「課題研究3（日本とアメリカ）」

11. 日米関係（2）（7月2日）

日米経済摩擦の展開と論点

『通商白書』（平成10年版）「第４節　通商問題の変遷と通商政策の流れ」

1. 終戦〜60年代：戦後復興から貿易・資本自由化へ

   戦争による打撃：生産額は戦前の約半分、輸出は５分の１、輸入も２分の１

   原材料の輸入と海外からの技術導入　←　外貨を確保

2. 70年代〜80年代前半：世界不況と個別産業摩擦、東京ラウンド

   70年代の世界不況　→　保護主義的動きを誘発、各国で輸入制限措置や反ダンピング提訴が急増

3. 80年代後半以降：プラザ合意からウルグァイ・ラウンド、経済構造摩擦

   80年代に入ると各国の国際収支不均衡が拡大　→　個別品目のみならず不均衡をもたらす経済構造全般についても摩擦

4. 冷戦崩壊（1989年〜91年）以後：コモンアジェンダの模索

日米経済摩擦の論点

1. 日本の「集中豪雨的」輸出

2. 日本市場の閉鎖性（国境開放要求）

3. 日米間の貿易不均衡

4. 日米投資摩擦

5. 日本市場の閉鎖性（非関税措置・国内慣行）

6. 「日米逆転」と「日本に支配される」アメリカ

日米半導体摩擦

外圧の効用

米議会の保護主義圧力　→　米行政府による日本政府への要求の提起　→　日本側の全面拒否　→　米側の「外圧」強化（制裁手続き等）　→　日本側による小出しの情報　→　「玉虫色」の決着

コモンアジェンダの模索

参考文献

• 土屋大洋「日米半導体摩擦の分析−数値目標とその影響−」『法学政治学論究』第25号（1995年夏季号）

• 土屋大洋「セマテックの分析−米国における共同研究コンソーシアムの成立と評価−」『法学政治学論究』第28号（1996年春季号）

• 経済団体連合会編『日米経済ハンドブック』（ジャパンタイムズ、1996年）

• 落合浩太郎『日米経済摩擦−全体像を求めて−』（慶應通信、1994年改訂）

• 船橋洋一『日米経済摩擦−その舞台裏−』（岩波新書、1987年）