『早稲田文学4』の目次が公開されました(西田亮介「東日本大震災からたどる特別な場所の、特別な記憶」執筆)。

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『早稲田文学4』の目次が、早稲田文学さんのサイトで公開されました。

「震災に。」という特集が組まれており、西田亮介「東日本大震災からたどる特別な場所の、特別な記憶」という原稿を執筆しました。

東日本大震災後、調査研究の仕事でやはり復興関連の業務に就いており、短い期間に石巻を中心とする東北に限らず、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県や中越地震、中越沖地震を経験した新潟県に足を運びました(そして、これを書いている今は女川町にいます。それについてもまた別途)。

不案内な過去の災害政策を読み込み、過去と現在の災害を経験した土地を(しかも直接復興に貢献するわけでもない用事で)めぐるという、どう考えても心踊らない経験です。それでも研究者の端くれですので、研究ノートを付けていました。

研究ノートは、論文や原稿を書く資料となるものですので、構造化されているわけでもなく、出来事とアイディアが感じたままに記述されているわけです。ふだん、そういったものを目にする機会は少ないと思いますが、原稿や論文といった「特定のアイディアの主張」を目的に構造化する以前の、「思考の迷い」のようなものを表現できないかという問題意識で手を加えながら書いてみたものです。いわゆる論文とも、エッセイとも違う、どこか半熟な、しかし未曾有な震災被害を前にしたときの「個人的ななにか」を表現できればと思った次第です。普段は具体的な制度や政策を相手にしていますが、想像力と主観に委ねた仕事はとても新鮮でした。ぼくのささやかな試みはどう受け取ってもらえるでしょうか。

著名な文学関係の方々も数多く執筆されているようです。手にとっていただければ幸いです。

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◆早稲田文学4もくじ

【グラビア】

篠山紀信 「ATOKATA」序章

▼特集 震災に。

【対談】

古川日出男+重松清 牛のように、馬のように――「始まりの言葉」としての『馬たちよ、それでも光は無垢で』をめぐって、そして「始まりの場所」としての福島/日本をめぐって、

【小説】

古川日出男 家系図その他の会話

重松清 また次の春へ――盂蘭盆会

阿部和重 RIDE ON TIME

川上未映子 三月の毛糸

松田青子 マーガレットは植える

牧田真有子 合図

【座談会】

阿部和重+川上未映子+斎藤環+辛島デイヴィッド+市川真人 震災と「フィクション(言葉・日常・物語...)」との「距離」

【論考】

十重田裕一 被災した作家の表現とメディア――新感覚派の関東大震災

西田亮介 東日本大震災からたどる特別な場所の、特別な記憶

武田徹 嘘が倫理を帯びる条件――『再臨界』を巡って

後藤繁雄 三・一一/写真/アート

【世界の被災地から】

松本妙子 先を歩む人々――チェルノブイリの生と死と愛

パブロ・ネルーダ  松本健二 訳・解説 天変地異

本浜秀彦 "集団自殺"するクジラと「鯰絵」的想像力

福島香織 四川大地震から生まれた文学――プロパガンダと哀悼

柏村彰夫 ただ悲嘆だけでなく――インドネシア短篇小説に描かれた被災者イメージの諸相

【インタヴュー】

川崎徹 江南亜美子 聞き手 記録、猫、小説

【小説】

神慶太 虹

▼シリーズ【日本"現代"文学の、標的=始まり】§1 出発点としての"大江健三郎"

【日本で読む大江】

安藤礼二 大いなる森の人――大江健三郎論

古谷利裕 極限で似るものたちがつくる場――「四万年前のタチアオイ」と「茱萸の木の教え・序」をめぐって

野崎歓 父と子――大江健三郎的小説の源泉

福嶋亮大 大江健三郎の神話装置――ホモエロティシズム・虚構・擬似私小説

武田将明 自分自身からの亡命者――『水死』と晩年性

芳川泰久 小説に現在おこっていること――大江健三郎の〈おかしな二人組〉へ/から

【世界が読むOE】

ノラ・ビーリッヒ 松永美穂 訳 鎖をつけて踊る――ある翻訳者の考察

久山宏一 本当のことを云おうか――ポーランドの大江健三郎/大江健三郎のポーランド

真島一郎 空白の地から――大江健三郎とアフリカ

アダマ・ソウ・ジェイ 真島一郎 訳 遠いセネガルの私――大江健三郎、あるいは人間の魅惑的な発見

アレクサンドル・チャンツェフ 貝澤哉 訳 叫びと応答の時代――ロシアにおける大江健三郎

徐恩恵 大江健三郎と私

閻連科 桑島道夫 訳 ポリフォニックな語り・重なり合いと照応その構造への鑑賞分析――『蟖たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』を例として

桑島道夫 絶望に始まる希望と小暗い情念――中国における大江文学

柴門明子 大江健三郎をポルトガル語で読む

【連載評論】

大杉重男 「日本人」養成ギプス――日本人の条件(4)

石川義正 中原昌也の「熱気球」――小説空間のモダニティ(2)

▼小特集 the century of McLuhan: 1911-2011

服部桂 蘇るマクルーハンとこれからのメディア

エリック・マクルーハン 宮澤淳一 訳 日本の皆さんへ――父マーシャル・マクルーハンの百回目の誕生日に

宮澤淳一 マクルーハン早わかり――理解を拡張させる最小限の知識

中澤豊 メディアの法則――もう一つのマクルーハンの読み方

服部桂 あなたは何に気づいていないのか

大黒岳彦 マクルーハンにおける〈不可視なもの〉

山本貴光 物質と記憶の未来

【連載翻訳】

ウラジーミル・ソローキン 望月哲男・松下隆志 訳 青脂 III [完結]

松下隆志 脱構築から再(脱)構築へ――『青脂』後のソローキン

クロード・シモン 芳川泰久 訳 農耕詩 IV


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