28707 返信 Re:米国も捨てたものでもないかな・・・・・ URL inti-sol 2004/07/03 02:39
> それでは森首相の時は内閣や周辺官僚も「馬鹿」であり、小泉内閣は小泉首相が頭がよいからこういう結果になっているとお考えですか?

小泉は頭が良いから森内閣よりタチが悪いというgaouさんの問題意識には私も賛同します。もっとも、このところ、どんどん馬鹿になりつつあるようですが。

官僚は、私はある種の馬鹿だと思います。ある種の、というのは、頭が悪いという意味ではなくていわゆる「専門馬鹿」という意味です。頭は、そりゃ良いでしょう。
官僚には選挙がありません。内閣が替わろうが、政権交代があろうが、そりゃ一部には辞める官僚もいれば出世レースの変動もあるでしょうが、官僚機構全体としてみればびくともしないわけです。そういう意味では、日本の官僚は、チェイニーやラムズフェルトを「ブッシュのスタッフ」と呼ぶのと同じ意味では森内閣のスタッフとは呼べないのではないかと思っています。でも、よく考えてみると、それは大した差ではないのかもしれません。

> このアナロジーで僕が言いたい事は、少なくとも「分かりやすい悪よりも分かりにくい悪の方がタチが悪い」ということです。

私は「どちらもタチが悪い」と思いますけれど、いわんとするところは分かります。

> ケリー候補だからいい、という発想も同様に危険なものがあります。

おっしゃるとおり。ラテンアメリカ好きの目から見ると、ケリーはブッシュとあまり変わりません。対カストロ強硬派、対チャベス(ベネズエラの左翼政権)強硬派ですから。
そもそも、ベトナム戦争終結以降こそ、米国で大きな戦争を起こすのは共和党政権の時になりましたが、それ以前は、米国の対外戦争への参戦はほとんどが民主党政権下で起きています。
ベトナム戦争 ケネディー
朝鮮戦争 トルーマン
第2次大戦 ルーズベルト
第1次大戦 ウィルソン
米墨戦争 ポーク
・・・・・・・みんな民主党です。つまり、戦争勢力であるという点に関して、民主党も共和党も、あまり大きな差はないといえます。でも

> 案外「分かりやすい悪」であるブッシュが再選された方が、ショック療法にはなってしまいますが、世の中は変わるかもしれません。

これは、ショックが大きすぎて、よくない方に「世の中が変わる」ような気がします。日本との関係でいえば、日本の対米従属は、なおいっそう強まりそうです。


あと、小林さん。

> アメリカ人はイラク人を殺している間は戦争やれやれで、アメリカ兵士がその数十分の一ほど殺されるや、大騒ぎして戦争反対のムードが高まって来たわけです。
> 思いっきり殺人をしておいて、これが行き過ぎると反対の世論が盛り上がると言うのはこれまでも何回も繰り返したことであって、とても「捨てたものでもない」などと手放しで評価してよいものではありません。

あのね、米国でこれほど反戦運動が盛り上がったのはベトナム戦争以来のことだと思いますけれど、今回のイラク戦争に関しては、注目すべき点は戦争が始まる前に反戦運動が盛り上がったことです。これは、なにも米国だけのことではなく、日本を含めて世界中で共通して言えることですが、まだ誰一人殺されないうちから、戦争を未然に阻止しようという形の反戦運動が、あれほど盛り上がったのは世界史上でも希有の事例だったのではないかと思います。
マイケル・ムーアもまた、「アメリカ兵士がその数十分の一ほど殺され」てから、にわかに反戦映画を作ったわけではありません。

> こんな振幅の激しいアメリカと言う国にあきれるのが普通ではないでしょう
> 私なんかはこの無節操さに我慢がならないのですが、どう思いますか?

ある国を侵略国だと断定するのは、その国に対する重大な侮辱ですから、気軽に言ってはいけないことなのです。
しかし証拠もなしにイギリスを侵略国にするというような軽薄な言論を、平和を望む人がしてはいけないのです。
そんなことは戦争したい人が、わざと相手の国を怒らせる目的でする発言です。
戦争と言うものは、国民のそういう安易な侮辱が相互作用を起こして、国民と国民が憎みあうことから始めると言うことを忘れてはいけません。
イギリスはその当時すでに議会制民主主義が確立していた国であって、それほどでたらめをするはずが無い、という信頼感をもって、歴史を見て欲しいというだけです。

以上、小林哲夫さんの投稿28300からの引用です。米国は議会制民主主義が確立している国ですから、「それほどでたらめをするはずが無い、という信頼感をもって」見なければいけないんじゃなかったんですか?「無節操さに我慢がならない」なんて、重大な侮辱を気軽に言って良いんですか?
つまり、上記に引用した小林さんの投稿は、自分自身では守ることもできないような空虚な建前に過ぎなかったということですね。

> 人道支援に限定した派兵ということを一生懸命強調している日本政府はアメリカよりはましだと思わないのですか?

思いません。人道支援に限定した派兵なんてのは、後から付けた理屈に過ぎませんから。つまり、日本はブッシュに要求されたから派兵したのであって、人道支援云々は、派兵を決めた後で探してきた大義名分に過ぎません。
米国だって、「大量破壊兵器」とか「独裁政権打倒」とか、一見正しそうに聞こえる「大義」を一生懸命強調していましたが、そんなことは何の免罪にもなりません。

それに、これは小林さん、あなた自身にこそ当てはまる言葉ですよ。何しろあなたは、この掲示板で、米国批判や小泉批判よりも、左翼批判に熱中している人物です。左翼に問題があるとしても、自衛隊を派遣した日本政府やイラク戦争を起こした米国よりは「ましだと思わないのですか?」
思わないから左翼批判に熱中しているわけですよね。あなたにとっては、inti-solも工藤さんも同じ穴の狢である、と。それと同じことですよ。

> お二人は工藤猛さんなどをならず者か暴力団程度にしか思っていないかもしれませんが

ところがね、私は工藤猛さんには結構注目しているのですよ。あの文体は読み続けるのはきついので、全部を読んでいるわけではないけれど、右翼なりにストレートで筋が通っている。少なくともならず者でも暴力団でもない。投稿19000は胸を打つものがあった。ま、わけのわからん投稿も多いけど、私にとっては小林さんに比べればはるかに「わけの分かる」投稿をする人です。

> inti-solさんのように議論にすぐ疲れてしまうのも、信念の無さの現われです。

0歳児の子どもを抱えて、んな無制限に好きなだけ議論に没頭する時間がどこにあるかっての。それを信念がないというなら、ああ信念などなくて結構だ。子どもが生まれて以降、私の平和主義の一番の価値は、「この子が大人になるときも平和であってほしい」ということ。私にとっては、子どもと相棒をほっぽり出したところに、平和などありません。