28482 返信 「君が代」強制批判のPTA会長辞任問題と言論の自由 URL 鈴木 康 2004/06/21 10:29

> > 学校側の行為は「脅迫」ではない。学校側のしたことが法に触れるというのであれば、どういう法に触れるのかはっきりさせる必要がある。
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> これは、どうでしょうか。「お子さんがいじめられるかもしれませんよ」というのは、「害悪の告知」ではありませんか? たとえばヤクザが「お宅のお子さんもかわいいさかりでしょう」などと言うと、脅迫にはならないのでしょうか。
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> 私は、今回の問題はこの一点につきると思う。
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> まず、倫理的な面から考えても法的な面から考えても、この場合校長が言わなければいけないのは「お子さんがいじめられたりしたら全力で守ります」ではないのか。校長がそういう姿勢を放棄したような発言をしたのは、私はとうてい許せないことだと思います。少なくとも、この小学校の校長は、言論の圧力で辞職に追い込むべきでしょう。

 子どもがいじめられるうんぬんといった脅迫めいた話までは、校長はしていないと思うよ。「非難の嵐の中、会長は辞任に追い込まれた。『お子さんがいじめられるかもしれない』と地域の代表に言われ、校長の求めで辞表まで書いた。」とasahi.comは報道している。読めば読むほどとんでもねえ校長だ。だがこいつを公務員の職権濫用罪、あるいは強要罪で訴えたりするのはちと無理があるだろう。形の上でPTA会長は、自主退任してるからなあ。
 「少なくとも、この小学校の校長は、言論の圧力で辞職に追い込むべきでしょう。」という点に関しては私も全く同感だが、事実関係の把握にあやまりがあってはなるまい。「学校側の行為は『脅迫』ではない。学校側のしたことが法に触れるというのであれば、どういう法に触れるのかはっきりさせる必要がある。」というひらめさんの主張は正しいと思う。
 決着をつけるためには、常識の範囲内で双方が言論の圧力を浴びせ合うのが一番だろう。それには、「少々私見を開陳したに過ぎないPTA会長に対して辞めろという圧力がかかるのは不当だ」といった幼稚な主張を展開しているようでは話にならない。議論して気に入らない主張をたたきのめすのは大いに結構にしても、気に入らない主張の開陳そのものを阻止しようというのは、「讒謗律」の発想とさして変わるまい。

 ネットで「讒謗律」を検索すると以下のような解説が出てくる。

「自由民権運動の台頭に直面した明治政府が,民権派の政治的言論の弾圧を目的として制定した法律.讒謗律は,出版物などを通じて人を讒毀もしくは誹謗した場合,その対象となった人の身分に応じて軽量をつけ処罰した.たとえば天皇に対する讒毀誹謗は3月以上3年以下の禁獄という具合である.」

 言論の自由とはつまるところ言論を通して闘い争う自由であって、言論の自由が保障されれば必然的に弱肉強食の言論戦が発生するわけだ。言論の自由には、圧力ともとれるような激しい批判を展開する自由が含まれなければ意味がない。