集合行動を対象に、文理双方の概念を紹介する著作。
昨年イギリスに行ったときに、同書の英国版(著者のPhilip Ballはイギリスのサイエンス・ライター)を手に取った。しかし、ホッブズのリバイアサン、理系では熱物理学の考え方から、コンピュータ・シミュレーション、ネットワーク、べき則まで論じる約600ページの分量に圧倒され、読み切るまでに随分時間がかかった。
知らない分野の話を、大量に英語で読むのはなかなか厳しい。歯ごたえがあるものを一冊一冊読破していくことが、院生という修行中の身にはふさわしいか。しかし、洋書にはときどきあるけど、日本の著作には、なかなか古典的な社会科学の議論から新しい科学の話までを対象とする著作は少ない(強いて著者をあげれば、松岡正剛とか茂木さんとかなのかな。)。
チキさんに収録してもらったインタビューでもちょっと話題にあがったけれど、日本では専門家は専門のことだけやってろという圧力が高いからだろうか。
ちなみに冒頭に比べて、結論が分量も少なく尻すぼみなことだけが残念。せっかく文理双方からいろんな概念を紹介したのだから、それらを総合して論じきってほしかった。だが、そこを差し引いても、最近流行ってる集合行動の前提の概念を知ることができるよい本だと思う。

