30094 | 返信 | Re:極右による言論の自由侵害を許すな | URL | inti-sol | 2004/10/14 22:59 | |
watariさん ステロタイプ的な南京大虐殺否定論ですね。ちょうどFAQに使うのに良いかもしれませんので、テンプレートを作ってみました。 > ・当時の南京の人口は約20万人だった。殺害された人数と明らかに合わない。 当時の南京の人口が20万人だった、という「説」に根拠なし。日本軍の接近を前にして、裕福層を中心に疎開する人もいた一方で、日本軍の進撃路上の村々から逃げ込んできた人もおり、混乱状態の中で日本軍占領の時点での正確な人口統計など不可能に等しいものの、40万人から50万人程度ではなかったかと推定されています。しかも、この数字には軍は含まれていない。南京周辺の中国軍約15万をあわせれば、合計55万から65万程度。 ちなみに、40万から50万という推計には、「何の根拠もない」わけではありません。南京市政府(つまり市役所ね)が11月23日、国民党軍事委員会に送った書簡の数字が根拠。 > ・30万の死体をどこに片付けたのか、それにどのくらいの期間、人員を必要としたのかがハッキリしない。 どこに片づけたのか→埋葬した。 一度簡単に埋められた遺体が風雨で露出しはじめているので、それらを別の場所に移すか、その場に土を盛り塚を作ることが多かった。別の場所に移す場合も、棺におさめたりむしろで巻いた例はわずかで、多くは塹壕・クリーク・池を利用した。 またそれとは別に城外で殺された捕虜は、日本軍自身の手によってだいたい揚子江に流されたと思われます。 期間→埋葬記録を見ると、日本軍の入城(12月)直後から、翌年夏までかかっていますが、大量だったのは4月まで。 人員→紅卍会(約4万体の遺体を埋葬)38年4月の時点で、 城内で1793体、城外で30301体を片づけた。約1万1千円の入費、苦力も延べ5〜6万人は動いている。 崇善堂(約11万体の遺体を埋葬) 埋葬隊は4隊40人だがそれではとうてい足りず、城内では大量の臨時作業員を日当で雇い、城外では現地農民が遺体の収容・埋葬に協力。 > ・物資の不足していた旧日本軍が、虐殺をしなければならなかった理由・メリットがない。 逆。物資が不足していたからこそ虐殺が起きました。日本軍には食料がなかったから食料の徴発(実質略奪)をしたし、また捕虜に食べさせる食料がないから捕虜を殺した。 > ・いったい日本兵が何十万人いたら、短期間でそれだけ殺害できるのだろうか。 単純に言って、南京攻略に参加した日本軍は計10個師団、うち直接南京市を攻撃したのは4個師団(4単位制なので、1個師団の定数は2万2千、実数では3万人を越える師団もあった)と2個旅団(旅団の兵力は4単位制師団の半分)を主体に、他の師団の一部の兵力も参加しているので、全体では16万人から20万人と推定されています。なお、虐殺の行われた期間は、激しかった時期だけに限定しても1937年12月から翌年3月頃まで、だいたい3ヶ月間です。 > ・よく話題に上る「三光作戦」は、元々中国語であり、日本軍はそんな作戦を取っていなかった。 三光作戦は、1940年頃から主に華北で行われた作戦で、1937年中国南部で起こった南京大虐殺とは別の事件です。通底するものはありますが直接は関係ありません。 > ・東京裁判は、本当に信用できるのか? 東京裁判が信用できるか否かと、南京事件が事実であったか否かは、直接関連ありません。 東京裁判には信用できる部分とできない部分がある。基本的な裁判の性格は、勝者である侵略国(米国)が敗者である侵略国(日本)を裁いたという意味で不当なものというのが私の認識です。 それから、南京大虐殺問題全般について、私が推薦する参考文献 「南京への道」本多勝一 朝日文庫 「南京事件」笠原十九司 岩波新書530 「南京事件−虐殺の構造」秦郁彦 中公審書795 「私の見た南京事件」奥宮正武 PHP研究所 立場から言えば、保守系から左派系まで、論争史の中では「中間派」と「大虐殺派」双方が含まれますが、いずれにしても南京とその周囲で何が起きたのか、非常にわかりやすい文献です。 洞富雄氏の著作もお薦めしたいところですが、手元ありません。 ネット上では http://members.at.infoseek.co.jp/NankingMassacre/ http://www.nextftp.com/tarari/index.htm など。 LIGHT_文也さん >「日本刀で100人斬り殺せるほどの戦闘力をもち、 戦闘中の出来事ではなく、捕虜と非戦闘員の殺害ですから、「戦闘力」とは関係ありません。単なる刀の殺傷力の問題。日本刀そのものは、世界でも有数の「切れ味」をもつ、きわめて優れた刀剣類である、という評価が定着していると思います。 >銃剣と単発銃のみで40万人殺すなど原爆以上の破壊力を持つ携行兵器を誇り、 相手がまったく無抵抗で逃げることもできなければ、100発の弾丸で100人、いや悪くとも50人くらいは殺すことができます。そうそう、旧ソ連のスターリン時代の粛清でも、数百万人が殺されています。まさに刀と連発銃※、それにロープ(絞首刑)だけでやりました。(劣悪な環境による餓死や病死もあり、これなどはロープすらいらない・・・・) ※ 細かいことを言いますが、太平洋戦争時の日本軍は単発銃など装備していません。38式歩兵銃や99式小銃はボルトアクション式の連発銃です。 > 各植民地で無駄に現地人を殺してまわるほど武器弾薬が余っていて、 南京について言えば、弾薬があまり余っていないので、極力銃による処刑はしないように命令されていたようです。(上記「私の見た南京事件」より)それに、日本側の都合としてはどうしてもそうしなければならない理由があったので「無駄に」ということはない。 >揚子江の川幅を2m以下にしたりするほどの高い土木技術を持ち、 川幅を2m以下にしたという事実を私は知らないのでノーコメント。ただ、川面が死体でびっしりと埋まっていたという証言は多数ありますね。 >沖縄で米軍上陸後も市民に玉砕命令が出せるほど命令系統がしっかりしていて、 意味不明ですね。命令系統がしっかりしていなかったから、混乱状態の中で玉砕が頻発したんですけれど。 > 日本兵の数を上回るほどの従軍慰安婦を > 一日に一人あたり何十人も暴行するほど体力と食料があって、 従軍慰安婦の総数は、延べ10万人程度と見積もられています。ということは、最大時の慰安婦の人数は、多分4〜5万人というところでしょう。一方、日本軍の総兵力は、1937年末約95万、41年末(対米開戦時)約210万、1945年8月約547万。 > 韓国で文化施設はもちろん > 一般家庭にある辞書から料理本に至るまで処分してまわるほど暇で、 そのような事実も、私は初耳でしたのでノーコメント。もちろん、反政府派に対する取り締まりなどではそういうこともあったでしょう。 > 中国で家々に火を放ちまくり無駄に虐殺した民間人の死体を > 一カ所に集めてたっぷりとガソリンをまいて燃やすほど石油資源に余裕があり、 余裕のあるなしの問題じゃないんですね。軍隊とは巨大な非効率のカタマリでして、かのラバウル飛行場では、貴重な貴重な重油を、晴天時、未舗装の滑走路で舞い上がる埃を押さえるために撒いていた。 >韓国の優れた建築施設・街・鉄道を全て接収することなく破壊し尽くした上 有名な建築施設のいくつかを破壊したのは知っていますが、街・鉄道を破壊し尽くした、という話は初耳です。 > 新たに日本の駄目な建築物に建て替えるほど資源と資金が有り余っていて、 景福宮を破壊して朝鮮総督府を建てたことは歴史的事実です。しかしそれ以外にそんな例がそんなにたくさんあったとは知りませんけれど。 >11歳が戦場で暴れ回るほど若い内から逞しく、 ×暴れ回る→○逃げ回る 沖縄では住民を巻き込んだ戦闘になりましたから、11歳どころか0歳児から戦場を逃げまどいました。サイパンやテニアンなども同様。 > 終戦後になぜか強制連行を行いまくるほどの軍備と余裕があり、 意味不明 敗戦後にどうして強制連行ができるのか、また、敗戦後に強制連行をしたという主張も聞いたことがない。 以下馬鹿馬鹿しすぎてコメントしようがない。 下山さん > そもそもあなたではなくinti-solさんの意見が聞きたかったのですが。 はいはい。 と言いましても、私も仕事をしている身で、しかも1歳の子どもがまとわりついていますので、そんなにパソコンに張り付いているわけにもいきません。(いや、すでに充分張り付きすぎていて、相棒の怒りを買い気味ですが) 烏龍茶さんが、私の言いたいことの8割方を代弁してくださいました。 > しかし「真偽のほどは定かではないものの」 > とあなた自身がおっしゃっている通り、 > 嘘かもしれないものをあたかも本当のように掲載していたこの漫画に > 果たして言論の自由は存在するのでしょうか。 烏龍茶さんとのやりとりでご理解いただいたようですね。 百人斬りについては、真偽のほどはかなり定かであると私は思っています。つまり、ほぼ確実にあった。 しかし、 「嘘かもしれないものをあたかも本当のように掲載」する言論の自由が存在するのでしょうか?というあなたの問いは愚問です。存在するに決まっています。 そうでないなら、例えばイラク戦争開戦前に「イラクは大量破壊兵器をもっている」と書いた新聞や雑誌・書籍はみんな発禁だ。なぜなら、結果的にもイラクに大量破壊兵器がなかったことは確定的事実となりましたが、イラク戦争以前から、「本当に大量破壊兵器があるのか」は疑問視されていました。国連査察団の一員であったスコット・リッター氏は「もう残っていない」と断言していた。「嘘かもしれない大量破壊兵器疑惑」を叫ぶ新聞・雑誌や書籍に、「果たして言論の自由は存在するのでしょうか。」ということになる。 以下、例えば 「真珠湾攻撃はルーズベルトの陰謀である」 「ケネディー暗殺はオズワルドの単独犯行である/共犯者がいる」etc 議論の分かれるテーマについては、どちらかの側に立って何かを書けばみんな「果たして言論の自由は存在するのでしょうか。」ということになる。もちろん、上記に挙げたいずれの例も、国際問題に直結するような情報です。 > 南京大虐殺がなかったという意見を言った人達が右翼諸氏と言われたり、 そのとおりです。何が違いますか? 参考までに、私は左翼です。共産主義者ではないけれど、左翼であることに一片の疑問の余地もない。 右翼と左翼というのは、相対的なものであり、ブッシュの言によればケリーも「左翼」らしいですし(私にはとてもそうは思えないが)、日本にも河野洋平や野中広務氏を「左翼」という人がいます。逆にイスラエルのリベラル左派政党メレツを「極右政党」と言う人もこの掲示板にいる。それらのどれが正しいとも間違っているとも言えません。その人の主観次第です。逆に誰を右翼と呼び左翼と呼ぶかは、逆に呼ぶ人自身の政治的立場を指し示す指標にもなるでしょう。 右翼と左翼というのはイデオロギー的色分けであって、右翼だから正しいとか、左翼だから正しいとか、そういうことはありません。右翼にも立派な人はいるし、左翼にもダメな人はいる。もちろん、左翼にも立派な人はいるし、右翼にもダメな人はいる。ただ、自分でこういうのも「自虐的」かもしれませんが、右翼左翼ともに、世間一般より「ちょっとへんな人」が多いかもしれません。私自身も含めてです。 しょうない様 一足先に烏龍茶さんが私の言いたいことをあらかた書いておられますので、レスは省略します。 gajiさん > 食傷気味のところ、恐縮です。 私は、あなたに対しては百人斬り論争以上に食傷しています。 > 戦意高揚記事のために死刑にされた戦犯の、ご遺族のことを考えたことがありますか? 殺された200人(100人+100人)の犠牲者自身とその遺族のことを考える、その100分の1程度には考えたことがあります。 > 忘れられていた頃、蒸し返すように新聞で連載記事にされ(といっても、ただの聞き書きです)、二児の母親になっていた娘さんは「人殺しの娘」といわれ、家庭も崩壊しています。 実在した歴史的事件を「蒸し返す」ことに何の問題もありません。 以上。 |
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