我々は国民や官僚の情報公開に対する意識調査をするためにアンケートを実施した。国民は、主婦・会社員・学生・その他(自営業・教師など)に分け、公務員は、地方公務員と官僚とに分けて集めた。
アンケートそのものは後に出す。(アンケートは2段にして出した。)
アンケートの内容は以下の通りである。これらからまずわかったことを述べてみる。
... 国民全体のレベルでは情報公開に対して60%の人が興味を持っている。官僚の方は全員の人が知っていて、なお半分以上の人が
非常に興味を持っている。しかし、学生や主婦はともかく会社員
や公務員までもが聞いたこともいない人がいたことには驚いた。
回答者のほとんどが新聞やテレビなどメディアを通じて知ったと答えている。このことからも、国民は情報源を主にメディアに頼っているということがわかる。官僚になると会議や情報機関誌などメディア以外の方法がいくらか見られたが、やはり殆どの回答はメディア関係であった。
... この結果からは、誰もが皆、現状に満足していないということが分かる。公開すべきという意見の中にも、もっと公開すべきだと
いう積極的な意見は20%ぐらいであるにもかかわらず、慎重を
期して公開すべきだという意見が約70%と圧倒的であった。日
本人の保守的な性格が現れている。
また、この質問に関してはかなりの抗議があった。というのも
もっと公開すべきだというのと慎重を期して公開すべきだという
のにはかなりの落差があるからだ。これについては質問の内容に
問題があったことを認めざるを得ない。
これにはさまざまな意見をいただいた。まず非常に多かった意見が、プライバシーの侵害。このことは慎重に踏まえなければならないだろう。次に、公開を意識した情報。つまり、情報が真の意味を失い当たり触りのない情報になってしまうということである。
その他の回答を挙げてみよう。
*正しく情報が理解されず、政策が妨害されたりする。
*政治が公開の義務を意識し、より慎重になってしまう。
*情報収集が量についていけなくなる。
*外交文書の公開による国際問題。
*法案にともなう利権争いの活性化。
*デマによる社会混乱。
その他面白かったもの。
*情報を利用した悪徳な商法・犯罪。
*オウム事件から安易な情報公開の危険さを感じた。
*スパイが楽に多くの情報を仕入れられる。(これは危険。)
*政治を極力に解釈したヒステリックな市民団体が増加。
*二重文書(表・裏)ができる。
... この質問を直接官僚の方々にするかどうか悩んだが、結局失礼だ理由もさまざまなものがあった。と思いながらも答えていただいた。やはり公務員(地方・官僚)
の方にはこの質問がよろしくないという回答を多数頂くことにな
った。そして公務員の回答としては「思わない」が多かった。ま
た、他の国民も「思う」が50%ほどで、決定打とは考えてない
ようである。しかし、官僚の回答に、そんなものでは官僚への権
力集中は防げないという意見があった。自分達のことはよくわか
ってるようだ。
... これは圧倒的な肯定を期待したが、今の行政の決め手のなさを象徴してか、約50%しか賛同を得られなかった。これは政治に対
する期待があまりないというがっかりさせられる結果であった。
これは実にさまざまな意見をいただいた。全体的に多かったのは、
*官僚の資産・交際費など。(特に会社員)
*予算成立案までの過程や、その他の政策過程など。
*学生は内申書やセンター試験の結果など。
その他では、
*核燃料・核開発や原子力発電書の防災、安全に関する内容。
*行政庁と政財界のつながりや天下りの実態。
*防衛機器の購入価格・戦争の機密情報など。
*ODA予算の使われ方・支出の明細・政治資金の使い道・特殊法人の資金運用。
なお、面白かったものとしては、
*天皇家に関すること。
*73 1部隊のその後。
*小中学校で行なわれている体罰。
*ゴルフ場開発などの自然保護問題。
*入落札の状況。
*美術品購入基準。
なかには次のような現実的な意見もあった。
*公開されている情報がどれだけあるのかわからない。(これはリスト化の必要性がある)
*国民自身のレベルアップが前提。(せっかく法を成立してもうまく使わなければ意味がない。)