29388	返信	Re:9月6日「百人斬り」裁判公判	URL	指環	2004/09/10 02:49
9月6日は、私も傍聴に行きました。初めてクマさんにもお目に掛かれました(^^)。　 > 傍聴希望者は約１５０人ほどおられ、あとの報告集会の参加者数から見て、６割が原告側、４割が被告側の支援者だったように思えます。昨年私が傍聴した際よりも被告側の支援者が大幅に増えていましたが、それでも原告側よりは少なかったでしょう。(あくまでも印象なので確実ではない) 　私には被告側の支援者の方が多かったように見えて、思考錯誤板↓にはそう書いてしまったのですが、ずっと傍聴に通っておられるinti-solさんの印象の方が正しいかも知れません。 http://t-t-japan.com/bbs/article/t/tohoho/9/amzqrf/gpwqrf.html#gpwqrf 　何しろ、今回が初めての傍聴だったし、原告側支援者と被告側支援者の区別は外見からは（一見して分かる人も少しいますが）殆ど分かりません。 > 原告側は、証拠が出尽くしたものと考えて、証人調べに入りたいと考えていたようです。しかし、その意に反してかくも大量の反証が出てしまったため、証人尋問どころではなく、次の公判の前に「進行整理」ということで少数の関係者による論点の整理打ち合わせが行われることになりました。傍聴可能な通常の公判はその後ということになるようです。　私の原告代理人・稲田弁護士の陳述を聞いての感想ですけれど、原告側は、①戦闘中の英雄的行動と東京日日新聞が報じたことが、どうして、両少尉の社会的評価を低下させる（つまり、名誉を毀損する）行為になるのか、②両少尉が報道されることに同意している（「ホラ話」だとしても吹聴したのは両少尉自身）のに、どうして、違法性があるのか、③『中国の旅』では、「Ｎ」、「Ｍ」とイニシャルになっているのに、どうして、それが特定人の名誉を毀損する事実の摘示になるのか、などの問題については何も言っていないようです。　これらは、名誉毀損成立の上での前提問題のはずで、どうしてこれらに名誉毀損が成立するかについて法律上の根拠が必要なはずです。即ち、これらの問題についての法律的主張がなければ、争点が定まらず、何について証拠調べが必要なのかも分からないということになってしまいます。　このまま行けば、摘示された事実が虚偽であるか否かについて判断するまでもなく、名誉毀損は成立せず、と原告の請求棄却となってしまうはずです。　裁判所が原告申出の証人尋問の採否を決めずに、弁論準備手続を入れて争点整理をすることにしたのも、これでは証拠調べのやりようがない、と考えているからのように思えます。　原告代理人・稲田弁護士の陳述内容は、とにかく、東京日日新聞の記事のせいで両少尉は戦犯にされてしまった、遺族は辛い戦後を送った、などの感情論だけで、まぁ、否定派が思いつきだけでネット上に書き込む言説のレベルと言ったところのようです。感情論だけでは裁判は起こせないし、それを法律的主張に組み立て直すのが法律家の仕事のはずだと思うのですけれど(^^; 　なお、否定派の掲示板などを見ていると、被告（本多氏ら）の側が「百人斬り」が事実であることを立証しなければいけないようなことが、よく書かれていますが、これは間違いです。死者の名誉毀損の場合は、原告の側が虚偽であることを証明しなければいけないことになっています。　ともかく、原告が勝つ見込みは殆どありませんが、心配なのは裁判所が右翼の圧力に屈してしまい、思い切った判決が書けなくなることです。　従って、今大事なのは、裁判所が公正な判断ができるよう、私達がせっせと傍聴に通い、傍聴席が右翼で占められることのないようにすることだと思います。