「私の好きなゲーム」
かつて素晴らしきゲームがありました。その名は「たけしの挑戦状」。 その名の通り、巨匠ビートたけしが主人公となり、とある島に眠る宝を求めて旅に でる壮大なゲームです。その凝りに凝った内容は練りこまれたものであり、そのこだ わり具合は他に類を見ません。ゲームとしての出来を考えなければ。 このゲームは色々なジャンルを内包しています。ハンググライダー以外は必ずゲー ムオーバーになるシューティング、殴りあうか銃殺するだけのアクション、訳の分か らないシナリオと無意味な選択肢、はてはパチンコやカラオケまで出来るというとて もファミコンとは思えないほどの充実ぶりです。それでは順をおって解説していきま しょう。 シューティングは途中の島から宝の島に向かうときにできるのですが、そこで選べ る機体は気球、セスナ、ハンググライダー、船、泳ぎです。先ほど述べたようにハン ググライダー以外は着地が出来ないので必ずゲームオーバーになります。ハンググラ イダ-―も風を使わないと上昇できないし謎の鳥は機体めがけて突っ込んでくるので 何度か練習しないとまず目的の島にたどり着くまでに撃墜され、即葬式です。こんな に退廃的なシューティングも珍しい。 基本的な移動はアクションですが、ビルの三階すら越えそうな無意味なジャンプ力 と、途中の島で買える銃がいい味だしています。銃の威力は素晴らしく、並み居るヤ クザをどこからでも惨殺できます。しかもしゃがんだ状態で撃てるので、自分は一切 ダメージを受けないという、反則にすら思えるほどの性能を発揮します。 訳の分からないシナリオと無意味な選択肢はその辺の駄作と一線を画しています。 まずゲーム開始時、パスワードによるコンティニューもできるのですが、なぜかその 選択肢の中に「おやじをなぐる」があり、これを選ぶと即ゲームオーバーという理不 尽さ。ほかにも宝の地図がなければ飛行機爆発で即死、あるいは土人の家に閉じ込め られて続行不可能、さらには床屋の剃刀でダメージを食らって死ぬなど、死ぬことに は事欠きません。 また、言語や機体のライセンスなども存在し、取得しておかないと困ります。ハン ググライダーはクリアには必要不可欠だし、言語(何語だか忘れたけど)もやっておか ないと、宝の島での会話がSJISをUNIXで読んだときの文字化けのような状態になりま す。これらのスキルはカルチャーセンターで習得できますが、関係ない技能がたくさ んあります。まさに現実的であり、そのうえ「木の葉を隠すには森の中」を実感させ てくれます。 とても私の稚拙な文章ではその素晴らしさといかれぶりを全て表現するのは無理な ので、是非とも自分でやってみることをお勧めします。その結果に私は一切の責任を おいませんが。