28110 | 返信 | Re:戦争の歴史・平和の歴史 | URL | inti-sol | 2004/05/30 01:17 | |
小林様 > 人類の歴史は、歴史始まって以来、戦争が無いときは無かったといわれています。 > > これが世界の常識ですが、私はこの歴史認識に挑戦しています。 > しかしながら江戸時代250年の間は戦争が無かったことは確実で、これは日本人が世界に誇るべきことです。 江戸時代の250年間のうち、島原の乱が終わってから幕末の動乱までの200年あまりは、比較的平和な時代だったことは事実であり、それは確かに誇るべきことだと思います。 > 平安時代もこれに近い平和な時代だと思えます。 戦争がない、という意味では平和な時代ではあったのでしょうが、「羅生門」など読むと平安時代が平和な時代だったと言いきって良いのかどうかいささか疑問を感じます。平和というのは、ただ単に戦争がないというだけのことではないのではないでしょうか。北朝鮮なんか、朝鮮戦争以後戦争はしていませんけれど、あの国は平和な国なんでしょうか。 > 日本の歴史の中で外国との戦争があったのは、侵略した歴史として、白村江の敗北に終わった半島侵略、秀吉の朝鮮侵略、と明治以後の一連の戦争です。 > 一方侵略されたのは、蒙古襲来の一回だけです。 (中略) > 要するに人間にとって戦争は宿命だという認識は、大陸の文化であって日本には当てはまりません。 小林さんは、あと二つ大事な「対外戦争」を失念しておられるようです。 ひとつは「蝦夷」に対する戦争。平安時代の前九年の役、後三年の役や、1457年のコシャマインの乱など。もう一つは1609年、薩摩藩による琉球征服です。 その他、国内の争いは、源平の合戦、鎌倉初期の粛清合戦や承久の乱、鎌倉幕府倒壊とそれに続く南北朝の戦乱、そしてその名もズバリ戦国時代と、ひっきりなしに続いています。これは、現在の定義で言えば「内戦」であり、とても平和な状態とは言えません。 > 日本は日本海という壁があって、大陸の戦争文化から隔離されていたと言うことです。 > この歴史が日本人を本当の平和民族にしたと私は考えます。 日本海という壁によって対外戦争からは隔離されていたのは事実ですが、内戦に対する歯止めにはなりませんでした。たとえば、鉄砲伝来は1543年、そのわずか40年後には、織田信長の軍勢だけで3000丁もの火縄銃(この数は通説で、異論もあるようですが)によって武田勝頼を粉砕しました。 一説によると、この当時織田信長のもっていた鉄砲の数は、ヨーロッパのどの国の軍隊よりも多かった、という話もあります。また当時鉄砲を国内で製造した国は、ヨーロッパ諸国を除くと日本だけだった、という話もあります。これらのことは当時の日本の基礎的な技術力の高さを示していると同時に、日本人が「平和民族」などではなかったことも示しています。 > つまり現在まで日本を侵略しようとしたのは、蒙古一回しかないということです。 もう一つ、実行はされませんでしたが、幕末の欧米諸国も日本を侵略しようという意志はあったと思います。それを含めても2回だけですね。 > 日本の歴史から考えて、日本は侵略される恐れの無い国なのです。 この部分は完全に同意します。 > 日本から侵略していかない限り、日本は戦争とは縁の無いくにで居られるのです。 日本から侵略していかない限り、日本は対外戦争とは縁の無いくにで居られるということには同意しますが、内戦に関してはそうではないことは、先に指摘したとおりです。まあ今後に関して言えば、戦国の世ではあるまいし、この日本で内戦が頻発するような状況は想定し難いですけれど。 |
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