形の情報処理
- 1.形の生理学的側面
- 2.形の心理学的側面
- 3.錯視
- 4.形の恒常性
1.形の生理学的側面
- (1)視野の分化
- 視野が、暗闇や霧の中にいるときのように等質空間のとき、
私たちは、そこに形をみることはできない。何か形が見えるためには
視野の中に異質なものが存在し、視野が非等質になっている必要が
ある。すなわち、視野が「図」となるものと、「地」となるものに分化するのである。
- (2)輪郭の成立
- 輪郭は、図と地の境界を形成するが、この輪郭が形成されるためには、
図と地は、どのような要素において異なっている必要があるのか。
両者は、明るさにおいて異なっていればよいのか、それとも、色に
おいても異なっている必要があるのか。
- リープマン効果
- 図と地が色相において異なっていても、色の明るさが同じとき、
図と地の輪郭線は、消えてしまう現象。これより、色の違いは、輪郭の
形成要因とはならないことがわかる。
- マッハバンド
マッハは、二つの領域が、明るさにおいて異なるとき、人間は、
明るさの違いを強調するように知覚し、輪郭線を強調する傾向が
あることを見出した。マッハが使用した刺激図形において、その
境界領域が帯状に見えることから、これをマッハの帯と呼んだ。
- (3)眼球運動
- 人間は、形を知覚するために必要なもう1つの要素が、知覚者の
眼球運動である。私たちは、対象を見るとき、眼を凝視するが、この凝視
の状態においても、眼は、わずかながら動いている。これを固視微動と
呼んでいる。これによって、網膜の同じ位置に対象の像が写されるのを
防いでいる。特殊な装置を眼につけ、網膜の同じ位置に対象の像が写る
ようにすると(静止網膜像),対象は眼前に存在しても、知覚者には、
見えなくなる。これより、固視微動が対象を知覚するために必要で
あることがうかがえる。
2.形の心理学的側面
- (1)反転図形(多義図形)
- 反転図形は、多義図形とも呼ばれ、図と地が反転する図形
である。例えば、反転図形は、白黒図形のとき、あるときは、黒い
部分が図に見え、白い部分が地に見えたかと思うと、別の時には
白い部分が図に見え、そして、黒い部分が地となる。反転図形で
有名な
ルビンの杯は、白い部分が図になっている時は、杯が見えるが、
黒い部分が図になっているときには、二人の人の横顔が見える。
そして、両者が同時に見えることはない。杯が見えるときは、横顔
は見えず、横顔が見えるときは、杯は見えない。
- 美女と老婆
- エッシャーの図形
- (2)図を形成する要因
- 1)狭小の要因
- 2)閉合の要因
- 3)内側の要因
- (3)群化の法則
- 1)近接の要因
- 2)類同の要因
- 3)よい連続の要因
- (4)プレグナンツの法則
- プレグナンツの法則とは、対象をできるだけ簡潔で全体
- としてまとまりのある形にみようとする傾向である。
- (5)トップダウン型知覚処理とボトムアップ型知覚処理
- トップダウン型知覚処理
- ボトムアップ型知覚処理
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3.錯視
- (1)ミュラー・リヤ−錯視
- (2)エビングハウス錯視
- (3)ポッゲンドルフ錯視
- (4)ヘリング錯視
- (5)ヴント錯視
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4.形の恒常性
- (1)形の恒常性とは
- 円形をした対象を奥行きに沿って傾けると、対象の形は
- 網膜上では楕円になるが、実際以上に円に近い楕円とし
- て知覚される。これは、対象の本来の円という性質が恒
- 常的な性質として保たれているからである。これを形の
- 恒常性という。
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