1991年3月3日 ロス市郊外で酒酔い運転をしていたロドニー・キング氏が停止命令を振り切って逃走。追跡に加わったロス市警の白人警官四人が取り押さえたキング氏を地面に腹ばいにしたうえ、警棒でかわるがわる殴打、あごの骨を折るなどの重傷を負わせた。その暴行の様子が偶然ビデオに撮影され、テレビで放映。四人の警官は職権乱用罪などで起訴。 1992年4月29日 ロサンゼルス郡地裁が四人のうち三人に無罪評を出し、これがロス暴動に発展。最終的に死者44人、逮捕5、200人以上。黒人の他にヒスパニック系も加わって韓国系の商店が襲われた。 1992年8月5日 米連邦検察当局が、暴行した白人警官四人に対し、米連邦大陪審が、連邦法の公民権侵害の容疑で起訴したことを明らかにした。 1993年4月17日 連邦地裁評で、四人の被告のうち最も激しくなぐり続けた巡査とそれを傍観した現場指揮官のみ有罪。 問題は経済(雇用)と人種差別が絡み合う。
後から来た移民が差別の対象となる。
1948年 | トルーマン大統領が行政命令で軍隊での差別を禁止 |
1954年 | 連邦最高裁でブラウン判。カンザス州に住む黒人少女リンダ・ブラウンが近所の白人小学校への入学を拒否されたため、市教育委員会を訴える。最高裁は「分離された教育施設は本来的に不平等である」と人種別学制度を違憲とする判を下す。 |
1955年12月 | ローザ・パークス事件。アラバマ州モンゴメリー市でパークスが白人にバスの席を譲ることを拒否して逮捕された。マルチン・ルーサー・キング(Martin Luther King、Jr.)牧師をリーダーとして一年に渡るバス・ボイコット運動。 |
1963年8月 | ワシントン大行進に20万人が参加。「わたしは夢見る。いつの日か、わたしの四人の子供たちが皮膚の色ではなく、その人格によって評価される国に暮らすときが来ることを。・・・・・わたしは夢見る。悪意に満ちた人種差別主義者を多数抱え、しかも知事が差別撤廃に対する妨害と州主権論を振りかざしている、まさにそのアラバマ州で、いつの日か、黒人の少年少女が白人の少年少女と手をつないで、同胞として共に歩む日の来ることを」とキングが演説。 |
1964年 | 公民権法(公共施設での差別禁止など)。キングがノーベル平和賞受賞。 |
1966年 | 投票権法(投票権登録差別禁止など) |
1968年 | メンフィスでキング暗殺。 |
アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)
教育(入学や奨学金の獲得)、中小企業の育成(資金の貸付や仕事の発注)、雇用(政府と契約を結んだ企業の採用や昇進)の分野でマイノリティへの優遇措置ないしは地域の黒人人口比に応じた特別枠の割り当て制度(quota system)。1998年にカリフォルニア州では廃止。
人種、エスニシティと宗教。
ピューリタンの国
プロテスタントの一派。英国の宗教改革が中途半端であることを不満とし、改革の徹底化を求めてエリザベス1世の時代に発生。クロムウェルの下で清教徒革命を起こし、一部が1620年新大陸に渡ってニューイングランドに植民地を建てた(ピルグリム・ファーザーズ)。その献身的な信仰と禁欲主義的倫理とは、のち英米系のプロテスタントに強い影響を及ぼした。アメリカ特有の「神」の概念。紙幣に書かれた「In God We Trust」。「神の下の国家(Nation-under-God-ism)」。
「神の存在、天国の存否、あの世の存否、悪魔の存否、地獄の存否、生まれ変わりや死語の生命への肯定・否定」などについて先進国中最も信心深い。「信仰の自由と政教分離」を絶対原則として憲法に盛り込みながらも非常に宗教的な国。宗派を超えた抽象的な神の成立。憲法修正第一条(1791年12月15日に成立)「議会は国教の樹立に関する法律、または自由な宗教活動を禁止する法律、あるいは言論、出版の自由を奪い、あるいは平穏に集会し、また不満の救済を政府に請願する権利を奪う法律を制定してはならない」
WASP | プロテスタント |
ドイツ系 | ルター派、カトリック、アーミッシュ |
アイルランド系 | カトリック |
イタリア系 | カトリック。しかしアイルランド系とは対立。 |
ユダヤ系 | ユダヤ教(セファルティ系[イベリア半島]、アシュケナズィ系[ドイツ]、東欧系)。 |
ヒスパニック系 | カトリック(プエルトリコ系、メキシコ系) |
デノミネーション
政教分離を主張し、複数の宗教集団の並立・競合を受け入れる宗教集団チャーチ
伝統的権威に忠実な政党的教会、普遍的教会、既成教派セクト
チャーチに対抗する形で成立した個人の体験的信仰を重視する者が自発的に組織する集団
学校での祈り論争。
公立学校で祈りのための時間を取ることは違憲であると1962年以来裁判所は判断しているが、妥協案として黙祷の時間をとる学校が数多くある。1994年の中間選挙で共和党が多数派になったことで、憲法を修正し、これを可能にしようとする動きがあった。背景にはキリスト教右派の台頭がある。
キリスト教右派の台頭
キリスト教徒同盟など。聖書の教えを強く信じ、家族を重視、同性愛や中絶には強く反対し、学校での祈りを主張する。「United States」は「合衆国」か「合州国」か。
日本人と宗教