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2004年06月30日

ストアイマジネーション2009ポリシー

昨日、國領二郎先生が国際大学グローバル・コミュニケーション・センターで「ID技術とトレーサビリティ」と題する講演をされた。その中の最後に出てきたのが「ストアイマジネーション2009ポリシー」。

  • プライバシーの取扱いについて、EPCグローバルおよび提案されている経済産業省のガイドラインに(つまり平成17年4月1日から施行される個人情報保護法にも)完全対応すること
  • ストア内においてヒトとモノの紐付けは行わないこと
  • 個人情報データベースをもたないこと
  • ストア退出時にタグを利用不能にするサービスを用意すること

RFIDと個人情報保護の話は分かるようで分かりにくい。早くうまい整理ができるといいと思う。

2004年06月28日

インディアナ州民のオフィス・ソフト

Mary Beth Schneider, "Indiana offers free software to residents," INDYSTAR.COM, June 25, 2004.

インディアナ州に住んでいる人は誰でもSimDeskと呼ばれるオフィス・ソフトウェアを無料で使えるようようになったらしい。マイクロソフト・オフィスとも互換性がある。これは注目だ。

米国商務省の電波政策提言

米国商務省が電波政策に関する提言を発表した。ひとつは連邦政府向け。もうひとつは地方政府と民間向け。

http://www.ntia.doc.gov/reports/specpolini/presspecpolini_report1_06242004.htm

http://www.ntia.doc.gov/reports/specpolini/presspecpolini_report2_06242004.htm

主な提言は、以下のとおり。

■イノベーションと新技術を奨励する
■電波管理システムを近代化する
■経済的・効率的インセンティブを確立する
■重要な政府電波利用者とサービスの保護を確実にする

2004年06月23日

コモンズ=共有地?

公文俊平『転換期の世界』(講談社学術文庫、1978年)を読んでいたら、コモンズの話が出てきた。

コモンズ(commons)ということばのもともとの意味は、中世の大学などのような共同生活者の集団において、共同の食卓に提供される食事のことである。各人は、それを好きなだけ食べることができる。だから”コモンズ”にはもともととくに”土地”という意味合いはなく、むしろ私が定義した意味での「共用財」に最も近い。ただし、[ガレット・]ハーディンは、共同放牧場や公道を、その典型例とみなしている。つまり、実質的には、「共用財」は”資本(個物)”よりは”土地(場所)”にあたるものの方が多いと思われる。なお、ハーディンは、全体としての”国土”あるいは”地球”をもコモンズの一例としてあげている。

なるほど。そういうことだったのか。

フロンターレ

客員研究員をしているF総研の親会社がサッカーの川崎フロンターレ(J2)のスポンサーをしている。今日はFグループの社員は、社員証を見せると無料観戦ということだったので行ってきた(私も社員証をいただいている)。

久しぶりのサッカーはなかなか良かった。それにフロンターレはコンサドーレ札幌相手に6対0で快勝。暑くもなく、楽しかった。無料観戦デーのせいなのかどうかは分からないが、J2の試合でも8000人以上入っていた(もちろん満席じゃないけどね)。

地元にスポーツ・チームがあるのはいいなあ。

宣伝媒体としてのWinny

作者逮捕で話題になっているWinny。実は使ったことがないのでコメントできない。

昨日、あるベンチャー企業の社長に会ったら、Winnyは宣伝媒体として非常に優れていると力説していた。実際、大規模な宣伝を打てなかった音楽や動画をWinnyを使って流したことで、はっきりと宣伝効果が現われたそうだ(社長自ら流したらしい)。

Winnyで流れるコンテンツにクリエイティブ・コモンズのライセンスがついたものがたくさん出回ればいいのに。

VPN

SFCがVPN(Virtual Private Network)を始めた。自分で使うのは始めて。出張中の時などは便利かもしれない。

http://itc.sfc.keio.ac.jp/vpn/

ユーロダラー

経済学を落第したことがある身としては、ユーロダラーとかユーロ市場というのはどうも分かりにくいので、古い本だけど、及能正男『国際マネー戦争』(講談社現代新書、1987年)で少し勉強した。

ヨーロッパ(EUROPE)に集まったドルであるためにユーロ・ダラー(EURODOLLAR)と略称されるようになった、巨大な無国籍的な国際資金市場の誕生である。(22ページ)

米国をはなれたドルがユーロ・ダラーと呼ばれるように、ドイツ国外にあるマルク建ての預金がユーロ・マルク、スイス国外にあるフラン建ての勘定がユーロ・スイス・フランと称されており、同様に日本国領土以外に所在する銀行が取引する日本円はユーロ円と呼ばれている。(78ページ)

広く非居住者に金融システムを開放し、居住者・非居住者間で当該主権通貨以外の通貨を自由に貸借する市場をユーロ通貨取引市場と呼んでいる。つまり、ロンドンで英ポンドを居住者間、居住者非居住者間、非居住者間で取引するのはいわば国内金融取引である。しかし、同じ関係の下でマルクやドルや円を定期預金の形で貸借する市場がユーロ・カレンシー市場である。(87〜88ページ)

結局のところ、最初はヨーロッパ(特にロンドン)で取引されるようになった米ドルのことだったが、徐々に、自国以外で取引される通貨をユーロカレンシーと呼ぶようになってきたようだ。

グローバリゼーションは80年代後半になって突然使われるようになった言葉だというが、この本でははっきりと次のように書いているのも興味深い。

グローバリゼーションとは経済規模の拡大、開放経済体制の進展、情報の迅速化と緻密化、取引内容の統一化、国内法・慣行規制の形骸化などによって、金融市場を第一義的な国内市場と第二義的な海外市場とに分断するという既定概念を放棄して、双方をひとつの合体した金融市場として見ることである。(191ページ)

それと、長年疑問だったことも解決した。

たとえば日本における国際金融市場のひとつの形態である外国為替市場をとらえてみても、丸の内界隈になにか特定の外国為替市場ビルというものがあって、そこの一室内で毎度NHKニュースにおなじみの、ワイシャツ姿の若い男性たち(最近は女性の進出もさかんであるが)が、マージャン台を特別に大きくしたような四角なテーブルをかこんで、両手に電話受信機を握りしめ、猛り狂い、怒鳴りあい、目をつりあげながら叫びつづけているのが、いわゆるトーキョイガイタメ市場だと思うのは錯覚である。あれはたとえば東京短資とか山根短資とかの公認ブローカー業者の事務室にすぎないのであって、実は同市場はほとんどが電話の市場、テレフォン・マーケットとして形成されているのである。テレビ局は具象的な視覚対象を放映上必要とするので、やむをえず怒鳴り合いの修羅場じみた場所を放映しているのである。(85ページ)

ちなみに山根短資は合併でセントラル短資になったらしい。

しかし、だとするとテレビのニュースで流れてくる数字はどこで誰が決めているのか。たぶん、さまざまなデータをどこかで集計して平均しているのだとは思うけど。

2004年06月13日

レッシグ教授インタビュー

NTTインターコミュニケーション・センターの季刊誌『InterCommunication』でドミニク・チェンさんがレッシグ教授にインタービューしているのを発見。3月のシンポジウムの報告も少し出ている。

メディア・アートの新世代

初台のNTTインターコミュニケーション・センターで「ネクスト:メディア・アートの新世代」を見た。

アートのセンスがさっぱりない私なので、いまいちよく分からないものが多くて残念。自分はやはりテキスト好きなのだと実感した。特に映像で視覚に訴えるものはなかなか難しい。おもしろかったのは、電子ペンで地図上の道路を指定すると、実際にそこで聞こえる音がヘッドホンから聞こえるというもの。

出品者のほとんどが70年代以降の生まれ。アートの世界も若返りなのだ。

2004年06月09日

泥棒を捕まえに泥棒を送り込む

"Ex-C.I.A. Aides Say Iraq Leader Helped Agency in 90's Attacks" (New York Times)

イラクの暫定首相になるIyad Allawiは、かつてCIAと協力してサダム・フセイン政権に対抗するために爆弾テロをしていたと元CIAのオフィサー複数が認めたという。Allawiの第一優先事項は爆弾を止めさせて治安を回復することだというから、「Send a thief to catch a thief」というわけだ。彼の反体制グループの爆弾テロはフセイン政権には何の影響も及ぼさなかったようだが、よりによってそんな人を引っ張り出すとは人材難もはなはだしい。あるいは、アメリカの傀儡政権を作るという冷戦時代の発想からアメリカは抜け出ていないのか。そこまでひどくないと信じたいが。

2004年06月06日

中国のインターネット接続10周年

"China celebrates 10 years of being connected to the Internet" (computerworld.com.au)

中国のインターネット接続10周年を記念した6本の企画記事。2本目では検閲の問題が取り上げられていて、現地の人々は「大したことではない」「100%できているわけではない」と考えているという。慣れっこになっているということか。3本目のウィキペディアが検閲されていないという話もちょっとおもしろい。

2004年06月04日

南米は遠い

昨日、ようやく帰国した。リマからロサンゼルスまで約8時間、5時間の待ち合わせの後、成田まで約10時間。映画を何本も見て、ヘトヘトなって眠ってを繰り返した。今回は12日間でスパム総数は846通。

CIA長官辞任

テネットCIA長官が7月辞任 大量破壊兵器で引責か」 (asahi.com)

いつどうやってやめるかが焦点だったCIA長官人事。「個人的な理由」としたものの、更迭の印象をぬぐえないということか。

世界で一番情報を握っているはずなので、情勢を見極めることができなかったのはなぜなのか。

2004年06月01日

サン・マルコス大学

ペルーの東大にあたるサン・マルコス大学を訪問する機会があった。ここは国立大学で、授業料は完全無料だそうだ。入学はとても大変らしい。

ここのサイバーローの講義に招かれた。一緒に出張しているHさんが簡単に日本の情報通信政策を説明して、私は質疑応答に参加した。その中でクリエイティブ・コモンズについても説明したのだが、「何の話をしているの?」という顔をしていた。

パラパラと教室を出て行く学生もいたからつまらなかったのかと思ったが、終わった後に数十人に囲まれて質問攻めにされた。「ウェブからとった写真を使って訴えられるのはおかしいじゃないか」と講義する学生もいたけど、議論できておもしろかった。途上国(ペルーは途上国脱出中だけど)の学生は真摯だなと感動した。