30250 | 返信 | Re:南京事件 初歩の初歩2 | URL | 市民58歳 | 2004/10/21 01:59 | |
兼松さま ご意見ありがとうございます。 >> 上記の本に引用された資料によれば、死者四万人の大部分は兵士か服を >> 脱いで市民に成り済ました兵士(便衣兵-現代風に言えばゲリラ兵)であ >> り、それらの処刑は「正当」な戦争行為と見なされるとのこと。 > > 陸戦条約に違反した、徽章をつけず、公然武器携行せずにゲリラ活動を > した者であるということで有罪であることを吟味して、裁判で死刑判決に > しないかぎり、無差別虐殺以外の何物でもないと思います。 「有罪」などと平時の裁判のような感覚で戦地での話をされるのは大変不 思議です。 双方銃を向けて攻撃しあっている、下手をすればこちらが殺さ れる、そんな状況下で裁判ですか? また、「裁判で有罪になっていないのに」と述べられているところを見る と当時の南京の裁判権は日本にあったと兼松様は考えておられる訳でしょう か?裁判権を有するということは 当然南京は日本の行政権が及ぶ地域、日本の領土であるということになるの ですが、兼松様はそう考えておられるのでしょうか? 無差別虐殺とは、明らかに市民など非戦闘員を軍隊の兵士などと一切区別 せず、非人道的なやり方で(人道的な殺し方など無いでしょうが)殺すこと でしょう。一番分り易いのが長崎・広島への原爆です。あれこそは無差別な 虐殺です。あとは通州事件も無差別虐殺に入るでしょう。 戦地でゲリラ兵を射殺してもそれは虐殺に当りません。射殺や銃殺どう呼 んでもいいでしょうが、それは通常の戦闘行為です。 これについては多くの方がハーグ陸戦規定に関連付けて議論されています。 > 孫引きになりますが、 > (http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/data/nangjin/ben'ihei.htm) > 「残敵掃蕩、「便衣兵」狩り」には、以下などの事例があります。 > > > 上海派遣軍第9師団歩兵第6旅団「南京城内掃蕩要領」「掃蕩実施に関する注意」 > > (旅団長 秋山義兌少将) > > > > 一、遁走せる敵は、大部分便衣に化せるものと判断せらるるをもって、 > > その疑いある者はことごとくこれを検挙し適宜の位置に監禁す > > 一、青壮年はすべて敗残兵または便衣兵と見なし、すべてこれを逮捕監禁すべし > > > > 『南京戦史資料集』 > > (笠原『南京事件』p.144) > > 上記の例は、違法なゲリラ活動をしていることの吟味が行われなかった例を > 示しています。 > 上記のページの他の例は、「便衣兵」という名目で無差別虐殺が行われたこ > とを示していると思います。 >> 一、遁走せる敵は、大部分便衣に化せるものと判断せらるるをもって、 >> その疑いある者はことごとくこれを検挙し適宜の位置に監禁す これは問題無いのですね。「遁走せる敵」と表現していますから、安全地帯に 避難する市民は対象外ですね。 >> 一、青壮年はすべて敗残兵または便衣兵と見なし、すべてこれを逮捕 >> 監禁すべし これは青壮年はすべて敗残兵または便衣兵をみなすということですね。中国軍 は南京の防衛戦で可能な限り(重度の障害者や病人でない限り)兵士として集め たのでしょう。だから先ず敗残兵や便衣兵であることを疑ってこれを逮捕監禁せ よと命令しているのでしょう。 別に直ちに射殺せよと命令している訳ではない ですね。 これは戦地の、刻々と変わる状況下での一命令です。これがなぜ無差別虐殺の 証拠になるのですか? > 南京に残った外国人による証言にも、以下などがあります。 > > > 東京裁判 マッカラム日記・手記(2)便衣兵摘出(状況) > > > > 数名の男子が兵士であったとの嫌疑で「マギー」氏居宅の金陵や其他の場所 > > から連れて行かれました。此等の男達は其の仲間に彼等が兵士で無いと証明す > > ることの出来る友達が居たのですが、此等の者が手に胼胝があると云ふ理由で、 > > 抗議を発言したけれども更に進んだ調査もせずに、兵士であると格印を押され > > ました。 > > 多くの人力車曳や艀の船頭等が他の労働者達と同様に、単に彼等の手に真面 > > 目な勤労の印があるので射殺されました。 > > > > 『日中戦争史資料8』P119 > (http://members.at.infoseek.co.jp/NankingMassacre/mondai/simin/simin_a2.html#fitch05 > より) > > それに対して、たしかに違法なゲリラ活動をしていると吟味した者を南京攻略 > 戦(戦闘が落ち着いてからを含む)期間中において処刑したという例は寡聞にして > 知りません。 本当に不思議な感覚ですね。戦地において違法とはどこの国の法律への合法とか 違法だとかを言っているのでしょうか?当時の中国の法律に照らしてですか、それ とも日本の当時の国内法ですか? 南京が日本軍に占領された時点で中国は実効的に南京を支配していませんから 中国の法(それがどんなものだったかは別として)適用はできません。それでは 占領した日本の法かというとそれも無理。 それで準拠すべき国際法として、ハーグ陸戦規定などが出て来ているのです。 平和の内に暮らせる私達は幸せですが、その感覚を約60年前の中国に当て嵌め のは間違いだと思います。 |
||||||
![]() |