土屋大洋「帝国の磁力」『アステイオン』第69号、2008年11月、40〜58頁。
久しぶりに原稿を書いた。50音順で名前が並んで私が2番目に来るなんてめったにない。
ちなみに同じタイトルはこちらでも使用。
土屋大洋のブログ
土屋大洋「帝国の磁力」『アステイオン』第69号、2008年11月、40〜58頁。
久しぶりに原稿を書いた。50音順で名前が並んで私が2番目に来るなんてめったにない。
ちなみに同じタイトルはこちらでも使用。
土屋大洋「サイバーセキュリティーが米新政権の課題に」NIKKEI NETネット時評(2008年8月18日)
草野厚編著『政策過程分析の最前線』慶應義塾大学出版会、2008年。
やっと手元に届いた。この本も昨年中に出したかったのだけど、時間がかかってしまった。
私は第6章「国際的な政策の『模倣』過程—情報通信政策を例に」を担当。このテーマは数年前から取り組んでいて、一冊本を書く予定だったのだけど、どうも行き詰まったのでひとまずこの一章で終わり。今取り組んでいる他のテーマが終わったら戻るつもり。
土屋大洋「邪魔者はつぶしてしまえ?」産経新聞【ねっと系】スクロール(2008年4月16日)。
元ネタはこちら。
http://www.theregister.co.uk/2008/04/01/comcast_acquires_bittorrent/
おととい、経団連ホールで国際シンポジウム「通信と放送の融合をめぐる法制のあり方について」を開いた。慶應のSFC研究所と21世紀政策研究所の共催である。あまり深く考えていなかったのだが、13時から18時まで5時間かかるシンポジウムというのも、言われてみればあまりないかもしれない。
第1部では海外からのゲスト3人がキーノートとして話した。米国ジョージ・メイソン大学のトーマス・ヘイズレット教授は規制撤廃が投資を促進すると主張し、エコノミスト誌のケン・クーキエ氏はメディア融合とは脅威ではなく機会であり、早くコンバージェンスに対応するほど強くなれるという。延世大学のイ・ミョンホ教授は規制改革、制度改革には政治的な決断が必要だと韓国の事例から述べた。
第2部で慶應の國領二郎&中村伊知哉の対談があり、総務省研究会の舞台裏、思惑が議論された。それがおもしろかったのか、最前列で聞いていた元政治家二人が「官僚統制はダメなんだ」と叫びだして異様な盛り上がりになった。
私は第3部のパネル・ディスカッションの司会をしたが、ここはちょっと時間が足りなくて、壇上のパネリストには2回ずつしか発言の機会を与えられなかった。実に残念。しかし、それぞれの主張は明確で、総務省の内藤氏が総務省の議論を紹介し、世界最先端の法体系を作ると述べたのに対し、経団連の上田氏は、事業者主導からの転換、事後規制への転換という対案を示した。ソウル国立大学のキム・サンベは、韓国のIPTV論議は3年もかかり、新大統領の下で新しい規制機関を作ることを明らかにし、エセックス大学のクリス・マーズデンは、レギュレーターが大きな杖を持って後ろに立っているというco-regulationというアイデアを紹介した。慶應の金正勲は、ただ法律をいじる話をしてもダメで、市場にとっての意味、法政策にとっての意味を考えろと主張した。
フロアからも、制作プロダクション、芸能プロダクションという作り手の話をしなくちゃダメだというもっともな指摘などがあり、とても有意義だった。
私の感想は、(1)大きなチャンスだ、(2)グローバルに通用するものにしたい、(3)まだまだやることが山積みだ、という三つ。やることとしては、話に出ていたように、著作権のこと、電波割り当てのこと、レギュレーターのこと、広告ビジネスの変容のこと、基幹放送のことなどなど。融合の話をすると、いつも放送局がやり玉に挙がる。確かに放送局にはもっと変わってもらいたい。しかし、通信事業者ももっと変わって良いと思う。中村さんによれば、日本はインフラでは先進国だったのに、コンテンツでは後進国になってしまったそうだ。
後進国でもいいのかなという気も私はするのだけど、おもしろいコンテンツやサービスが出てくるのは大歓迎だ(ついでにアメリカのように日本でもネット政治が盛り上がってくれるといいなあ)。
ところで、冒頭の写真は舞台裏の控え室でのもの。登壇者がみんなで窓の外の風景を議論しているところ。みんな暇だったんだね。私はとにかく疲れた。だけど、多くの人が手伝ってくれたからこそうまくいったのは言うまでもない。感謝!
土屋大洋『情報による安全保障—ネットワーク時代のインテリジェンス・コミュニティ—』慶應義塾大学出版会、2007年9月25日、本体4500円+税、ISBN978-4-7664-1417-2 [慶應義塾大学出版会のページ]
2001年の9.11以来、丸6年。ようやく研究してきたことをまとめられた。たくさんの方々に教えていただいた。感謝!
メディアコムの菅谷先生を中心に続けてきた研究会の成果が出た。私の担当章は、『ブロードバンド時代の制度設計』という本で書いた「セルフ・ガバナンスの意義と変容」のアップデート版になる。
菅谷実、金山智子編『ネット時代の社会関係資本形成と市民意識』慶應義塾大学出版会、2007年3月30日、本体3000円+税、ISBN978-4-7664-1362-5(叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態 20)
「第5章 インターネット・コミュニティの変容」担当。
編集の村山さんに感謝。
C&C振興財団監修、原田泉編著、上村圭介、木村忠正、庄司昌彦、陳潔華、土屋大洋、山内康英著『クリエイティブ・シティ—新コンテンツ産業の創出—』NTT出版、2007年2月28日、本体3200円+税、ISBN978-4-7571-0204-0
この本の取材をしたのは2005年の夏。かなり忙しかった頃で、自分の担当章を読み返すと息切れしているのが分かる(いいわけだなあ。しかし、私はずっと前に脱稿していて、半ば忘れていたのだけど、それが諸般の事情で遅れて今ごろ出版されたというわけです)。庄司さんのソウル(韓国)をはじめ、上村さんのウェリントン(ニュージーランド)、木村さんのボローニャ(イタリア)とバルセロナ(スペイン)など、他の章はおもしろいです。
『ネットワーク・パワー—
情報時代の国際政治—』NTT出版、2007年。[NTT出版のページ]
3年半ぶりにひとりで書いた本が出る。SFC、FRI、GLOCOM、ICPC、NTT出版、その他の皆様のおかげです。特にMさん、ありがとうございます。時間かかっちゃってすみません。
今日、某所での研究会から帰宅してから、息抜きを兼ねて『不都合な真実』の英語版DVDを見る。インターネット革命の立役者の一人、アル・ゴアは環境問題に取り組んでいる。日本は環境問題のリーダーになるべきだというMITの先生の言葉を思い出す。技術と国際政治というのが広い意味で私の研究テーマだ。いずれ環境問題にも取り組んでみたいと思う。
大学教員にはあまりきっちりとした「休み」の制度がない。裁量労働といえばそうだし、過少労働の人も過剰労働の人もいる。私は要領が悪いのでダラダラと仕事をして過剰労働気味である(無論、パフォーマンスがどうかは別の話)。
しかし、外でしなければいけない仕事は昨日で終わり。某所の勉強会で急場しのぎの発表をして、懇親会で楽しいお酒を飲んできた。大学の事務室も今日で終わりなので、一応の仕事納めだ。無論、休みに入っても原稿を書いたり、卒論、修論、博論を読まなくてはいけないからほとんど休みにはならない。外で拘束される時間がなくなるというだけだ。
ポロポロと外国からクリスマス・カードが届くのだけど、12月の忙しい時期によく書けるなと思う。日本は年末がやたらと忙しいけど、たぶん、アメリカではそれが少し早く来て、感謝祭あけからは休みめがけて猛烈モードに入るんだろうな。私は相変わらず年賀状を書いていない。こちらからあまり出さないから届く年賀状は減り続けている気がするが、初めて会った人から来てしまうので無くなるわけでもない。来年は仕事始めが実質的に9日(火)だから、大学に届いている年賀状を見て、申し訳ない思いをするような気がする。
私は忙しくなると新聞を読まなくなる。今日になって読もうと思ったら12月10日からたまっていた。毎日メールやウェブは見ているから、大事件を知らないということはもちろんない。しかし、やはり見落としている記事にへえっと思ったり、あの人が言っていたのはこの話かと思うこともある。つまり、インターネットも従来のマスコミもそれなりに居場所があるはず。
今年は通信と放送の融合がずいぶんと議論になったが、あんまり「融合」は進まないのではないかなあと思う。せいぜい「混合」ぐらいじゃないだろうか。この話は12月15日のコンテンツ政策研究会でも話したが、賛否両論あった。来年のバズワードは何なのだろう。
「ネットは中立的であり続けられるか」がホットワイアードに掲載。
私の連載はこれが最終回。50カ月にわたって28回書いたことになる。いい機会をいただいた。江坂編集長に感謝。ホットワイアードの読者の皆さんにも感謝。
Ruth Taplin and Masako Wakui, ed., Japanese Telecommunications: Market and Policy in Transition, London: Routledge, 2006.
第8章で「Ill-deined National Interest: The Difficult Role of the Japanese Negotiator in the Access Charge Negotiations with the United States」を担当。
もうダメになったとかと思ったらついに出版された。英語の本は初めてだ。和久井先生はじめ皆さんに感謝。校正も何もなかったので(英語の本はそんなものなのだろうか?)、はたしてまともな英語になっているのかが不安だ。読み返すのが怖い。
他の著者は、浅井澄子、依田高典、Jeffrey L. Funk、Ruth Taplin、鬼木甫、和久井理子、鈴木賢志の各氏。しかし、高いなあ……、15000円を超えるのではないだろうか。
【追記】
和久井先生からメールをいただきました。値段の件も、校正の件も、大変な努力をしてくださっていたのでした。大変申し訳ないです。校正については私の知らないところで編者と出版社の間で激しいやりとりがあったそうです(ということは私の拙い英語は大幅改善しているはずだとほっとしました)。別の先生が英語の単著を出したときにも相当なやりとりがあったと聞きました。簡単なことではないのですね。うかつなことを書いてしまいました。すみません(念のため言うと、和久井先生はとてもやさしい先生です)。
「政策の創造的エミュレーション」@Hotwired
日経デジタルコアのネット時評に掲載。
「世界はフラットか、ギザギザか:都市と人の視点から日本のIT政策の見直しを」富士通総研『Economic Review』第10巻1号、2006年1月。
C&C振興財団編、上村圭介、原田泉、土屋大洋『インターネットにおける言語と文化受容』NTT出版、2005年、本体2800円+税、ISBN4-7571-0173-2
「世界情報社会サミットの余計な議論」@Hotwired
吉田倫子、土屋大洋「ネットワークにおける創発現象とSNS」『世界週報』2005年11月8日号、60〜61ページ。
ほとんど富士通総研の吉田さんが書いているけど紹介だけ。
「辺境の小国の技術戦略—ニュージーランドのクリエイティブ産業—」がホットワイアードに掲載。