28543 返信 Re:民主主義社会のモラルについて(Re:「君が代」強制批判の…) URL 鈴木 康 2004/06/23 13:51
tpknさん、

> たとえば「なぜ殺してはいけないのか」に答えられなかったとしても、「殺してはいけない」ということには同意しているわけでしょう?

 殺人にしても現在程度で済んでいるのは重刑の抑止力があるからで、多くの人々が「殺してはいけない」に同意しているかどうかはわかりません。重刑の抑止力がなくなればどうなるか、これは実験するわけにはいきませんが殺人その他の凶悪犯が激増するのは間違いないでしょう。

> ある人が言論の自由や思想信条の自由に基づき正当な権利を行使していることを「モラルに反する」と考える社会であっては、民主主義が正常に機能しないからです。ましてこの問題は、「殺人」と違って、「なぜそうなのか」ということを明確に言うことができます。

 いくら明確に言えたところで、他者がそれを受け入れてくれる保証はどこにもありません。ましてこの問題に関して刑罰を振りかざすわけにはいきません。そもそも民主主義とは、民主主義を正常に機能させない思想傾向を持った成員の存在をも認めなければならないのです。

> >  「こんなの」と「こんなのの子供」を同列に論じるのが土台間違っています。
>
> 上記、社会のモラルの問題なので、「こんなの」も「こんなのの子供」も同列に論じるより仕方ありません。分けて考えるほうが間違い。

 いやいや、一緒に考える方がおかしいです。「こんなの」と「こんなのの子供」がモラルを共有するという保証はどこにもありません。たとえばアメリカの小学校の校長が「犯罪者の子どもが学校に来るようなことでは、学校内犯罪が減るわけはない」とでも言ったらどうなりますか?えらい騒ぎになります。
 「子は親の鏡」などという俗説は、「純粋に生物学的な遺伝と犯罪の関係であれば、現在でも精神障害のため責任能力なしとして無罪となる例もあるように、すでに社会的に認知されている」といったナチスまがいの妄説と軌を一にしているのです。