28648 返信 バグダッドバーニング出版のお知らせ URL にゃにゃにゃにゃにゃ 2004/06/30 01:42
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イラクを殺戮と破壊の地にした者たちに、この叫びは届くのか

『バグダッド・バーニング イラク女性の占領下日記』(アートン刊)
                    /7月2日(金)配本予定

       著:リバーベンド  訳:リバーベンド・プロジェクト
                  体裁:四六判・並製、440ページ
                       定価:1575円(税込)
                    ISBN4-901006-75-4 C0031
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≪本書の説明≫

「今回の戦争は、大量破壊兵器をめぐる戦いとして始まった。その大量破壊兵
器が発見できず、証拠も根拠薄弱としか言いようがなくなると、突然“テロと
の戦い”に方向を変えた。そしてアル・カーイダやウサマ・ビン・ラディンと
のつながりが立証できなくなると、今度は“解放”に転じた。好きなように呼
んでもらってかまわないけど、私にとっては“占領”でしかない」(本文よ
り)

取ってつけたような大義名分の下、イラク戦争は始まった。そしてイラクは殺
戮と破壊の地になりはて、誘拐や略奪が横行する無法地帯となった。知人や親
族が、いわれのない暴力の犠牲になっていく……。
リバーベンドは書いている。
「ブッシュが“テロリストに戦いを挑んだ”時、戦争は隔絶した山地や何もな
い砂漠で戦われるのではないと言うべきだった。つまり、前線とは私たちの
家……、そして“付帯的損害”とは私たちの友人や家族のことであると」

破壊されていく我が国イラクに思いを馳せて傷ついた心。
米軍の家宅捜索によって味わった屈辱と怒り。
亡命イラク人が中心となった暫定政権に対する不信感。
誘拐や略奪に怯える日々。
治安悪化や社会の混乱のなか、仕事や学業をあきらめざるをえない状況に追い
込まれていく女性たち。

私たち日本人は、これらのことをどれだけ知っているだろうか。知ろうとした
だろうか。
占領下という状況のなか、リバーベンドの素性は、一切明らかにされていな
い。バグダッドに住む24歳のイラク女性だという。リバーベンドというのは
ネット上の名前で、その詳細は私たちの元にも届いていない。しかし、どこの
誰が書いていようとも、その綴られた文章に真実があるという確信の下、私た
ちは出版に踏み切った。


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本書は、リバーベンドがインターネットのブログ『Baghdad Burning(バグ
ダッド・バーニング)』に書き込んだものを邦訳したものです。ブログとは
ウェブログの略で、さまざまなニュースサイトや他のブログにリンクを張っ
た、インターネット上の新しいコミュニケーションスタイル。本書には、ネッ
ト上に公開されたブログを、このブログが開始された2003年8月17日から2004
年5月22日まで掲載しています。
作者のリバーベンドは、イラク戦争前から緊迫化するイラク情勢を伝えて世界
的にも有名になったイラク人ブロガー、サラーム・パックスにメールを送りま
した。以来、彼らは交流を深め、サラームの勧めにより、2004年4月9日のバグ
ダッド陥落から約4ヵ月後、リバーベンドは占領下のバグダッドを伝えるブロ
グを始めることになりました。
戦前は個人の意思に委ねられていたヒジャーブ(女性のヘッドスカーフ)の着
用の強要、また着用せざるをえない不穏な治安。その状況はイラク女性の現在
の立場を象徴しています。
「信ずる宗教にかかわらず、14歳以上の女性はすべて結婚していなければな
らない」という告示を出す自称宗教者が出現するなど、女性は社会の片隅に追
いやられようとしている現状を、リバーベンドは訴えます。
この戦争がイラクにもたらしたものは、本当に“解放”だったのか。イラクの
人々にもたらせたという“自由”はいったい何なのか。
本書は、その疑問へのひとつの答えにもなることでしょう。

また、プロジェクトそしてリバーベンド自身の希望により、この本の印税の一
部を「リバーベンド基金」として積み立てることになりました。基金はリバー
ベンド・プロジェクトが運営し、今後、イラク現地の女性団体、ストリートチ
ルドレンの団体とも連携しながら活用されていく予定です。
この件に関するリバーベンドとプロジェクトのやり取りについては、本書のあ
とがきをご覧ください。

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≪プロフィール≫
著者:リバーベンド
バグダッド在住のイラク人女性として、2003年8月から、米軍占領下にあるイ
ラクの現状をインターネット上で書き綴っている。リバーベンドという名前は
ネット上の名前。占領下という特殊な事情から、その素性はいっさいあきらか
にされていない。緊迫化するイラク情勢を伝えて世界的にも有名になったイラ
ク人ブロガー、サラーム・パックスとはイラク戦争前から交流があり、リバー
ベンドがブログを始めたのも彼の勧めである。
http://www.riverbendblog.blogspot.com/

訳者:リバーベンド・プロジェクト
翻訳家、NGO活動家など9人で構成されている「バグダッド・バーニング」邦訳
プロジェクト。リバーベンドの日記に心を動かされ、多くの日本人に読んでも
らいたいとネット上で翻訳を進めている。
http://www.geocities.jp/riverbendblog/


*本書は7月2日配本予定ですが、書店店頭に並ぶのは地域・店舗によって異な
ります。書店に在庫がない場合は書名、著者名、出版社名をお控えの上、書店
でご注文(ご予約)ください。