2010年1月アーカイブ

直前になってしまいましたが、1/29(金)20:00〜22:00、BS FUJI PRIME NEWSにゲスト出演します。

http://www.bsfuji.tv/primenews/schedule/index.html

「大卒就職」がテーマです。

小宮山宏元東大総長をはじめとする識者の方々とみっちりこの問題を話すことになるようです。

実は有名な識者の方々ばかりで、なぜ僕がこのメンツに加わるかがよく分かりませんが、『中央公論」の論考の流れでしょう。

しかし、大学がテーマにもかかわらず、当事者に近い20代、30代の人間が僕しかいません。そして、この手のテーマが取り上げられるときは、大抵悲観論ばかり。

だけれども、希望も絶望も表裏一体。両方とも、ある状況を目の前にした時の価値判断。ですので、希望の話をしてこようと思います。

お時間のある方は、ご笑覧いただければ幸いです。


僕が顧問をさせていただいている、湘南の環境貢献活動、地域活性化事業、地域講師派遣事業などを展開するEcoSurfer代表堀直也がNHK ラジオに出演します。

■日程:2010年2月1日(月曜日)18時00分~19時00分
■放送局:NHKラジオ FM81.9MHz(横浜エリア)、FM83.5MHz(小田原エリア)
■番組名:よこはまサウンドシャトル(パーソナリティは西田奈里子さん)

詳しくは、堀直也ブログ→
http://ameblo.jp/ecosurfer/entry-10442346317.html

EocSurferは若者による地域密着型社会起業家、もしくは、コミュニティ・ビジネスの1例です。

先日、TBS文化系トークラジオLifeさんにて、project「.review」について告知させていただきました。

Lifeさんには.review開始当時から何度もRTいただいたり大変お世話になっておりますが、改めて感謝です。

コラボ企画として、.review × ジュンク堂池袋新宿本店と.review × 界遊 が正式に決定しました。

他にもいくつかコラボ企画を調整中です。また、随時コラボレーション募集中です。出版社、書き手、同人誌、書店(特に、街や地方、郊外の書店さんとコラボしたいと思っております)、プロジェクト、学会などぜひ一度打診いただければと思います。

ますますの盛り上がりを見せるproject.reviewにこれからも注目して下さい。

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project「.review」は、あらゆる知、まだ出ていない書き手も含めたあらゆる書き手、あらゆるメディア、そしてあらゆる読者をブリッジする新しいメディアをクラウドソーシングによってつくっていこうというtwitter発のプロジェクトです(ハッシュタグ #commu2010を参照)。日本ではあまり類のない試みではないでしょうか。

キックオフの文章
http://web.sfc.keio.ac.jp/~ryosuke/tippingpoint/project「.review」.pdf

PDFにして置いてありますので、ご自由に再配布、ブログ掲載等していただいて構いません。


経緯は以下の西田ブログ「Tip.Blog」過去エントリ参照のこと。

「新媒体作成のコンセプトと経緯、応募要項について」

http://web.sfc.keio.ac.jp/~ryosuke/tippingpoint/2010/01/post-339.html
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TBS文化系トークラジオLife→
http://www.tbsradio.jp/life/index.html

project.review公式サイト→
http://dotreview.jp/

project .review編集ブログ→
http://dotreview2010.blogspot.com/

映画、小説ブログで有名な「空中キャンプ」こと、伊藤聡氏の新刊『生きる技術は名作に学べ』をご恵投いただきました。

同著は、いわゆる基礎教養として、若い時分に読んでいることが期待されていながらも、多くの人が意外と読んだことがない、いわゆる「名著」へのインデックスになっている。具体的には、以下の作品が取り上げられている。

     
  • カミュ『異邦人』
  •  
  • ヘッセ『車輪の下で』
  •  
  • トゥルゲーネフ『初恋』
  •  
  • アンネ・フランク『アンネの日記』
  •  
  • ヘミングウェイ『老人と海』
  •  
  • モーム『月と六ペンス』
  •  
  • マーク・トゥエイン『ハックルベリィ・フィンの冒険』
  •  
  • スタンダール『赤と黒』
  •  
  • ジョージ・オーウェル『一九八四年』
  •  
  • トーマス・マン『魔の山』

本書では、まさに伊藤氏のブロガーとしての真骨頂でもある、ある種の軽やかさをもって、当該作品のみならず、関連コンテンツも含めて紹介されていく。その手つきは、例えていえば、原典の新訳復古版のようだ。本書は、「知的教養」として読んでおくことが、特に一世代上の世代から期待されながらも、難解な訳語や文体に阻まれ挫折しがちな古典の魅力を伝えるとともに、改めてそれらを手にとるきっかけを与えてくれることだろう。ちなみに、僕は未読のモーム『月と六ペンス』と、トーマス・マン『魔の山』を時間があるときに、読んでみたいと思った。

本書の構成は、まず話のストーリーを簡潔に紹介しつつ、話題を展開していくものになっている。しかし、それらはいわゆるネタバレにならない程度に抽象化されており、ほどよく紹介されているので、関心をそぐどころか、より一層紹介されている古典への興味を掻き立てている。

このような所作によって、思い起こされるのは、いわゆる「名著」もそれぞれの時代において最初から教養の代名詞であったわけではなく、しゃちほこばって気取ることのない「作品」であったということだ。僕らはいま、むしろ「名著」という固定観念を捨てて、これらの作品を手にとることができる稀有な時代を生きているのかもしれない。

また、巻末の「死について」では、伊藤氏がブロガーとなるきっかけを偲ばせる実存的文章が挿入されている。節としてはとても短く唐突で、確かに浮いて見えるのだが、切実に伊藤氏の実存が垣間見えて、有り体にいえば、本書のなかで最も感動した文章であった。

なお、伊藤氏は、次回1/24日深夜(25日早朝にかけて)TBS文化系トークラジオLife「いま、聞きたい名言」の回のゲストにも登場されることになっている。こちらも必聴!

TBS文化系トークラジオLife→
http://www.tbsradio.jp/life/index.html

空中キャンプ→
http://d.hatena.ne.jp/zoot32/

project「.review」のスタートを宣言する文章を作成しました。

PDFにして置いておきますので、ご自由に再配布、ブログ掲載等していただいて構いません。

project「.review」.pdf

「.review」プロジェクトは、あらゆる知、まだ出ていない書き手も含めたあらゆる書き手、あらゆるメディア、そしてあらゆる読者をブリッジする新しいメディアをクラウドソーシングによってつくっていこうというtwitter発のプロジェクトです(ハッシュタグ #commu2010を参照)。日本ではあまり類をみない試みではないでしょうか。

経緯は過去エントリ参照のこと。

「新媒体作成のコンセプトと経緯、応募要項について」
http://web.sfc.keio.ac.jp/~ryosuke/tippingpoint/2010/01/post-339.html

「.review」編集チームブログ:http://dotreview2010.blogspot.com/

「.review」プロジェクトの編集チームのブログを立ち上げました。

http://dotreview2010.blogspot.com/

「.review」プロジェクトは、あらゆる知、まだ出ていない書き手も含めたあらゆる書き手、あらゆるメディア、そしてあらゆる読者をブリッジする新しいメディアをクラウドソーシングによってつくっていこうというtwitter発のプロジェクトです(ハッシュタグ #commu2010を参照)。日本ではあまり類をみない試みではないでしょうか。

経緯は過去エントリ参照のこと。
「新媒体作成のコンセプトと経緯、応募要項について」
http://web.sfc.keio.ac.jp/~ryosuke/tippingpoint/2010/01/post-339.html

本当は独自ドメインもとったので、「早速サイトのプロトタイプを」と思ったのですが、慣れない作業のため少し手間取っています。とはいえ、本日がアブストラクト〆切なので、編集チームの「いま」が見えたほうがいいと思うにいたり、このブログを立ち上げることになりました。

現時点で120本ちかくアブストラクトをいただいたにもかかわらず、当然ですが現在4人いる編集チーム(西田亮介、塚越健司、天野彬、淵田仁)のことは、世の中にはまだ全くといっていいほど認知されていません。なので、ブログで自己紹介しつつ、リアルタイムの進捗状況などをお伝えしていこうと思っております。

平塚商工会議所青年部とSFC、東海大学、神奈川大学、産能大学による地域活性化プロジェクト「平塚スタイル創造プロジェクト」の取り組みが、日本農業新聞のサイトに取り上げられました。

「地域の食ブランドつくろう ヤーコン材料 2商品を開発/神奈川・平塚市大学と商工会議所連携【関東】」
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin8/article.php?storyid=11380

2月にはまた試験販売も実施する予定ですし、また、新しい展開がいくつも行われる予定です。乞うご期待!!

平塚スタイル創造プロジェクト公式サイト: http://www.hiratsuka-style.jp/

平塚スタイル創造プロジェクトSFCチーム活動ブログ: http://sfc-hiratsuka.blogspot.com/ 

『中央公論』2月号に、西田亮介「ある若手研究者の悩み多き日常」(約8000字)執筆しました。

もともとは政策の話を扱った固めの論考だったのですが、大学業界の外にいる人にも分かりやすく、関心をもっていただくために、僕の日常を通じて大学政策や科学技術振興政策が抱える問題を分かりやすく説明したエッセイ調の文章になっています(論考(約12000字)も、どこかで使っていただけないでしょうか...?w)。

また、「大学の敗北」という特集の一本なのですが、もしかすると唯一希望の話をしているのではないでしょうか。その意味でもいわゆる高学歴ワーキングプアとは異なる議論になっていると思います。

また、本稿については、経済学者の池尾和人先生の「米国の経済学会−−池尾和人」というエントリで言及していただいたり、twitterでもいろいろと感想をいただいていて、嬉しい限りです。

見つけた感想については、極力RTしているので、僕のtwilogから見ることができるかもしれません。

地域論、非営利組織論が専門のはずなのに無節操なと思われるかもしれませんが、あらゆるところでソリューションを立案していくという公共政策や総合政策の理念に照らせば、これはこれでいいと思っています。これからもよろしくお願いいたします。

昨日、twitterで周知し始めた媒体作成の話が、数時間でものすごい盛り上がりになって、早くもアブストラクトが数本送られてくるという展開になっている。経緯については、ハッシュタグ #commu2010を見ていただくか、僕のtweetのまとめtwilogを見ていただけるとありがたいのだが、簡単にまとめてみよう。

西田のtwilogアカウント→
http://twilog.org/Ryosuke_Nishida

そもそも事の発端は、僕が昨年夏にはじめた「現代のコミュニティ研究会」という研究会で、アウトプットの可能性を模索しはじめたことにある。この研究会は、コミュニティについて研究しつつ、緩やかに知的コミュニティを作成することが目的の研究会。現在、さまざまな大学の博士院生、修士院生、学部生、社会人がそれぞれ数名程度ずつ集まってきて、2週に1回程度勉強会と飲み会を行っている。研究もさることながら、コミュニティづくりも目的にしているので、専門分野も僕のように政策が専門の人間から哲学、建築、社会学、まちづくり等々多岐に渡っている。まだまだ小さな試みだが、若い世代が若い世代同士で、タテ、ヨコ、ナナメの人間関係を形成していければいいと思っている。聞くところによれば、かつてはこうした非公式の研究会が各所にあったらしい。でも、僕が知る限り、少なくとも社会科学系では、とても少なくなっているように思う。

こうして半年程研究会を続けてきたのだが、研究会と名乗るからには、なんらかのアウトプットを行いたいと考えるに至った。そのとき、それまでに僕自身がお世話になってきた≒育ててもらってきた、4つの新しい媒体が頭をよぎった。哲学者で小説家でもある東浩紀さんによる『思想地図』、批評家宇野常寛さん率いる批評ユニット第2次惑星開発委員会による『PLANETS』、社会学者芹沢一也さん、批評家荻上チキさんらによる『SYNODOS』、社会学者鈴木謙介さんらによるTBS「文化系トークラジオLIFE」だ。

それぞれ形式もテーマも異なるものの、皆、自分が読みたい、聞きたい情報を入手するために、そのための場を自分たちで作っていくという点が共通している。翻って、若手研究者(の卵)という自分の立場を鑑みたときに、知りたい情報とはなんだろうか、と考えるに至ったわけである。一昔前には企業CSRやメセナという位置づけの中で、学会誌と同人誌の中間にあたるような比較的アカデミックな媒体が多数あった。そして、それらはある意味では、若手の登竜門でもあった。ところが昨今の不況の中、それらの媒体が軒並み倒れ、既存メディアも潰れていき、ブログブームも一巡、もはや「若手が目立つ場所」がなくなりつつあるのが現状だ。

そのような状況の中で、若手が頭角を現していくきっかけづくりを企業や既存媒体に頼り切りという姿勢はもはや維持困難。座席数も減るばかりだ。だとすれば、むしろ機動力の高い身内と研究会で、新しくそのような場を立ち上げるほうがいいのかもしれないと思うに至ったのだった。東さんの「ならば、あなたがやればいい。」、charlieさんの「希望の話をしよう」という名言もある。

幸い電子媒体が充実しているご時世でもあり、政策系のバックグラウンドを持つ僕がいくつかの商業媒体での執筆を経て、他の若手よりほんの少しだけ一般に認知されている(可能性があるw)という背景もある。そこで、僕を起点にしつつ研究会に集まってくれている仲間と、まだ出会っていない若い連中で、新しい媒体を、新しい形式で作ってみようということになったのだった。そこが若手が目立つきっかけと、緩やかで広い知的コミュニティ形成のきっかけになれば言うことは何もない。おそらく前述の4媒体とも異なるコンセプト(≒)なので、僕個人はこれまで何度もお世話になってきたけれど、媒体としても協働したりアライアンスを組んだりしてもスケールメリットがあったり、面白いかったりするのかもしれない。

といったところで、もちろんシャチホコばった、かっこいいコンセプトについては、後日もう一度キチンと固めていくけれども、背景はこんな感じ。

さて、twitterでの発信情報の繰り返しになるけれども、簡単に形式的な募集内容のおさらい。募集するのは、論考約1万字、ノート4000字程度の2種類。 参加希望者はアブストラクト(要約)500字を西田( ryosukenishida[at]gmail.com )まで1月13日までに送付願います。アブストラクト送付の際には,あわせて簡単なプロフィールも添付願います。ペンネームは使用可能ですが、プロフィールについては実名入でお願いします。もちろん個人情報の取扱には細心の注意を払います。

テーマは、自由。 初回原稿料については現在のところなし、もしくは未定。将来的には、経費を差し引いたのち、うまく執筆者で利益をシェアする仕組みを考えたいと思っていますが、とりあえず創刊にあたっては、「一緒に面白いことをやりたい」ということに、共感してくれる人の参加希望。

応募いただいたアブストラクトを検討したうえで、追ってお返事させていただきます。近日中にブログ、後からウェブを立ち上げる予定。「テーマは自由」という表現が誤解を招いているみたいですが、それは執筆者が各自好きに決めていただいて構わないということ。また、作品や写真、ポートフォリオの応募も可能。ただし、小説については、現時点で評価・執筆できるスタッフがいないので、原則的に何らかの論考でお願いします。何かの参考までに現在のスタッフの属性は、博士、修士、学部、社会人それぞれ数名ずつ。専門は政策、哲学、社会学、建築といったところ。もちろん僕自身も執筆予定。執筆にあたっては、初学者を念頭に、背景知識を極力必要としない論考を執筆していただきたくことになります。この主旨の実現をサポートするために、修士以下の方、商業媒体での執筆経験のない方については、スタッフならびに僕と完成稿以前の段階からインタラクションしながら進めるということでお願いします。

なお、媒体は原稿の無償頒布と高付加価値コンテンツ収録のプレミアム版をオン/オフラインで有償販売予定。若手の周知と媒体自体の広報も兼ねて、通常の書き手による原稿は無償でダウンロード可能にします。ただし、あわせて随時、知名度のある方の力を借りつつ、相対的に高付加価値なコンテンツを作成・収録し、それを含むDTPを行ったヴァージョンを、ダウンロード販売やいわゆる同人誌即売会にて販売予定。さしあたり、無償版は随時完成するたびに公開し、新年度にあわあせて有償版vol.1完成を目指します。

pvがあがっていけば、将来的に媒体内広告やネット広告などを併用してマネタイズして、イベント打ったりできるようになったら面白いなどと妄想はいくらでも広がっていくわけです(笑)

...と言う感じで、少し固い感じになってきましたが、まだまだ本当にキックオフした段階です。引き続き注目してください。特にこれまでこういう「祭り」にノリにくかった地方在住の方も「参加」しやすくしているつもりなので、ぜひご参加ください。また繰り返しになりますが、とにかくtwitterのハッシュタグ #commu2010を覗いていただくと、その盛り上がりの片鱗が伝わることでしょう。

ともあれ、よろしくお願いいたします。

数日前に終わってしまったゼロ年代のことを思い出した。思い返せば、ゼロ年代は前半、後半でリスクと産業について結構雰囲気違ったな、という今更な話。

90年代は「失われた10年」とも呼ばれることもあるが、90年代後半には大きな閉塞感があった。それはリーマン・ショックから続く現在の閉塞感とも似ていると言えなくはない。若者のリスクテイク観の変化は、2006年前後にあったのではないかということを、拙稿「「起業不毛社会」からの脱出はなるか?」『中央公論』10月号に書いたのだった。

ゼロ年代前半、政治的には、2001年から2006年にかけて小泉政権が戦後第3位の長期政権として存在した。加えて経済的にはITベンチャーブームがあった。

ところが打って変わって、後半は再び閉塞的になった。2006年は堀江貴文、村上世彰逮捕があり、アメリカのITバブルは既に弾けていた(そして復調に向かっていた)が日本でもITバブル(の一般における好印象(?))は決定的に終了。そして、小泉政権もこの年まで。その後、ほんの一瞬大卒雇用状況の改善があった。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ともいうが、先日からの社会起業家についての議論を見ていたら、当時のIT産業のような比較的レバレッジの高い(比較的習得が容易な技術で大きな合理化やイノベーションができる)部門が存在することが重要なのかもしれないと確信するに至った。

少し前のことだが、昨年末刊行された『週刊東洋経済』の30代特集の中で、若い世代の新しい働き方として社会起業家が大きく取り上げられた。ところが、その記事の中で成毛眞ら上の世代の企業家が、簡潔に言えば「社会起業家は、企業家として逃げの姿勢なのではないか」などと批判したことをきっかけに、twitterを中心に当の社会起業家らも含めて議論が盛り上がったのだった。

企業家サイドの批判は、起業はそれ自体が雇用の確保という意味も含めて、公共的であり、社会貢献を過剰に打ち出す必要はなく、事業に専念すべきというもの。

しかし、こうした社会起業家批判は単なる語感によるすれ違いの感が否めない。

先の拙稿で書いたこととも関係するが、社会起業家は、読んで字の如く、社会貢献を行う企業家、と捉えることもできるが、同時に地域活性化や介護、福祉、新しい社会貢献といった<社会>部門で事業を起こす企業家とも捉えられるということだ。加えて研究者の間では、利益の再配分を行うか/否かをひとつの基準にすることもある。

今やITは成熟産業化し、バイオも環境産業も既に高度な専門技術が必要で当時のITには該当しない(もちろん重要な部門であることに異論はない)。それに対して、地域活性化や介護、福祉、新しい社会貢献といった<社会>部門は、先の表現で言えば比較的レバレッジの高い産業に該当するかもしれない。

前述のように、社会起業家は、社会貢献を行う企業家、と捉えることもできるが、他方で、<社会>部門で事業を起こす企業家とも捉えられる。そうだとすれば、起業意欲が相対的に低いとされる日本人の中から生まれてきた企業家である彼らが、そのような部門に取り組むということであれば、それはそれで興味深い(というよりも、多いに期待したいということ)ことなのではないだろうか。


PLANETSSPECIAL.jpg

昨日、コミケにて販売が始まった批評家宇野常寛さんが率いる批評ユニット第二次惑星開発委員会による『PLANETS SPECIAL ゼロ年代のすべて』(表紙もかっこいいですね。)に、西田亮介「郊外と郊外論を問い直す」(約12000字)を執筆いたしました。ゼロ年代にさまざまな分野で行われた郊外論を一通りおさらいしつつ、その関係性を論じています。

僕も昨日、友人たちとコミケに行って、波状言論+PLANETS『Final Critical Ride2』とあわせて購入し(ちなみに宇野さんから献本はちゃんといただきました。念のため。)、一通り読了したのですが、同人誌とは思えないクオリティ。目次は次のようになっています。

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果たして、それは「貧しい時代」だったのか?
格差/郊外/インターネット/グローバリゼーション......
中年ノスタルジィや敗残者の恨み言から時代を解放するために、
そして、ゼロ年代を正しく葬送するために!
究極の総括本がここに登場――

■東京ストレンジウォークEXTLA to the Next Decade ――2010年代のターゲット

■〔鼎談〕宮台真司×東浩紀×宇野常寛 ポスト・ゼロ年代の「政治と文学」――民主主義2.0β

■〔対談〕濱野智史×荻上チキ ウェブカルチャー神話解体

■〔鼎談〕藤村龍至×李明喜×浅子佳英 〈アーキテクチャ〉再考 ――建築・デザイン・作家性

■「郊外」の現在 ――ジモト・ヤンキー・グローバリゼーション
  西田亮介「郊外と郊外論を問い直す」/森田真功「埼玉から考える」

■〔鼎談〕飯田泰之×荻上チキ×芹沢一也「選挙のあと」に読んでおけ ――2010年代の政治観察マニュアル

■〔インタビュー〕ゼロ年代の創造者たち  大森美香/谷口悟郎 

■ゼロ年代カルチャー総括座談会
漫画編  森田真功×大見崇晴×麻草郁×坂上秋成×藤谷千明×宇野常寛
映画編  森直人×品川亮×麻草郁×宇野常寛
ドラマ編 中川大地×成馬零一×宇野常寛
アニメ編 石岡良治×黒瀬陽平×中川大地×宇野常寛+有田シュン(司会)
ゲーム編 濱野智史×井上明人×中川大地×青木摩周+宇野常寛(司会)
小説編  森田真功×大見崇晴×坂上秋成×宇野常寛
音楽編  田口寛之×菊池俊輔×川上健太×鈴木晋太郎+宇野常寛(司会)
お笑い編 ラリー遠田「ゼロ年代のお笑いシーン総括」+ゼロ年代お笑いDVDベスト10
美術編  黒瀬陽平「サプリメント・アートから脱出せよ」
演劇編  木俣冬「作家の演劇と、スターの演劇」

■宇野常寛「ゼロ年代の終わりに」

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特に面白かったコンテンツは、朝生以来、東さんを中心に展開する「民主主義2.0」とその背景をガチで語った「宮台真司×東浩紀×宇野常寛 ポスト・ゼロ年代の「政治と文学」――民主主義2.0β」、ゼロ年代の生成論と建築、デザインの関係をクリエイターの視点から説明する「藤村龍至×李明喜×浅子佳英 〈アーキテクチャ〉再考 ――建築・デザイン・作家性」、2010年代の政治と新しい言説の可能性を論じる「飯田泰之×荻上チキ×芹沢一也「選挙のあと」に読んでおけ ――2010年代の政治観察マニュアル」、コミュニティ・アートを一時しのぎ的な「サプリメント・アート」として批判する「美術編  黒瀬陽平「サプリメント・アートから脱出せよ」」の4つ。

もちろん、これらは僕の関心圏と照らして、ということです。しかし、久々に「雑誌」として楽しめた媒体でした。こうした媒体が、出版社を介さない同人誌という形で出来上がってきて、商業誌に負けない実売部数をたたき出すことの意味も良く考えると面白いですね。

宇野さんのtwitterによれば、後日通販も始まるそうです。まだ入手できてない方は、そちらをぜひ!

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2009年というゼロ年代最後の年に、『思想地図vol.2』で、物書きとして紙媒体デビューさせていただき、媒体が減っていく中、ありがたいことに特に下半期にはいろいろな媒体でお仕事させていただきました。特に『中央公論』で仕事をさせていただいたことが印象に残っています。丁寧な編集は言うに及ばず、業界的慣習や仕事の方法にまでアドバイスいただいた編集者の井之上達也さんのことはやはり特筆すべきでしょう。右も左も分からない僕にとっては、灯台のような存在でした。

他にも多くの書き手や編集者、営業の方に大変お世話になりました。書き手の方では、特に荻上チキさん、東浩紀さん、宇野常寛さん、鈴木謙介さん、高原基彰さん、速水健朗さんには、公私ともども大変お世話になりました。ありがとうございました。

また、地域の実務もいろいろとかかわらせていただきました。茅ヶ崎市役所の産業活性化研究会から提案した新規事業には、財政引締めのあおりでどうやら予算がつかなかったらしくお蔵入りになりそうなのが大変残念なのですが、平塚商工会議所青年部さん、SFC、東海大、神奈川大学、産能大学によるまちづくりプロジェクト「平塚スタイル創造プロジェクト」は、2010年にもますます新しい展開を迎えることができそうです。また、エコサーファーはじめ、複数のボランタリー団体やNPO支援の仕事や神奈川県の委員などの仕事もさせていただきました。今年はこうした仕事もますます忙しくなりそうです。

また、「現代コミュニティ研究会」という「コミュニティをテーマに勉強会を行いつつ、コミュニティを形成する」ことを目的とする勉強会をはじめたことで、広く同世代の博士、修士、学部生たちと知り合えたこと、また、彼らとコミュニティを築きつつあることは、自身の知見を拡大すると言う意味でも大変貴重な機会になりました。

2009年を全体的に振り返ると、自分では80点くらいに評価したいと思っております。

唯一の心残りは、いろいろと企画やお話をいただいていながら、結局著作の執筆がならなかったことです。これは一重に業界的慣習や商業媒体的文章へのチューンがままならず、ペース配分を考えることができなかった僕自身の責任でしょう。

ですが、今は違う。2009年を通してだいたいルールや慣習、文章についても、かなり理解が深まりました。この反省を踏まえて、今年の目標はシンプルに次の2つ。

本を単著、共著あわせて最低3冊出すこと。学術論文2本を執筆すること。

2009年、特に下半期の追い込みの中で気づいた大きな収穫は、どうやら自分はしゃべったりする(≒座談会的なもの)よりも文章を書くことが好きらしい、ということ(レクチャーはレクチャーで好きなのですが、これは予備校講師時代から知っていた)。これは大きな収穫でした。2010年はますます量産します。

僕は専業物書きではないので、執筆以外にも2010年にやりたいことがたくさんあります。

4月から東洋大学の非常勤講師になることが決まっているのですが、(もちろん知的に)面白い授業をやりたい。東洋大学は2009年に何度かレクチャーさせていただいたのですが、毎回履修者の感想がびっしりで、その雰囲気の良さに大変驚きました。若手らしいフレッシュかつユニークな授業を考えます。

平塚スタイル創造プロジェクトは、一部事業化していきます。こうしたまちづくりプロジェクトのノウハウは水平展開したいと思っておりますので、いつでもお話できます。関心のある方はお気軽にご相談いただければと思います。

また、1月末には神奈川県主催の比較的大規模なまちづくりワークショップのファシリテーションを行います。

さらに、現代のコミュニティ研究会からはアウトプットの制作・発信を考えております。

他にもまだまだやりたいことはたくさんあります。よろしければ、今後もぜひ注目してください!

改めてになりますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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