先日、電車での移動時に、どうしても最寄り駅の本屋でいい本がみつからず、幸徳秋水の『帝国主義』を手に取った。特に期待していたわけではないけど、これがなかなか面白い。
一言でまとめると、「理性」が重要視されるようになった19世紀末〜20世紀初頭の日本社会で、愛国心にもとづく軍国主義を土着的で、野蛮なものである、と批判する。現代から捉え直すと、近代日本の思想家は皆、とても戦略的なスタンスをとっているように思えるが、その例にもれず、幸徳秋水もその一人だ。
思想史は専門ではないけれども、幸徳秋水は「動乱期の社会主義思想家」というレッテルを張られているけれども、読んでみると一概にそうは言えないように思えた。というのも、彼が擁護しようとしたものは、帝国主義や軍国主義からこぼれ落ちる「弱者」で、社会主義はそのための手段に過ぎないように読めるからだ。思想や「〜主義」は、実践を擁護する手段だ、ということを、改めて確認。





