29429 | 返信 | Re:最悪の原発事故 | URL | 上海 | 2004/09/14 00:03 | |
フレップさん はじめまして。 ノンポリさん トルチさん > 原発からもたらされる「利益」には国境があっても、深 > 刻な事故に伴う被害(=「不利益」)には、国境がない > ということを認識しておく必要はあると思う次第である。 > その通りです。但しカッコつきの利益すら当事国にはありません。 トルチさんのレスですが、ちょっと僕の書き込みの意図が充分伝わっていないよう なので、もう一度簡単に書きます。 原発事故のパラドクス 1.人間の認識・判断・動作のスピードを遥かに凌駕する速度で事故は進みます。 ーー>ですから定期点検や軽微な極めて初期段階の「事故の萌芽」のタイミングでしか 人間は関われない。 2.一方、制御系で最も早い検知法は電気的なものであり、判断はコンピュータによる 計算である。よって一定レベル以上の事故に付いてはコンピュータによる完全制御 の方が人間の対応よりも遥かに有効である −−>しかし これはプログラムが完全無欠であるという前提の場合のみ有効 つまり、事故の規模が一定レベル以下である事を神に祈る事しか出来ないわけです。 その辺りの対応を最近の技術ではどのように総括し実施しているのか、ご存知でしたら 教えてください・・・ということを書いた積りでした。 **ちょっと専門的なパラドクス**** (前提) 配管破断で一次冷却水が短時間で大幅に減った。 発生する状況) 1.加圧容器内の冷却水が減り、冷却能力が失われる。 2.一方で、中性子減速材として働く冷却水が減ったために核反応はストップする。 3.よって核反応による「加熱」は起こらない。 4.高温高圧の加圧容器が減圧し、「温度が下がる」 5.しかし、燃料棒の莫大な「潜熱」を冷やす手立てが無く、燃料棒の温度は自分の熱で 急加熱される。 6.燃料棒同士の数mmの隙間は膨張した燃料棒でふさがれてしまい、ますます加熱される。 7.緊急炉心冷装置が働いたとしても、「溶けて団子になっている」燃料棒の表面を冷やす だけで、タイミングが悪ければ急速に水蒸気化し爆発を起こす可能性がある。 8.溶けて集まった燃料棒は自己の熱で炉心の底を破り格納容器外に出る つまり 水があったら核反応は持続します。但し、極めて繊細な制御のバランスによって 成り立っているので、例えば熱交換器辺りがブローすれば核暴走の可能性があります。 もし水が減ったら、核反応は止まりますが燃料棒の自己の熱によって炉心が溶けます。 パラドクスとも言える綱渡りの制御の上に成り立つのが原発です。 |
||||||
![]() |