都市論の最近のブログ記事

今、日本の海岸には多くのゴミが漂着する。
それらは日本で廃棄されたものもあれば、海外で廃棄されたとおぼしきものも少なくない。

湘南の海にも、特にオンショア(湘南の多くの場所では、南風)が吹いた後には、多くのゴミが流れ着く。例えば、そうした海岸の美化は、EcoSurferの主要なミッションのひとつでもある。

本書は、JEANというNGOの活動家らの17年にも及ぶ活動に基づいて、そのような海ゴミの成分や内訳、影響などについて、網羅的かつ比較的フェアに記述している。環境貢献活動について論ずる著作の中には、到底フェアとは思えない、若しくは科学的とは思えない著作も少なくない現状では貴重な一冊で、海岸美化に携わる者の必読の一冊と言えるだろう。

今日は、商工会議所と産業振興課のミーティングに参加させていただいた。
地域にはいろんなアクターが参加していて、皆がメンツを保つのは難しいということが分かった。

また、「地域ブランドをつくる」というとき、「地域をブランディングする」ということと「地域で(地域の)ブランド品をつくる」という話が混合してしまっているので、議論が錯綜するようにも感じた。

両者は議論になると、一重に混合しやすい。地域ブランドの方向性はどこにあるのだろうか?

諸事情により、SFCの教員が書いている地域活性、政策形成本をまとめ読み。具体的には以下のようなもの。

特に面白かったのは、上山先生らの『ミュージアムが都市を再生する』と渡辺先生の『アメリカン・コミュニティ』。

前者は地域活性本にありがちな、ただの事例紹介ではなく、経営やマネジメントの観点から、ダイナミックにミュージアムの機能を評価している。後者はアメリカのいくつかのコミュニティのフィールドワークをもとに「いまのアメリカ」の空気感を良く伝える。この本は(というか渡辺先生の前著『アフター・アメリカ』もそうだけど)、事例の選定と、理論とフィールドの配分が絶妙で、事例研究としてのみならず、読み物としてとても面白い。

この2冊から得られる教訓は、地域研究は、ただの事例紹介ではその分野に関係ある人間以外の興味をひくことができない。その壁を打破するためには、専門分野からアプローチすることと歴史や文脈、理論を用いてスケール感を導入することが重要になってくるのではないか、と思った。

これでイギリスで読んだ日本の本すべて。
他に現地で3冊本を買ったのだけど、まだ全部は通読できていない。

「下流」を扱うブームに呼応してか、最近は「上流」の生態について扱う本が増えてきた。この本は、投資やベンチャーで財を成したアメリカのニューリッチたちの生態を記述している。特に、従来の富裕層、「オールドリッチ」と対比的な記述が興味深い。個人的にも、「下流」よりは「上流」のケーススタディのほうに興味がある。


この本は芹沢一也さんの前著『犯罪と凶器』『犯罪不安社会』の内容を総括し、自分たちと異なる人間を切り離し、エンターティメントとして防犯を扱うことの監視社会的な危険性をして「ホラーハウス社会」と命名している。新書ながら事例的にも、概念的にも詰まった、かつ非常に読みやすい一冊。

創造都市やクリエイティブシティの歴史や概念的バックグラウンドについて詳しい。ともすれば、ケースだらけになりがちな地域論や都市論の一分野に位置するクリエイティブシティを学術的に学ぶ上で重宝する。

イギリスでは久々にまとまった時間が取れたので結構本を読む時間があった。以下はその本達。London University近くの本屋が魅力的でイギリスでも本を買い込んでしまった。

日本の犯罪と権力についての芹沢一也さんの著書。日本の犯罪史と権力の関係を巡るフーコー的議論が魅力的。

日本の犯罪統計の変化と思想的背景、警察の権力について概説されている。おもしろい。凶悪犯罪に該当する犯罪の範囲を増やせば、グラフが右肩上がりになって犯罪が増加しているように誤解してしまうのは当然だ。警察統計の杜撰さの問題は権力の問題と直結しているだけに由々しき問題であるように思う。

複数の小説批評の理論的方法を、小説『フランケンシュタイン』を例題としつつ料理している。徹底して「批評の方法」を追求する英文学者の筆者の姿勢が好印象。批評や人文系では方法論を巡る議論は賛否が別れるところだが、新規参入や分野の存続のためにも方法論は不可欠だと思う。

おそらく日本社会学史学会のジャーナルだと思う。ジャーナルなのだが、一般に流通している珍しい形態を取っている。バウマン特集。バウマンの問題圏の概論が分かる。特にルーマンの翻訳でも有名な馬場靖雄先生のル−マンとバウマンをつなぐ論文が印象的。

マルクス主義の流れを汲む理論家ルカーチの著作。特に物象化論に焦点を充てるところがルカーチの特徴か。よく考えれば、マルクス主義は一種のネットワーク理論として読めないこともない。人間関係が存在し、人間は生産活動を行う。生産した商品は独自の商品間関係を形成する、と。

クリエイティブシティに関する最近の議論を、理論的視点と実践的視点からまとめてある。事例も豊富でいい。インターリアリティの土屋先生が執筆に参加していて驚いた。クリエイティブシティも研究されていたとは。

創造的都市の理論と特に関西の事例を集めている。本の見た目は地味だが、前半の理論編はなかなか興味深い。ただ、筆者が多く、話し言葉がまざるなど、決して「いい本」とは言い難い。

久々に小説も読んだ。結婚を前にした三人の女性の選択の物語。なかなかいい。


世界各地の都市計画の目的と歴史、経緯を記述した本。著者の日端先生はSFCの先生だったんですね。どこかに自生的な都市計画論やクリエイティブ・シティ論があることを期待したけれども、飽くまでこの本の射程は「都市計画」らしく、その辺りの話題については言及されていなかった。とはいえ、都市計画論はほとんど読んだことがなかったのでいい入門書でした。


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