シンポジウム



娯楽とメディアとアート、そしてアカデミズ ム

Transmigration of Dance Research

Video Game, Notational Technologies, and Robot Studies



稲毛博美 斉藤 尚大 吉田悠樹 彦



Hiromi Inage, Takahiro Saito, Yukihiko Yoshida


ダンスおよび舞踊する身体のイメージは、現 在、様々な領域で広く受容されている。従来舞踊とは無縁と考えられがちだった領域 においても、舞踊の理論やダンサーの映像・動きの情報が利用され、注目すべきムー ヴメントを起こしている。特に、メディア・テクノロジーと関連する領域における舞 踊への注目は並々ならぬものがある。このような動向について、本シンポジウムでは、 ゲーム業界、ノーテーション・テクノロジー研究、ロボット研究の一線で活躍する方々 をパネリストとして迎え、ダンスとテクノロジーの現在についてそれぞれの立場から 発表していただき、さらにそれぞれの分野と舞踊のクロスオーバーが今後どのような 可能性を秘めているかについて討論した。 

  
第一部では、パネリストからそれぞれの業績について、司会との対談形式でデモンス トレーションがあった。

渡辺泰仁 氏(エニックス)は、ゲーム・プロデューサーとして、最初のダンス・ ゲームである『バスト・ア・ムーヴ』を制作している。渡辺氏と稲毛の対談では、ダ ンス・ゲーム『ダンス・サミット2001』のビ デオ紹介を中心に、シューティングやRPGといった マッチョなテーマが多かったゲーム制作にダンスというテーマを導入した革新性、ユー ザーに新しい体験をさせるゲームやインターフェイスの可能性、ゲームというメディ アが創り出す場の共同性、さらにダンス・ゲーム制作におけるモーション・キャプチ ャーの重要性が話題となった。


中村美奈子氏(立命館大学 アートリサーチセンター)は、ノーテーションやモーション・キャプチャーを用 いて、舞踊教育および民族舞踊研究の分野で活躍している。まず、吉田よりダ ンスとコンピュータの歴史運動と視覚メディアの歴史ついて総説があり、引き続き中村氏から、ジャ ワ舞踊の演者の動きをキャプチャーする模様の紹介があり、さらに、ラバノテーショ ンを電子化したラバン・エディターとモーション・キャプチャーのデータおよ びCGデータを 総合した教育ツール開発についてレクチャーがあった。


中田亨氏(産業技術総合 研究所)は、人間との感性的なインタラクションを持つペット・ロボットの研究 を行っている。中田氏からは、「かわいい」動きを振り付けられたロボットが踊る様 子の紹介、ロボットの動きをラバンのエフォート/シェイプ理 論から工学的に生成する方法の紹介があり、さらに、ケステンバーグやボニー・コー エンの理論に基づいて様々な動物の動きを検討し、それがロボットの自発的運動にど のように応用されるか、また、動作体の動きから感情を推察する装置の可能性につい て展望が説明された。


第二部では、舞踊とテクノロジーの可能 性について、多様な論点から議論がなされた。

論点は、
1モーション・キャプチャー関連。マーカーの位置が与える表現への影響。自分の動 きをキャプチャーしたデータを見た演技者の反応や意見(
CG化の効果 として身体のコンプレックスの解消)。


2身体データの商業化について。身体の 動きをデータ化しCGやロボッ トなど異なる媒体に入れることにより、新しい経済効果が得られる可能性。舞踊学の 持つ特権的な理論や技術を中心とした、舞踊領域の経済的発展の模索。


3舞踊家とメディア・テクノロジーの関 わり方について。抽象された動きが即踊りなのか。観客の受容の問題。生のパフォー マンスと比較してCG化した舞 踊の芸術的価値について。エージェントの振付。音楽におけるメディアの問題(生演 奏とレコードは異なるものとして扱う)。


4生物学的に見た動きの機能か らCGやキャプチャーの動 きの意義についての説明。


5メディアの中で創られていく舞踊の可 能性。見る楽しさから動きに関わる楽しさへ。ダンサーの身体空間の視覚化。マス・ メディアで流通する動きの表現は限定されている。舞踊を作っていく楽しさを供給し ていく方法。生の舞踊との補完性。


6舞踊の定量化。舞踊のどのようなレベ ルを記録するべきか。目的によって定量方法は変化する。


7テクノロジーの利用法。日本では伝統 芸能の保存目的が多い。海外では、コンテンポラリー・ダンスで創作目的で使われる。 名人芸の保存。保存データを他の舞踊家・映像作家が引用する可能性。舞踊家が自分 の舞踊を残すことについて。


8ディストリビューションの変化が舞踊 を変える可能性について。ネットの広がりによる作者概念の変容、ソフトの変容。電 子環境のビジョンとそれに対応するコレオグラフィーの実装が必要。臨場感を伝えて いく工夫。


9舞踊研究におけるコンピュータの役割。 舞踊に何をもたらしてくれるのか。ダンスとコンピュータの双方からのアプローチが 必要。コンピュータによって動きの質を客観的に示せる。コンピュータと音楽の関係 がヒントになる。


第二部では、パネリストとフロアの間で 自由で活発な意見交換があった。これは、本シンポジウム最大の収穫であった。(文 責 斉藤




その他話題に出た項 目

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ダンス・ダンス・レヴォリューション  Jonathan Crary. Techniques of the Observer Pino Posy< /CENTER>


パパイヤ鈴木
 夏まゆみ カポエィラ 浜崎あゆみ とっとこハム太郎

チャールズ・ダーウィン世阿弥  古今亭志ん 生 DJ Akakage 石井 漠

ネットRPG Hypertext (History)

networkdance  やすきよ(横山やす しきよし)



今回のシンポジウムをきっかけに、 ダンスとテクノロジーについて語り合うお茶会
を開こうと思っています。場所は都内で、不定期で行います。このテーマで、何
かお話をしてくれる方を募集しています。ケーキセット程度の謝礼が出ます。

斉藤ま で