28427 | 返信 | 1943年 バーネット判決 | URL | 上海 | 2004/06/18 14:08 | |
皆様 上海です PTA会長問題で、話さねばならないポイントを置いてきぼりにして高橋氏 個人の資質を問うかのごとき不埒な書き込みが多いですな。 アメリカの興味深い事例を紹介します。 アメリカでも公立学校の式典に於いて国旗敬礼と忠誠宣誓が求められる。 なかなか法制化が出来ない折、1940年、ペンシルバニア州のエホバの証人 の信者(生徒)が国旗敬礼と忠誠宣誓を拒否し退学処分となった。 この裁判で連邦最高裁判所はペンシルバニア州の州法を憲法に違反してい ないとの判決を下す。 これを凡例として連邦議会は、一九四二年に国旗敬礼と忠誠宣誓を定めた。 公立学校の正規の課程の一部として、合衆国国旗に右手を掲げて敬礼を行 うとともに、国家への忠誠の宣誓を行うことを、教員と生徒に義務づけた。 その義務に従わないことは、不服従行為とみなされ、生徒は退学処分を受 けるほか、両親は処罰(五〇ドル以下の罰金と三〇日以下の拘置)を受け ることとされたのである。 そして、まさに戦時下である1943年、ウエストバージニア州の公立学校で エホバの証人の信者(生徒)が国旗掲揚を拒否し退学処分となった。 「不当である」とバーネット一家が裁判を起こした。 連邦最高裁判所は三年前のゴビテス判決を全面的に変更し、八対一の大差 で退学処分の執行停止を認めた。これが有名なバーネット裁判である。 (詳細はhttp://kimigayososyo.hp.infoseek.co.jp/newpage15.htm) ジャクソン判事の法廷意見を紹介すると 「反対意見を強制的に排除しはじめるとやがてそれは反対者を根絶する事へ と繋がってしまう。意見の統一を強制することは、ただ墓場という同一化 をもたらすだけである。」 「意見を異にする自由は、あまり小さな問題に限られるものではない。もし それだけのことならば、それは単に自由の影にすぎないだろう。その本質 が試されるのは、現在の秩序の核心に触れる事柄に関しても意見を異にす る権利である。」 「我が憲法という星座に不動の星があるとすれば、高級官僚であれ下級官僚 であれ、いかなる役人も、政治、国家、宗教或いは他の個人の意見に関す る事柄で何が正当であるかを決めることはできないし、また、強制的に市 民に対してそれらに関しての信念を言葉や行動で表現させることはできな いということである。」 「国旗敬礼と誓約を強制する地方当局の行為は、憲法の制約を越え、すべて の公的統制から憲法修正第一条が保護している知性と精神の領域を犯すも のであると当裁判所は考える。」 |
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