昨日、早朝に山中湖から帰ってきて茅ヶ崎市役所産業活性化研究会を経て、その後EcoSurfer代表の堀さんと打ち合わせをして、平塚商工会議所青年部の20周年事業に関する打ち合わせに参加してきました。
カジュアルな会かと思っていたら、僕たちだけではなく産能大学、東海大学、神奈川大学近隣からも関係の方が参加していて少し驚いたものの、約2時間に渡ってプロジェクトの概要の提示とディスカッションが行われました。これは思った以上に面白いプロジェクトになりそうです。というのも、行政や商工会議所と単体の大学が組むのは良くある話ですが、近隣の複数の大学を巻き込むプロジェクトというのは珍しい企画だからです。研究者や学生、商工業者、住民の相互交流という点からみても大変面白いのではないでしょうか。その後、湘南ベルマーレのファンの方が集うお店としても有名で、実はビーチマネー加盟店でもあるモト・ロッソさんで懇親会がありました。モト・ロッソさんは地元野菜や日本全国の珍しいお酒なども取り扱っている素敵なお店です。
ところで商工会議所の青年部というのは、商工会議所の中でも45歳以下の方が参加している部会のようですが、地域活性化を考えていくうえでは、改めてこれから地域の中核を担っていくことになるこうした若手の方々とコラボレーションしていく必要があると確信しました。
このとき、商工事業者の方の集まりである商工会議所と大学というのはそもそも活動目的が異なる組織なので、一般にプロジェクト初期にはいろいろなニーズや文化の違いが浮き出てきます。これは僕の個人的な意見ですが、自治体や商工会議所、NPO等のアクターが大学を活用する「方法」には大きく分けて次の2つの方法があります。
1.「業務」として、一定の枠内に収まるプロジェクトを委託する。
例えば、あるプロジェクトを企画したうえで、その実現手法に関して大学にコンサルティングを依頼するとすると、僕の友人たちが勤務しているような外資コンサルティング会社等への依頼と比較すれば一般に0がいくつか少なく委託することができるでしょう。最近では研究資金獲得や地域活性化の文脈でも、こうした方法が注目されています。しかし、大学はプロのコンサルタントでもないし、一般に大学生や教職員といった参加者になるはずのアクターの興味関心と照らしても、この方法では大学の「良さ」や大学ならではの特性を100%活かすことはできないのではないでしょうか。
2.「面白さ(≒誰もやったことがない新しいこと)」で参加者を引きつけ、自律的かつ共同でプロジェクトを0ベースから「創る」。
一般に研究者というのは面白いこと、特に誰もやったことがない新しいことに強い関心があります。業績(特に重要な査読論文と呼ばれる論文のためのテーマ)とも関係します。この特性を念頭におくと、「面白いことをやりましょう」という誘いが、お金や業績はさておき最も魅力的で関心が湧きます(少なくとも僕は)。結果的には、お金や業績にも関係してくると思いますが、とっかかりはそれが一番いい。逆に言えば、僕らは会社ではないので、「面白い」と思えば、お金と関係ない水準で物事に取り組むことができます。そこには前提として、議論しながら互いのニーズやリソースを擦り合わせ、プロジェクトを実現に向けていくということが必要になるでしょう。このとき違った文化を背景にもつ組織ですので、互いにもどかしさや違和感がでることもありますが、それを(言い方を変えれば「それさえ」)乗り越えることができれば、大学の持つ自由闊達さや大学生の若さという特性を活かした面白いプロジェクトの可能性が見えてくると思います。
僕はできれば、あらゆる場面で後者のようなプロジェクトに携わっていきたいと考えています。もしかすると、こうしたある種の「過剰」なコミットメントは、「浮遊するインテリゲンチャ」やある種の価値中立的であることが理想とされた旧来的な研究者像とバッティングするのかもしれません。しかし、「現場」において、否定ばかりで建設的な意見を言わない「大学の先生」への不満やある種の諦めの言葉(「大学の先生はそんなものだ」etc)を聞くことも少なくありません。僕は実践的な地域活性化の方法とモデルを試行錯誤しながら考えていくうえで、プロジェクトの成否や信頼関係構築などを念頭におくと、研究者のある種の「コミットメント」は不可欠ではないかと考えています。

