の方法論シリーズの一冊。
主に、人が楽曲(リズムや音声)をどのように認知するのかという
問題に対するアプローチが中心。
当然と言えば、当然だが、楽曲の認知についてのアプローチは、
音階やリズムなどを対象にした実験による分析的なアプローチが中心のよう。

J-popの消費についての研究もやっていて、
主に、歌詞中の語の変遷と
音楽カテゴリの変遷からアプローチしてるが、
先日の日本社会学会の大会でも指摘されたように、
歌詞以外の領域をどう扱うかということは課題の一つで
参考になった。


認知科学方法論のシリーズもの。
佐伯先生が全編に渡って記述している模様。

結局どのような
アプローチが認知科学にあるのか、という例があまり載っておらず、
イマイチ方法論集としては読めなかった。

しかし、「妥当でかつ面白い研究」とはなにか、についての、
研究論として面白く読めた。


イアン・エアーズのこの本は、まさに僕らがやりたいことの
重要な柱のひとつはこういうことです、というような本で、
とても示唆的だった。要は回帰式やニューラル・ネットワークに、
莫大な変数を設定して当てはめてやれば、
一般的な臨床的な専門家よりよっぽど
「正確な」診断や面白いfindingsを(高い確率で)出せますよ、という内容の本。
山形浩生訳で、読み物としても十分に面白いと思う。

SFCの清水先生らのチームが開発した電気自動車eriica
http://www.eliica.com/
の回。SFCにいながら、eliicaについてあまり
知らなかったのでついつい買ってみた。

時速300kmオーバーで走るエコカーという設定がいい。
環境志向ではなく、たまたまかっこいいものを
望んだら、エコだったというのが、結局
持続可能なエコだという本書の主張に賛同する。

爆笑問題が対談形式で、非常に分かりやすくまとめているのも
いいが、思いがけずちょっと心を動かされたのは、本書のシリーズ
「ニッポンの教養」の宣言文。

曰く、「心は自由だ。言葉にした途端に失われるものがある」...
等々、爆笑問題ちょっと見直したかも。

脳科学という境界領域を専門として、医学、認知、言語など
多数の専門分野を渡り歩いてきた筆者が、科学者の仕事について
その養成過程から、必要なスキル、心構えなどについて、
過去の科学者の言葉を引きながら、実に魅力的に
紹介している。

http://web.sfc.keio.ac.jp/~ryosuke/sociologs/2007/11/post_18.htmlが、
悲観的に学者の養成過程と政策の変化を描くのに対して、
おそらく学者としての地位を確立したといってよい筆者が描くだけに、
若干楽観的でポジティブな方向へのバイアスも気になるが、
それを上回る魅力的な科学者の描き方がいい。2002年に
科学者が男の子の成りたい職業No.1だったとは知らなかった。

コンピューター研究者石井宏さんの回に最近の中で一番刺激を受けた。
その研究へ向う姿勢の厳しさ、徹底してオリジナルを求める姿勢は
研究者以外も必ず刺激を受けると思う。

後日、見た映像版はさらにその3割増しの刺激を受けた。
ただし、書籍版には映像版にはないコラムが付加されている。

他にも漫画家、浦沢直樹と中小企業の再生を専門とする弁護士さんの
話もなかなか。

思わず衝動買いしてしまった写真集。
原始時代から2004年までのコンピュータ関連の人物、本体などの
歴史についてきれいな写真とともに紹介されている。
本文には英語ものせられていて、何気に英語の勉強にもなるw


Jwein'07のパネルディスカッションでも言及されていた西成先生の著書。
相当面白い。待ち行列モデルの拡張(「見通し」の導入)で、
こんなにもキレイに渋滞の原因を説明できるとは!
後日談として、社会実験にまで踏み込まれてるところもすごい。
しかも、その「渋滞」のモデルを渋滞のみならず、
「出口からの脱出」や代謝等にまで拡張できることが面白い。
シンプルなモデルの強さとでもいうべきか。
新書よりは詳しく、専門書よりは易しく、という選書の役割を
よく果たしていると思う。極めて興味深い。
この本でも、数学といったような基礎研究(とその習得)の重要さが
述べられているが、最近つくづくそう思う。


ニュートン物理学⇒量子力学へという
現代物理学の変化を文系の読者にもイメージできるように
書かれていて、結構面白い。

SFCの放出本で、ゲット。
残念ながら内容が古すぎてほとんど参考にならず。
きっとインターネット初期やバイオインフォマティクス黎明期には
それなりに存在価値があったのだと思う。

本書はコンピュータ系の著者による
グラフ理論の入門書。

演習問題も豊富で実に分かりやすい。
ただし、応用分野や展開の関連性や行列との関連性については
ちょっと手薄かもしれない。

一般人向けの科学解説、入門書である講談社ブルーバックスシリーズには
当たりが多い。理系出身ではない身にとっては、一般に、
大学に入るまでにどんなことを学んできているかということを
簡潔に、かつおもしろく知ることは重要である。

本書は高校で学ぶ基本50の公式について、
背景ともども、分かりやすく解説してある。
文系出身者にとっても十分学ぶことができる。
ただし、解説の口調に教師口調のクセがあるので、そこは好き嫌いが分かれるところ。

久しぶりに井庭先生http://www.sfc.keio.ac.jp/~iba/sbの『複雑系入門』を改めて、ぱらぱら読み返してみた。
改めて、密度の濃さと分かりやすさが両立されていることに驚いた。
フラクタルから、ニューラルネットワークまで、いわゆる複雑系の各分野について、
網羅的かつ分かりやすく書かれている。この「難しいものを、
分かりやすく説明する(しかも本質を損なわず)」というのは実に難しいが、
井庭先生の十八番である。

しかし、改めて、読み直して(ちなみに、最近、先生がよく気にしてるニューラル
ネットワークってなんだったか、思い出したくて手に取った。)思ったのは、
その密度の濃さ。参考文献の量が何気にハンパじゃない。
これを書いたときの、おそらく大量のインプットが今の
井庭先生を支えてるんだと思った。

同時に、井庭さんがこれを書いたのは、なんと修士1年のとき。
今の自分のアウトプットと比較してちょっと落ちた。
もちろん、それと同時に頑張ろうと思ったわけですが。

あ、ただ、惜しむらくは、年代の問題で、
ネットワークの話と社会システム理論の話がちょっと手薄なこと。
もし、次に先生が改訂版を出すなら、必ず入れてくるとは思うけど。

複雑系入門―知のフロンティアへの冒険

『ボナンザvs勝負脳』は、
全幅探索と機械学習を組み合わせた
有名なコンピュータ将棋のソフトの開発者と
対戦した渡辺竜王の共著本。

タイトルが流行の脳トレ的なものを想像させて、
残念だが、実際は、コンピュータ将棋の
歴史からそのアルゴリズム、特徴、渡辺竜王の
対戦の感想、2人の対談、科学論までと、
かなり奥深い。めちゃくちゃ刺激を受けた。

著者の一人で、ボナンザの開発者の保木さんを
貫いているのが、人間のすごさを認めた上で、
徹底的に反人間的な(というか全幅検索と機械学習で)
方法で、挑むというその「構え」のようなものが
とても印象的だった。

最近、いろいろなところで、気になるのが、
「シンプルなものの強さ」。
全幅探索も発想自体は極めてシンプルだが、
シンプルなものは応用しやすいし、
強力。しかも、シンプルなもので、実は
極めて複雑なことが可能だ、ということが
重要なことに思える。まあ、当たり前ですが。

そうすると、社会科学における思想というのは、
なんだか、複雑というか良く分からないというか、
どうも科学と路線が異なっている気がする。
にも関わらず、「社会の複雑さ」や「社会の本質」のようなものを
捉えられている、と思えるものも多くはない。

逆に言えば、社会科学の分野でも、
「シンプルで強力な方法」でアプローチできないだろうか。
どうなんだろう。

ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21 C 136)

「物理数学の直観的方法」の
物理数学の直観的方法の
第11章「三体問題と複雑系の直観的方法」に
おける「作用マトリックス」の考え方は、
社会のモデリングや分析における
行列の有効な使い方を示唆していると思う。

あ、でももしかしたら、社会シミュレーションの世界では
常識なのかもしれませんが^^;


物理数学の直観的方法


物理学の教科書では、有名なものらしい。
「絶賛」の書評が多数存在する。
ただし、「参考書の参考書」という概念が強く、
ある程度の数学的な予備知識を要する。
それさえ、あれば、難解な数式について、
イメージがわくように解説されている。

個人的には、
1章「線積分、面積分、全微分」
2章「テイラー展開」
3章「行列式と固有値」
6章「ε-δ論法と位相空間」
10章「解析力学」
11章「三体問題と複雑系の直観的方法」

は学習に使えたと思うが、
5章「ベクトルとrotと電気磁気学」
7章「フーリエ級数・フーリエ変換」
については、予備知識が全くないためほとんど理解できず。。

また、どこかで勉強したのち、手に取りたい一冊。


物理数学の直観的方法

映像情報メディア学会編の複雑系の理論の案内。
中島先生や高安先生と言った学会関連で
見かけたことのある先生方が書いている。

ただし、2章のフラクタルと4章のソリトンの話題が
ムズカシくあまり数学的に理解できなかった。

遺伝的アルゴリズムとカオスの章は読みやすい。
類似の書と異なり、厳密さを目指したとあるが、
導入と位置づけるには難しく、また、実際に研究に
使用するには、応用例などが乏しく、
やや帯に短し、たすきに長しな印象を免れない。

複雑系の理論と応用