2010年9月アーカイブ

サーフィン産業が地域経済に与える影響に関する調査プロジェクトを文教大学でやっていて、二人体制で調査を行っています。僕は、特に日本における文化受容のプロセスとローカライズの過程、そしてそこにどのようにコミュニティが関わっているかに関心があるわけです。その調査の一環で、新島に二泊三日で調査に行ってきました。村役場や商工会、キーパーソンたちからいろいろなお話を伺うことができました。いろいろな方によくしていただきました。改めて感謝申し上げます。

新島の写真たちの中から一部を(新島村博物館には、貴重な1960年代からの国内外のボードコレクションが展示されています。写真アップは新島村博物館というキャプションをいれればOKとの確認を得ています。一応念のため。)。


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羽伏正面。

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羽伏正面のタワー。

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羽伏のサーファーたち。地形はドン深でしたが、引きの時間にはなんとかワンアクション!今回は、朝早くと夕方遅くにシークレットポイントにお邪魔して楽しませていただきました。普段、湘南でやることが多いのですが、それと比べるととてもいい波でした。

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1960年代のウレタンフォーム(だけ!)で作ったというボード。

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シングルフィンショートボード。移行期の板みたいですね。

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新島村博物館のサーフボード展示模様。

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ロングボードは、Pig形状の板が中心。

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今もあるWeberのロングボード。

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そんな新島も結構テトラが入っていたり・・・でも、公共工事が重要な雇用の源泉にもなっているわけで、何がいいか一概に判断することは難しい・・・

いただいておきながら、すっかり日が経ってしまったものもあります。感想など。

「コミュニティの構想力」という特集。リアルなコミュニティから、オンライン上のコミュニティに関するものまで、さまざまな論客がコミュニティを論じている。コミュニティ論といえば、広井良典氏の名前を抜きに語ることは難しいが、本稿でもしっかり取り上げられている。『定常型社会』という著作からもわかるように、行き過ぎた経済成長の追求を批判する立場である。今回の特集の「『創造的福祉社会』の構想」のなかでは、現代を「生産性が上がりすぎた社会」と捉えている。そもそも日本の社会は先進諸国の中でも労働生産性の低さが問題視されているので(たとえば、「労働生産性の国際比較2009年版」参照のこと)、あまりに観念的にも思えるが、「生産性が最高度にあがった社会」が前提とされているところが問題ではないか。人は習熟によって作業効率を改善していく。むしろ、生産性や成長の乏しさがこの社会の閉塞感の源泉になっているように思える。ただし、「公共サービスに創造性を導入せよ」という主張は同意。今、社会起業家をはじめとするソーシャルビジネスが日本にも本格的に活動を始めてきているが、今後はそういった自由な、そして彼らの取り組みをエンパワーメントする施策の一層の拡充が重要になってこよう。あと、「我は如何にして活動家となりし乎」「生活クラブと私の魂胆」という特集は、日本の社会貢献活動史を知るうえでもいい特集。バックナンバーが読みたいです(笑)大塚英志さんと宮台真司先生の「通過儀礼としてのワーク」という対談は、大塚氏の『きみはひとりでどこかにいく』発売記念のもののようだが、ものすごく良い。大塚氏の長年の創作教育の狙いがよくわかる。思わず、ぽちってしまったが、忙しさにかまけて、まだ絵本をつくれてはいない・・・

今年6月に行われた同名シンポジウムを起こして順番を入れ替え、文学者の河野至恩氏が解説を書いている。僕も裏方としてこのシンポジウムの準備に関わっていただけに、こうして形になったことを大変嬉しく思う。これまで、主に日本(文化)研究というと、いわゆるカルチュラル・スタディーズがその中心を占めてきた。そこには、実は国内の主たる論壇事情は反映されていないし、あまりに一面的なものであった。そこに手当すべく、開催されたのがこのシンポジウムであった。東浩紀、宮台真司、大塚英志、村上隆といった、国内動向を語るうえで外せないまでも、既存の文脈では言及されてこなかった当人たちが登壇し、海外の日本研究者たちと交わす議論は、必読であろう。

シンクタンク研究員が書く、「一人一人の仕事の中の気になることを棚上げせず、アクションすることで世の中が変わった」事例を集めた書籍。『責任革命』というタイトルよりも、現代の『SAVING WORLD AT WORK』のほうが中身をよく表している。解説は、日本を代表する社会起業家、NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんが書いている。まさに、「新しい公共」のものいいそのものなのだが、最近どうも違和感を拭えない。成熟した社会において、あらゆる社会問題は個人の気づきとアクションがが「本当に」変革につながるのか、それが最もよい解決策なのか、ということ。もちろん、「社会問題」が多様化し、他方個人のアクションがある種のシグナルとして機能する時代になってきてはいるのだけれど、そうすると、政府や地方自治体はなにをするのだろう(もちろん、僕なりの答えもあります。いたってオーソドックスですが、キーワードはプラットフォームと補完性でしょうね。)。個人のメンタリティと社会システムの間には一種のクッションがあるということが、社会科学の到達点だとすれば、「個人の頑張り」もさることながら、制度設計や仕組みづくりの役割がむしろ重要になっているのではないか、という気がするのである。


またしてもご無沙汰しております。最近の仕事たちまとめ。

・今月のwebronza SYNODOS JOURNALは、
「消えゆく「新しい公共」と、台頭する新世代の社会起業家たち」http://synodos.livedoor.biz/archives/1515915.html

政権交代に伴って、不透明になった新しい公共についての議論です。また、現在の職場の中小機構での本年度の調査で、ソーシャルビジネスの調査を行っています。そのなかで若い世代(2008年前後に創業した世代)がどのようにして起業家精神を培ってきたのかということを扱っている関係で、多くの新しい世代の社会起業家の方たちに対するインタビューを行っています。そのあたりにも軽く触れつつ。

・新島に2泊3日で、サーフィン文化の調査に訪問したのでした。いろいろと表層的に伝えられている事実とは異なるお話を伺ってきました。これは、別エントリで写真も載せます。

・査読論文一発OKをいただいたのでした。これは嬉しかった。やっぱり、論文も書かないと、ね。共著専門書原稿は佳境ですよ。。。

・.reviewのウェブを、今までのサイケな感じから、知的なものへとデザインを一新しました。
http://dotreview.jp/

また、冬の文学フリマで発売を開始する、『.review 002』向けのアブストラクト募集なども。新しい論考作成のプラットフォームを作成しました。

http://dotreview.jp/abst/

.reviewのDLコンテンツ販売プラットフォームにもコンテンツが少しずつ充実してきました。PDFをクレジットカード決済で販売しているわけですが、もちろん、iPad、iPhone、Kindleで読めます。しかも、各コンテンツ半分近くがためし読み可能です。おそらく、独立系メディアの、電子書籍プラットフォーム作成としては先駆的なものではないかと自負しております。
http://dotreview.jp/premium/

・さて、電子書籍系のイベントにも登壇しました。『模索舎presents アラザル×未来回路共同企画 電子書籍時代の同人誌~文フリ評論系の場合~』

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/09/10/055/index.html

さんざっぱらしゃべったけれど、実りが何一つなかった。同人系の人たちも興味なさそうだったしね。たとえば、こんなまとめがあったり。もうこの界隈に呼ばれることもないでしょう。

「9.12 「電子書籍時代の同人誌~文フリ評論系の場合~」とその後」
http://togetter.com/li/50890

「イベント「電子書籍時代の同人誌」への批評家・佐々木敦さんの感想等」
http://togetter.com/li/50716

・来月にはいくつかまたイベントに声を掛けていただいているので、また近づいたら、というか詳細をもらったら告知します。来月もよろしくお願いします。


 

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