北京雑感(10月31日)


(中国社会科学院日本研究所の建物。かつての段祺瑞政府)

 
 中国社会科学院日本研究所と北京大学政府管理学院で講演を行ってきました。
 
 天津での学会から移動して、北京へ。日曜午後の天津~北京は大混雑。40分弱の移動なので立って乗ってもよいと思っていたのですが、全席指定(身分証明書を提示しての購入)。午後3時に天津駅に行ったところ、9時の新幹線しか空いていないというので、諦めて高速バスに。それでも北京着は8時。おかげで久しぶりだった卒業生たちに会うことも叶わず。さすが中国ですね。迂闊でした。

 翌朝、中国社会科学院日本研究所で講演だったのですが、会場に着いて驚きました。段祺瑞政府の建物です。清朝末期に海軍施設として建てられたものとのこと。それだけで大興奮です。建物自体は、建材こそ北京らしく胡同(フートン)に使われているものと同色の石材でしたが、デザインにはオランダ植民地建築の風情がありました。
 
 http://ijs.cass.cn/xsdt/xsjl/201710/t20171031_3688658.shtml
 
 夕方からは、北京大学政府管理学院に伺い、大学院生30名ほどを前に「近現代日本の政官関係」と題してお話。ディスカッションが期待以上に面白く、成果の大きいものとなりました。20:30終了。北京の大学生はこんなに遅くまで学ぶのですね。
 
 翌朝も8:30から学部クラスで「近現代日本の人材育成」というテーマで講義。明治初期から現代までの日本の若者と政治・公共の関係について話しましたが、特に明治初期の政治参加と現代の若者たちの取り組みについて、多くの学生が強い関心を示してくれました。
 


 
 お招きくださった白智立先生は、中国における日本官僚制研究の第一人者。夕食、昼食と楽しく議論させていただきました。ありがとうございます。
 
 それにしても、前回につづき、晴天に恵まれた北京滞在でした。中国共産党第十九回全国代表大会の直後ということで期待していたのですが、街のなかにあまりその余韻を見ることはできませんでした。考えてみれば、トランプ訪中の準備がはじまっていたのでしょう。もっとも、テレビでは「19大の精神を実践に」ということばが昼夜を問わず画面を埋め尽くしていました。
 

 
 これまでは台湾と行き来することが多かったのですが、中国ともご縁が広がってきました。様々なものを感じ取って、伝えていきたいと思います。
 


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