私の研究会を履修しようか検討している方、履修している方に向けて、ガイドラインとなるように作成しています。随時修正変更を加えていきます。まず は10ヶ条にしてみました。こちらでの記述は、あくまで考え方や方針を示すものですので、履修に際しては必ず公式のシラバスを参照下さい。また、大学院プ ロジェクト科目「環境とビジネスのイノベーション」の指導方針も基本的にはこの手引きに準ずるところが多いと考えて下さい。なお、2011年度から2つの 研究会を設定しています。ここの記述は「ランドスケープ研究」を履修する方を対象としています。2013年度から開講している「撤退の農村計画」について は、シラバスを参照して下さい。こちらは基本的に一ノ瀬が設定した課題にグループで取り組むことになります。
研究会について良くある質問はこちら→Q&A
ランドスケープ研究では、履修者が自発的に設定したテーマに取り組みます。研究プロジェクトのリーダーとして研究プ ロジェクトを立ち上げること、研究プロジェクトにメンバーとして加わること、研究プロジェクトとして立ち上げるもののメンバーは募集せず個人研究として進 めることの3つの方法があります。いずれにしても、履修者が自立して、研究課題に取り組むことを重視しています。その姿勢は、1年生から卒業プロジェクト まで共通です。なお2012年度までは、まず聴講生として加わることを進めていましたが、2013年度秋学期からは、迷っている方には、研究プロジェクト のメンバーとして履修することをお勧めします。
研究を進めていく過程では、様々な壁にぶつかりますし、そうそう簡単にはうまくいきません。そのような困難をはねの けながら突き進むためには、自分のテーマに対する強いこだわりが必要です。誰かが言っていたようなものではなく、本気で取り組みたい課題に取り組んで下さ い。
シラバスにも明記されていますが、研究プロジェクトを立ち上げる方には研究計画を提出して頂きます。研究会における 調査研究活動は学期期間中だけに行われるものではなく、それ以外の期間が重要です。学期が始まるときには、既に研究計画ができあがっていなければなりませ ん。この研究計画を立てるために、十分な準備を積んでおきましょう。
皆さんが課題だと思ったことも、これまでに多くの人々によって様々な試みがなされているかもしれません。たぶんきっ とそうでしょう。まずは、過去の資料や文献を徹底的に調べましょう。ネットで検索するだけではなくて、ありとあらゆる手段で探しましょう。その過程で目的 の資料を探し出す能力も磨かれます。なお、履修者には半期で50本の文献や資料を読み報告することを求めています。
ランドスケープ研究では、扱うテーマのほとんどにフィールド調査が必要と言っても過言ではないでしょう。ネットで検 索して分かったつもりになるのではなく、とにかく自分のフィールドに足を運び、五感を駆使して調査をしましょう。自分のフィールドには、誰よりも詳しくな れなければ、研究のスタート地点にも立てません。
研究を進めるにつれて、自分が何をしたかったのか、何をしようとしているのかわからなくなってしまうこともありま す。文献を調べた結果、やることがなくなってしまったような気がすることもあります。しかし、迷ったら、自分の直感を信じて進みましょう。結果的に、それ がうまくいかなくても良いのです。前に進まないと結果も出てきません。
「直感を大事に」ということと、逆のことのようですが、良い研究をするためには人の意見を上手に聞けることが近道で す。どんどんいろいろな人から意見をもらい、それを咀嚼、吸収して、研究を発展させていきましょう。自分のテーマや直感を大事にするということと、人の意 見を聞くというのは矛盾することではありません。
研究会で調査研究を進めることは、自分のことだけやっていればよいということではありません。他のメンバーの発表に 積極的に意見し、切磋琢磨することによって相乗効果が生まれてくるのです。他の人の研究に意見をしているうちに、自分の研究が見えてきます。考えただけで 言葉にしなければ、その効果が生まれてきません。
時間を掛けたらよい研究ができるわけではありません。徹夜を続けて、がんばっている自分に満足していても何も解決し ません。(なお、私の研究会の勉強を理由としての残留は認めません。)ましてや決められて期日に間に合わなかったり、研究会に遅れてくるようでは、せっか く良い研究をしていても、全く意味がなくなってしまいます。一方で、それなりの労力と時間をつぎ込まなければ、研究なんてとてもできません。今学期時間が ないのであれば、来学期履修をしてもらえればと思います。
研究会で得られた成果はどんどん学外、さらには国外で発表しましょう。ORFや学会など、発表の機会はいくらでもあ ります。限られた世界の中ではなく、全く価値観が異なる人々やその道の専門家といわれる方々に成果を示して、フィードバックをもらいましょう。それは大き な飛躍のきっかけになるでしょう。