現在規制緩和は,日本経済再生の処方せんとしても市民主権の立場からも その重要性が叫ばれ,政策の実行が緊急の課題となっている。 このような状況の中で,もはや「規制緩和」という言葉はバラ色の未来を約束する 呪文であるかのごとくマスコミに使われている。
しかし,一方では規制緩和反対論もある。最近では1994年の文芸春秋に掲載された 「規制緩和の悪夢」のように,正面から規制緩和政策に反対するものも現われ始めた。
そこで,この章では規制緩和反対論の主張・論法を分析し その背後にある思考を明らかにしていきたい。