ライ麦畑でつかまえて
JDサリンジャー著、野崎 孝訳、白水Uブックス
推薦者:栗原 徹
年齢的・精神的に大人と子供の中間辺りに位置する
主人公ホールデン少年の心の動きを、彼自身の語り口調で、
まるで自分だけに秘密を打ち明けてくれているかのように
錯覚してしまうように描かれている。常識や世間体などに
左右される大人の価値観を“インチキ”と呼び、よく言えば
ピュアでもあるが、悪く言えば幼稚な主人公に批判的になりつつも
どこか共感してしまう、どちらにせよ誰もが持っている
真直ぐな気持ちを刺激してくれる一冊です。