人事院創設から70年(12月1日)


『人事院月報』人事院創立70周年記念号(2018.12)に小論を寄せました。

 1948年12月、人事行政を管轄する機関として人事院が発足しました。戦前の政党政治が恣意的な官僚人事を行い、行政に混乱を来したことがその理由のひとつとされています。今年は明治150年に当たりますが、人事院のない80年、人事院のある70年がどう変わってきたのかを論じてみたいと考え、「人事院以前、人事院以後―明治150年と人事院70年」という文章を書きました。
 初代人事院総裁である浅井清にも触れてみました。浅井は臨時行政調査部公務員部長、臨時人事委員会委員長を経て総裁となりますが、前職は慶大教授(憲法学)でした。岡田彰先生のご研究にも言及がありますが、このあたりはもう少し追いかけてみたいところです。同時に刊行された『人事院70年 人事行政の歩み』には、稲継先生、牧原先生などの重厚な論考が満載です。

 この70年の歴史でも、2014年からの4年は大きく状況が変わりました。内閣人事局ができた一方で、働き方改革、障がい者雇用、学生の公務員離れへの対応など、課題は山積しています。10年後、人事院80年がどう書かれるか。真価を問われる10年となるように思います。
 


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