早稲田の3連覇は間違いない、と見られていた今大会であったが、小さな波
乱があった。まず早稲田は幹事長でありエースでもある福原が大学の研究の都
合で欠場し、塚田がその補強に抜擢された。小澤・萬年・池田・石丸・塚田の
布陣で挑む。
1回戦。早稲田−九州大は意外な展開となる。早稲田石丸と九大溝手のホー
プ対決は溝手が11枚で圧勝。悪くても接戦を期待していた早稲田は歯車が狂
い塚田が橋本に、萬年が中島に敗れ3敗。早稲田は3期ぶりに勝点を落とした。
2回戦。5年ぶりの決勝進出・初優勝に向けて優位に立った九州大学、しか
し何を思ったかお茶大戦では「3N」こと、九大スター選手の1人長澤をメン
バーからはずす。果たして主将西が相手主将中村に、中島がB級和田選手に不
覚をとり完敗。痛い痛い星を落とした。この時の3敗が結果として尾をひ
き、星一つの差で決勝進出は早稲田大学となった。
もう一方のブロックは東京大学が大井川・早稲田・東北大をくだし13勝で
余裕の決勝進出。
決勝戦。組み合わせは以下の通り。
塚田−小林
小澤−浜村
石丸−山崎
池田−横田
萬年−川村
石丸−山崎戦が注目された。山崎は東大を初優勝に導いた時からのレギュ
ラーで団体戦に強い「勝利の女神」。石丸は次代の早稲田を背負うことを期待
されたホープ。しかし石丸、1回戦大会の汚名返上とばかりに持ち味のキレの
ある集中力のかるたで13枚と1抜け勝ち。石丸の勢いに引っ張られ早稲田完勝、
福原の欠場を補い嬉しい優勝。少々危ない場面もあったがこれで3連覇となった。
エースを欠いても層の厚さで補い、ベテランに加え若手2年生ホープ・石丸と
池田が加わり、穴のないように思えた早稲田大学だった。
しかし若手が力をつけているのは他のチームも同じであった。この日、東京大
学Bチームは2年生のみのチームでB級を圧勝した。その早東このメンバーが
これからの職域の主役となる…。
(田口貴志氏による観戦記)