2001年度淡路棚田研究会活動報告
(これは、淡路景観園芸学校の学校報ALPHA2001に掲載されたものです。)
三井雄一郎・一ノ瀬友博
■淡路棚田研究会について
淡路棚田研究会は、淡路島を中心とした兵庫県内の農村地域に特徴的に見られる棚田景観について総合的に明らかにすることを目的として、1999年6月に発足した。姫路工業大学および淡路景観園芸学校教員、淡路景観園芸学校学生、県職員、財団職員、海外研究者などから構成されている。研究会の代表は斉藤庸平教授、事務局は一ノ瀬友博講師が務めている。
■2001年度の研究活動
前年度に引き続き、研究成果を関係学会で発表した。以下に2001年度の成果を示す。
(研究論文)
浅田増美・一ノ瀬友博 (2001) 兵庫県淡路島のため池の分布特性とその管理に関する研究. 農村計画論文集 3, 79-84.
一ノ瀬友博・森田年則 (2002) 兵庫県北淡町の農村地域のため池におけるトンボ類の分布とそれを規定する要因について. ランドスケープ研究 65, 501-506.
松村俊和 (2002) 整備方法の違いが水田畦畔法面植生に与える影響. ランドスケープ研究 65, 595-598.
美濃伸之・中瀬勲 (2002) 多自然居住地域における市民農園の利用実態および利用者ニーズの把握. ランドスケープ研究 65, 879-884.
(口頭発表)
一ノ瀬友博・森田年則・山野浩嗣・浅田増美 (2001) 淡路島北淡町の農村地域のため池におけるトンボ類の分布とそれを規定する要因について, 農村計画学会学術研究発表会要旨集(2001.4), 15-16.
浅田増美・Cheng, S.・一ノ瀬友博 (2001) ため池台帳から見た北淡町と三原町の比較, 農村計画学会学術研究発表会要旨集(2001.4), 17-18.
一ノ瀬友博 (2001) DGPSを用いた鳥類センサス手法の検討. 日本鳥学会2001年度大会講演要旨集, 80.
山野浩嗣 (2001) 淡路島北淡町におけるため池の管理形態とトンボ生態の関連性について. 平成13年度日本造園学会関西支部大会研究発表要旨, 57-58.
■棚田勉強会について
前年度に引き続き2001年度も棚田勉強会をで行った。毎回、発表者がそれぞれの独自のテーマに沿ってまとめた資料を紹介し、その内容について参加者全員で議論を行った。以下に勉強会の開催日時と発表者及び発表テーマを示す。
■研究会の今後の活動
2002年度の活動としては、兵庫県立人と自然の博物館など学外との共同研究を積極的に行う予定である。また、2001年度前期に淡路景観園芸学校に客員教員として来日したインドネシア・ボゴール農科大学のNurhayati H. S. Arifin博士との提携を通じたインドネシアとの比較研究を開始する。様々な切り口、様々な対象地において蓄積された結果をまとめていくことが今後の棚田研究会の課題と言える。