29792 返信 水原文人の誹謗中傷投稿禁止を要請します URL 森永和彦 2004/10/02 01:45
田中荘が使用不能となっているので、やむなくこちらに書き込むことをご了承ください。

>工藤猛さんとか森永和彦さんみたいに「ユダヤ人は人間じゃない、悪そのものであり、金融資本の化け物だ」とでも言い出せば話は別ですが(笑)。

このような誹謗中傷は、議論の場にはまったく相容れないものです。このようなデマを撒き散らす低劣な人間の書き込みは禁止すべきです。

ほかの戯言にも一応批判を加えておきましょう。


> まず質問ですが、ではユダヤ人もローマ帝国によるユダヤ反乱の鎮圧でパレスティナの地を追われました。

これはまったくの神話です。ユダヤ人は、反乱(西暦70年)の時点では、すでにほとんどが離散していました。

フィラスチーンの地は、農業生産性が低く、多くの人口を養うことができませんでしたが、当時における文明の中心であったナイル川流域とフラート(ユーフラテス)・ヂジュラ(チグリス)川流域の中継地として、交易の中心となりました。その結果、多くのユダヤ人は商人として各地に移住し、ほとんどが「聖地」から離れたのです。ユダヤ人が強制されて離散したというのは、「日本武尊」とか「檀君」とか「モーセ」と同様に、単なる神話です。


> 同様に、1948年にパレスティナを離れたアラブ人(パレスティナ難民と呼ばれる人々)自体は、イスラエル側の暴力を恐れたとはいえ、避難するかどうかを決めたこと自体は自分たちの意思である、とは言えます。むろん一部でイスラエル側の暴力もあったのですが、それ以上に最初からボタンの掛け違い的な状態で双方がお互いに相手を「敵だ」と過剰に認識していた現実もあったと思います(し、現にそうした証言もあります)。アラブ連盟が避難を呼びかけたこともあるでしょうし、一般民衆のほとんどが、イスラエルの軍、というよりゲリラ部隊(パルマハ)との接触前に逃げています。一方で残った人もたくさんいて、そのままイスラエル国籍を持っているアラブ人は当初で人口の10%、今では20%を超えているんじゃないかな?

これも、恥知らずな歴史の偽造です。

「アラブ連盟が避難を呼びかけた」というのは、シオニストのデマ宣伝であり、いかなる物証もありません。(逆に、「逃げるな、踏みとどまれ」というよびかけがなされた証拠はいくらでもありますが。)「アラブ連盟が避難を呼びかけた」というのが事実だというのなら、一つでも証拠を出してみたらどうだ!

「むろん一部で暴力もあった」などというのは、「むろん一部で南京大虐殺もあった」とかいうほどに恥知らずな物言いです。この人はヤシン村を始めとする虐殺事件を知らないのでしょうか。

シオニストは、アラブ人の間にパニックを引き起こし、彼らが逃亡するように仕向けるために、意図的・計画的に虐殺を行ったのであって、「ボタンの掛け違い」などではまったくないのである。


> 暴力それ自体については、「どっちが始めた」的な子供の喧嘩的論争はやってもあまり意味がないでしょう。異民族どうしが接する限りにおいては、ささいな誤解や偏見が暴力を引き起こしてしまうのは、それは歴史の現実としてうけとめるしかないような気がします。双方ともが「向こうが始めて、こっちは正当防衛だ」と言うでしょう。イスラエル軍ですら、未だにIDF、イスラエル防衛軍です(英語名称では日本語の自衛隊と同じ、Defense Force です)。

吐き気がする。アラブ人を追放するために意図的に行われた虐殺作戦が「誤解や偏見」の産物とは!おそらく南京大虐殺も誤解や偏見の結果なのであろう。救いようがない。


> 小規模の暴力的衝突は1930年代から盛んになっていましたが、その頃までヒスタドルートだの社会主義バリバリのシオニズムは、まだ「アラブ労働者との連帯」を本気で考えていました。これも「ヨーロッパの傲慢」といえばそれまでではありますが…

これも完全な歴史の偽造。Histadrutは最初からシオニスト組織であり、「組織のユダヤ的性格を守るため」、アラブ人労働者の加盟を厳しく制限してきた(今もしている)ことは周知の事実。Histadrutは、いかなる意味でも労働者階級の利益を守るものではなく、「南アフリカ」においてアパルトヘイト体制を作り出した白人労働者運動や、「北アイルランド」の"Ulster Workers Council"と本質的には同じ性格の組織である。


> 不思議なのは民族移動は今の世界でもいくらでも起っているし、移民してきた側が多数派になって領有権まで持って行ってしまった例は、ハンガリーとルーマニアのトランシルヴァニア問題だとか、枚挙に暇がないのに、なぜパレスティナ問題ばかりが世界的な闘争としてクロースアップされて、ユダヤ人とイスラエルが「悪」として「左翼」に攻撃されるか、です。そりゃシャロンはめちゃくちゃだから、しょうがないとは思います。でもあの政策が批判されるのは当然ですが、イスラエルの存在そのものを「悪」だと言いたがる人がこと「日本の左翼」では多いのは、なぜなんだろう?

実にばかばかしい比較である。Transilvania/Ardealの問題は、単に民族の境界が移動しただけであり、それこそ歴史に「枚挙に暇がない」。しかし、帝国主義が被抑圧民族を支配するために人工国家を作ったのは、そんなに数多くはない。

英帝によるアイルランド分割(「北アイルランド」)や、日帝による偽「満州国」、英帝による「クワイト国」などがそれにあたる。その中でも「イスラエル」は、中東における帝国主義の城塞として巨大な重要性を帯びている。「北アイルランド」や偽「満州国」と同様に、「イスラエル」も粉砕されなくてはならない。


> >  また、イスラエルを非難する理由として、イスラエル国民かつユダヤ人である人の多くが古代ユダヤ人の子孫であることを科学的に証明できないなどということを持ちだすのも変だと思います。
>
> 「左翼」でそういう主張するのが多いのは先進国のなかでは主に日本だけで、「古代ユダヤ人の子孫であることを科学的に証明できないなどということを持ちだす」こと自体が反ユダヤ主義であることは先進国文化ではたいてい理解されていますから、反ユダヤ主義のネオナチが言いそうなこと、と非難されます。それを言い出したらどの民族だって先祖との直接的な血縁を科学的に証明できなくなってしまう場合が(日本のような例外的に幸運にも異民族と接する機会が少なかった例を除けば)ほとんどだからです。

実にばかばかしい主張である。現代のユダヤ人と古代ユダヤ人の血縁的関係がほとんどないということを指摘するのは、「離散神話」が事実ではなく、単なる宗教的神話であって、建国の現実的根拠となりえないということを指摘しているだけであり、反ユダヤ主義でもなんでもない。客家が中原の子孫ではないことを指摘すれば「反客家主義」になるのだろうか。ばかばかしいとしか言いようがない。「離散神話」を信じるだけなら大した害はないが、そんなものを根拠に他人の土地を奪おうとするならこれは大迷惑である。

仮に、ある妄想家があなたの家にやってきて、「神の法によればこの家は私のものであるから私に引き渡しなさい」と言ったらどうするか。おそらく、無視するか、精神科医の診察を受けるように薦めるしかないであろう。「離散神話」という妄想を信じている人たちにも、お引き取り願うしかない。(もちろん、平和的な移民は歓迎されるべきであるが。)


> 2000年間ディアスポラ状態であったことについては、実はシオニズムの時代にはその宗教的な理由についての厳しい批判(メシアなんて信じて待ってるからいけない)もあったのですが、そうは言っても2000年間世界のあちこちに離散して小さなコミュニティで差別されながら、それでも自分たちは周囲と違うという強固な意思を維持し続けたことは、驚嘆こそすれ非難されるべきことではまったくない(その“強さ”へのやっかみならあり得ますが)。

これも嘘八百である。この人はおそらく『創られた伝統』も読んでいないのだろう。

「2000年間世界のあちこちに離散して小さなコミュニティで差別されながら、それでも自分たちは周囲と違うという強固な意思を維持し続けた」などということがあるわけがない。すべてシオニズムによって捏造された神話でしかない。

ユダヤ人が消滅しなかったのは、中世の身分制度によるものである。近代化の進展にともなって、西欧ではユダヤ人が急速に同化しつつあったことからも、ユダヤ人が民族(Nation)ではありえないことがわかる。ユダヤ人の同化=消滅という流れを断ち切ったのは、資本主義の衰退による反ユダヤ主義である。



> 冗談みたいな話に聞こえるかも知れませんが、元々のシオニズムを支えたような家庭に育った人の多くが今のイスラエルでは左派であり積極的な和平派であり、労働党にも失望して極左政党のメレーツに投票したりしてるようです。

これはもう笑うしかない。メレーツが「極左政党」だと!メレーツは「イスラエル」の存在を支持し、シオニスト選挙・議会に参加している右翼政党である。

まともな極左政党は、シオニスト選挙・議会には決して参加しない。シオニスト国家の「選挙法」では、「ユダヤ人国家としての『イスラエル』を承認し擁護すること」が立候補の資格として定められており、これを受け入れなければ「イスラエル」国籍があっても立候補できないのである。したがって、極左政党は選挙に立候補せず、「シオニスト選挙ボイコット」運動をするのである。



> しかしそれを植民地主義とみなすときの大きな問題は、イスラエルの場合それを言うなら「本国」ないし「宗主国」がないということです。ユダヤ人がユダヤ人の国を作れる場所はあそこしかなかったのですし、それ以外の場所ではマイノリティとして様々な抑圧と迫害に晒される運命にあるのですから、イツハーク・ラビンが言っていたように「小さくてもいいから世界中のユダヤ人がなにかあったときに安心してくらせ、住む場所と仕事がある国」を維持する必要性は、ユダヤ人もまた人間であることを認める限りにおいて否定のしようがない。

これこそ「シオニズムの前提は反ユダヤ主義」を明確に現している。シオニズムの前提は、ユダヤ人は「抑圧と迫害に晒される運命にある」から、独自の国家が必要であるということである。部落解放運動について知っている人ならば、海外移住論や北海道移住論を思い出すであろう。また、なぜ反ユダヤ主義者がシオニズムを支援したのかも明確となる。

ブルジョアジーは、「ユダヤ人労働者を革命党から引き離すため」に、シオニズムを支援した。シオニストと反ユダヤ主義は常に密接に協力してきた。いわゆる「Balfour宣言」(宣言というより単なる書簡だが)を出したArthur James Balfourも明確に反ユダヤ主義者であった。

ナチスも当初はシオニズムを支援していた。シオニスト指導者たちは、「ユダヤ人国家の建国のためには、ユダヤ人大量虐殺が必要だ」と考え、ホロコーストを黙認した。(法政大学出版局『ファシズム時代のシオニズム』で詳しく描かれている。)

反ユダヤ主義の克服とは、ユダヤ人国家を創ることではなく、労働者階級の一部としてプロレタリア革命のために戦うことである。これまでも多くのユダヤ人革命家がこの正しい道をえらびとってきた。最近における偉大な人物はYgael Glucksteinであろう。


> つまり「公正さ」の論理をあてはめる限りにおいて、どっちの主張もある部分まで正しいとしか言いようがない−−世界が国民国家によって構成されている限りにおいては。それを否定してしまえば、そりゃ反ユダヤ主義以外のなにものでもない。他のあらゆる民族に認められているはずの平等の権利が、お前たちだけにはない、ということになるのですから。

いうまでもなく、民族ではない集団は国家形成の権利を持たない。ゾロアスター教徒やアイヌや回族が国家を形成する権利を否定したら、「反ゾロアスター主義」「反アイヌ主義」「反回族主義」になるのであろうか。まったくお笑いである。