「ゼルダの伝説」

 私が今までやったゲームの中で、一番はまって何回もやったもののひとつとして、
スーパーファミコンの「ゼルダの伝説」を挙げようと思う。私は今現在PS2を持って
いるが、それでもあれを越えるほどはまったゲームはない。もちろん、生活の変化で
ゲーム自体をあまりやらなくなったことも原因のひとつだろうが、PS2に性能で大き
く劣るSFのソフトにも関わらず、「今までで一番」といえるのは、ゲーム機の性能の
差を補って余りあるソフトそのものの面白さに要因があるからだろう。
 「ゼルダの伝説」というゲームは、リンクという少年がさらわれたゼルダ姫を助け
るため冒険に出るというありがちなアクションRPGである。リンクとゼルダ姫の関係
や、なぜ世界に家がリンクの家ひとつしかないのか、などの細かい設定は、そこは
ゲームの世界のこと(もっとも最近は、しっかりと世界観まで設定されているものも
あるが)あいまいになっている。まあそれは置いておいても、とにかく私はこのゲー
ムに夢中になったわけで、その理由を考えていきたいと思う。
 ゲームの面白さは、「ストーリー性」「操作性」「難易度」にあると思う。無論、
グラフィックなども重要な要素ではあるが、前の3項目に比べたら若干落ちる。PSの
方がSFよりグラフィックの面では断然優れているのは明らかなのに、ゲームとしてSF
の方が面白いものがあるのはそのためだ。
ゼルダの伝説はありがちなストーリー展開ではあるが、長すぎず、短すぎず、またス
テージごとに区切りがはっきりしていて、それでいて途切れない。実にバランスのと
れたストーリーだと思う。無論、ストーリー自体が面白いのは言うまでもない。ま
た、リンクはボタンひとつで実に多くの武器やアイテムを使いこなす。その切り替え
も単純で分り易く、初心者でもやり易くなっている。このことは後述する「難易度」
にも関わってくるのだが、実に単純明快な操作システムになっている。一時期、ボタ
ンが増え(ファミコンはボタンが二つだったが、SFは六つになった)むやみに操作に
ボタンを使わせるゲームがたくさんでた時期があったが、「ゼルダの伝説」はそんな
中、うまくバランスをとったと言えよう。また、難易度であるが、これもまたうまく
バランスがとれていた。ゲームをやっていく上で一番つまらないのは、自分の技術で
はどうしてもそれ以上先に進めない展開であるとか、ゲーム内でどうしても必要なア
イテムが見つけられないだとか、要するに、「つまる」ということである。もちろ
ん、それを打破するのがゲームの醍醐味ともいえるのだが、あまりに「つまる」こと
が多いと、ゲーム自体が面白くなくなりプレイヤーはやる気を無くす。とはいうもの
の、プレイヤーには、ゲームが得意な人から、ほとんどやったことのない人もいて、
その調整というのは本当に難しいと思う。ゼルダの場合、ゲーム自体をクリアするこ
とはそれほど難しくないが、「ハートのかけら」というアイテム(集めるとHPが増え
る)など、ゲーム自体のクリアとはあまり関係のないイベントが多少面倒(というか
見つけづらい)になっている。それならば、初心者はクリアに専念できるし、上級者
にはクリア以外の楽しみがある。
「ゼルダの伝説」は以上三つの要素が絶妙なバランスの上で成り立っている、という
意味では最高のゲームといえよう。だからクリアした後にも、あの世界を冒険するだ
けでわくわくするし、だからこそ、私はあれだけ「はまって」しまったのだ。もし誰
かに、何か手軽に、適度に、それでいて長く楽しめるゲームを、と言われたら、私は
自信を持って「ゼルダの伝説」を薦める。やったことがないなら、皆さんどうですか
?