ジョルジュ・ビゴー展とギャラリー・トーク

bigot.jpg 「ジョルジュ・ビゴー展」図録
 東京都写真美術館で開催されている「ジョルジュ・ビゴー展―碧眼の浮世絵師が斬る明治」を観に行ってきました。ビゴーといえば、上記の絵をはじめとする風刺画で知られる明治日本を描いたフランス人画家。ノルマントン号事件や選挙干渉の風刺画でご記憶の方も多いのでは。
 私自身、この時代を専門にする以前からビゴーには特に興味があり、清水勲さんや及川茂さんの著作は軒並み目を通していましたが、なぜかこの展覧会は知らず、知ったのはつい昨日。第3金曜日は担当学芸員さんのギャラリートークもあるというので、研究の合間を縫って恵比寿に足を運びました。いつ来ても、ここは雰囲気がいいですね。
 『あさ』『おはよう』『また』に書かれた一般のひとびとの姿が壁面にプロジェクターで写し出され、その脇には、おなじみ『トバエ』の絵がずらり。図版でなく、実物で見ることができたため、書き込まれている文章もしっかりと読むことができました。これには感動。
 来日前、来日後の活動がとてもバランスをもって紹介されていたのもすばらしかったですが、何より圧巻は担当学芸員、三井圭司さんのギャラリートークでした。明治前期におけるメディアとしての写真と絵の関係について語られたくだりには熱というか、作品への愛情がこもっており、感動を覚えました。御礼深謝です。
 帰り道、図録を見ていたところ、謝辞のところによく知る某館学芸員Mさんの名前が!おとといまで一緒に出張していたのに(笑)。灯台もと暗しですね。
 
 展覧会は23日までです。この週末、お時間のある方は、恵比寿まで散歩されてみては。