ミニプロジェクトの進め方

1. ミニプロジェクトとは

ミニプロジェクト(略称:ミニプロ)とは、授業で学習した事柄を活用しながら、自分の力で一つのプログラム作品を完成させる一連の活動を指します。与えられた例題を解くのとは異なり、「何をつくるのか」を決める構想の段階から作品の完成に至るまでのプロセスを、一通り自分の力で進めていきます。そのことによって、例題を解くだけでは分からないプログラミングの楽しさと難しさの真相を、一人ひとりが体験的に学ぶことを目指します。

Bコースでは原則として(注)一人が一つの作品を完成させます。これは、一人ひとりの人が必ずプログラミングに関わるすべての作業(=作品の構想作りから設計、ソースコードの記述、エラーの解決、そして動作テストに至まで)を体験することを重視するからです。作業分担をして一部だけを体験するのではなく、すべての作業を一人で行うこと。そのことによって、プログラミングが単に「ソースコードを書くこと」にとどまるのではなく、論理性と創造性を同時に要求される広い意味での知的作業であることや、他のさまざまな知的生産活動に相通ずる側面を持つ作業であることなどを、参加者各自が身をもって実感できるのが理想です。

*注* クラスによって「一人ひとりの参加者が必ずプログラミングを行うことになる」という条件に合致する範囲で2人一組(ペアプログラミング)の手法が取られることもあるかもしれませんが、上記の主旨に変わりはありません(この場合は2人で1つのプログラムを制作しても構いません)。


2. 作品の要求水準について

Bコースでは作品の技術的な水準の高さよりも、「どんなに小さな作品でもそれを自分の力で最後まで完成させること」を重視します。技術的な要求水準としては、オンライン教材に取り上げられた学習内容をふまえていること、が一応の目安となります。例年、「ミニプロ」だからと構えてしまうせいか、自分では動作の意味が理解できていない他人のソースコード(市販の参考書のサンプルプログラムや、先輩、あるいはプログラミングの得意な友人の作品など)を流用して、自分の作品として提出する人が少なからずいます。しかし、そのようなやり方で作品の水準を底上げすることは、少なくともBコースでは全く期待されていないばかりか、むしろ「自分の力で」という主旨に反するという点でマイナスの評価を受けることになりますのでご注意下さい(注)。そのくらいならば、結果としてあまり見栄えのしない(あるいは面白くない)作品になってしまったとしても、自分で一から作り上げてできたものを提出するべきですし、その方が高い評価を受けることになります。

*注* もちろん、オンラインテキストの内容をきちんと理解できている人が、より水準の高い作品を作るべく努力すること(各担当講師やTA/SA・先輩・友人、あるいは市販の参考書等から、オンラインテキストでは扱わない方法等を学ぶこと)を妨げるものではありません。ただし、自分で学んだ方法を作品に用いる場合は、必ずその意味を理解してからにすべきです。


3. 作品のサンプル

以下はこれまでに提出された作品のサンプルです。「自分一人の力で」、「オンラインテキストの学習内容をふまえて」という条件からすれば、こちらに掲載された作品(技術水準には多少のばらつきがありますが)が一つの目安になります。各自の作品を考える際の参考にしてください。


4. その他

ミニプロジェクトの作品に付随するレポート提出や作品の発表の機会の有無、およびその形態については、各クラスの担当者の指示に従って下さい。


目次へ戻る