29683 | 返信 | 韓国の日本旅行案内書 | URL | memo | 2004/09/27 00:29 | |
韓国の日本旅行案内書「Hello イルボン(日本)1」が結構面白かったので、ごく一部ですが紹介したいと思います。 http://www.libro.co.kr/books/book_detail.asp?libro_code=121&goods_id=0100004295867&group_id=00000001753 向こうでは結構メジャーな本のようです。定価は12900ウォン(約1250円)で、装丁は日本の類書よりきれいだと感じました。 私がハングルの初級者に過ぎないということもありまして、日本語として多少不自然になっても、原文の漢語はなるべく残すようにしました。 > 歴史 > > (略) > 以後明治維新の成功で近代化が成し遂げられ、江戸は東京と名前も変わり、日本の首都となった。新たなる首都東京では、西洋文物が潮の満ちるように集まり入った。石材を使用するヨーロッパ式建物が登場して、ガス、電気、電車等の新文物が東京市民に紹介された。また、海に隣接している東京隣近には工場等が入り込み、追って東京は日本の政治経済の中で灯心の座についた。しかし1923年に起こった関東大震災と、第2次世界大戦時の敗戦のため、東京市内は荒廃した。 > その後日本は、韓国戦争の特需を再跳躍の踏み板として、再び生産力の回復を始めた。3種の神器と呼ばれた洗濯機、冷蔵庫、テレビが全世界の家族へ急速に普及したため、日本は先進国の隊列に上がった。そして今日、東京はロンドン、ニューヨークとともに、世界経済を動かす中心地へと跳躍している。 この本自体が主に東京案内書なので、歴史の記述も東京中心になっています。 > 神社 > > 誰でも神になれるという日本の死後観が反映されて、神社には自然神(山、川、海、岩等)、人間神(英雄、偉人)、観念神(智慧)等がまつられている。鬱蒼とした森の中に座して、むらの休息空間ないしは出会いの空間となっている。 「むら」は「マウル」の訳ですが、もっと広く「町」の意味も含むようです。 > 新聞 > > 日本の日刊新聞は、総合日刊紙とスポーツ新聞、タブロイド版新聞に分けて見ることができる。 > 総合日刊紙には朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、日本経済新聞等があるが、皆、朝/夕刊を発行する。その中で産経新聞は右翼系列の新聞で、朝日新聞は社会批判的な記事が多く題材となる知識人階級の新聞で、読売新聞は最も大衆的な総合日刊紙とすることができる。 > (略) 産経には夕刊はありませんが、、、 > 庶民文化 > > 日本の庶民文化はよく風俗という名前で呼ばれる。風俗とは、法的には売春が禁止されているので、日本人は法網を避けるために多様な類似売春を開発してきたのだが、これがまさに風俗である。 > (略) 以下、「イメクラ」や「キャバクラ」が説明されています。 > 女性旅行者の注意事項 > > 女性旅行者だからといって、特別に注意を傾けねばならないことはない。ただ混雑した電鉄で、男達の醜漢行動に多くの日本女性が苦痛を受けているという事実を知っておこう。駅のいたるところに痴漢防止ポスターを容易に探すことができる。だからできるだけ、東京のラッシュアワーを行き来するのはやめよう。 統計上日本の強姦発生率は低いとはいえ、これはかなり恥かしい記述だと思います。 > 日本の料理や食事 > > 日本料理は、簡単な材料から作られた料理でも、その配列と視覚的美しさを追及する。まず簡単に食べられる食事には、日本人の食生活から外すことのできない、そば、うどん、ラーメン等の麺種類がある。 後の説明でも、そばが筆頭に来ています。これには、日本食でありながら比較的安く食べられるからと言うこともあるでしょう。日本の物価は韓国の約2倍です。 本書では日本の物価高に苦しむ韓国人のために、他にもユースホステル、100円ショップ、金券屋、ブックオフ等が紹介されています。 > 挨拶 > > 初めて会う人とは、握手をするよりも首を下げるあいさつをする方が良い。日本人は首を1回下げるとは限らず、何回でも下げる。こんな境遇では、そのままいるよりも日本人と歩調を合わせた方が良い。特に、初めて会った時より別れる挨拶の方が鄭重であるという事実を知っておこう。 > 対話 > > 日本人と話を交わしてみれば、日本人達がひっきりなしに首をうなずくのを見ることができる。そうして継続して「はい」「そうですね」「なるほど」といいながら、相槌を打つ。日本語は中間中間で途切れながら文章が続く。その中間の切れ目を連結するのが、相手方の相槌である。ところがこれは、自分が継続して相手方の話を聞いているということを確認させているのであって、相手の意見に同意することではないので、注意しなくてはならない。 ハングルで「しきりに強くうなずく」にあたる言葉「ックットッコリダ」には、「身の程知らずに振舞う」という意味もあるようです。上の文では使われていませんが。 最後に、観光案内の中から、いくつか抜き書きしてみます。 > 日本極右派の故郷 靖国神社 > (竹下通りでは)もちろんここの名物「クレープ」を食べてみよう。 > また違った東京 恵比寿 > 天を向いて膨れ上がり突き上がった東京都庁 > 日本の中のそのまた外国 横浜 > 日本の中世時代が感じられる 鎌倉 > 日本人の誇り 日光 > 浅草は浅草寺の門前にあるむらで、庶民的な活気を見せてくれる下町だ ** ソウルでは見なかったのですが、スウォン(水原)の本屋には「I Love Tokyo」という案内書が平積みされていました。別にシリーズものではなく、東京だけの本です。 2002年の日本から韓国への訪問者は延べ232万人(日本からの訪問者の中では米国、中国に次いで3位)、韓国から日本への入国者は延べ147万人(日本への入国者の中では台湾を抑えて1位)でした。 http://www.stat.go.jp/data/sekai/02.htm http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.htm ** 余談 ** 世帯所得の減少を分析した工藤猛さんの投稿はインパクトがありました。 http://bbs2.otd.co.jp/mondou/bbs_plain?base=29546&range=1" |
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