30470 返信 天皇陛下に「反論」などしてはいけない。 URL 八木沢 2004/10/30 13:10

 天皇陛下に反論すべきでないのは、決して「偉い」と思っているからではないのだが、左翼・リベラル勢力にもそう思い込んでいる者が多い。inti-sol氏もその一人だ。

>陛下だろうが殿下だろうが、何だろうが、切れば血の出る人間に違いはない。コメントしたければコメントすればいいし、反論があるなら反論すればいいのですよ。「一市民」より「陛下」の方が偉いという思いこみだか信念だかイデオロギーだかがあるから、コメントできないのだとすれば、実に馬鹿馬鹿しいことです。

 そもそも米長委員というのも困ったお方である。即位の礼において、海部俊樹首相(当時)が「天皇陛下万歳!」を叫ぶのを真正面にお立ちになった陛下が居心地の悪そうな表情で見ておられたのを日本国民は覚えている。「陛下、即位の礼では天皇陛下万歳を式次第に入れさせていただきます」などと申し上げれば、陛下は「やめてくれ」とおっしゃるに決まっているのである。国旗・国歌についても、その細かい意味についての解釈はいろいろあれど、国民統合の象徴たる天皇陛下と皇室に直結したものであることを否定できるはずもない。かつて過剰警護に苦言を呈され、最近では地方御滞在中に新潟で震災が発生したため、随行員(警察庁長官)に「東京に戻って被災者のために働いて欲しい」と要望された天皇皇后両陛下は、自らの存在と行動が国民の権利侵害になる可能性について非常に敏感でいらっしゃるのだ。しかし、国旗・国歌についてはきちんとしなければならない。天皇陛下の安全をお守りするために交通などで国民生活に若干の不便が生じることも、100%避けることは不可能である。天皇陛下の個人的な御意見によってどうこうする問題ではこれらはないのである。また憲法上もそれはできない。にも関わらず、陛下が一言言及せざるをえないような話題を持ち出したことは、米長委員の勇み足であろう。しかし、「憲法を守る」発言にせよ、とくに今上陛下即位後に顕著であるが、皇族方の御発言を政治利用しようとしているのは明らかに左翼とかリベラル勢力である。言うまでもないことだが、『「一市民」より「陛下」の方が偉いという思いこみだか信念だかイデオロギーだか』は、「天皇制を打倒」するために持ち出す虚構の前提であって、左翼・リベラル勢力の方こそがそれにとらわれているから天皇陛下の御発言をあたかも重要視するようなたとえば福寿草氏のような意見が出てくるのである。偉いとか偉くないといった、個人の主観に過ぎないものではなく、現行の法やシステムがどうなっているのかのほうが重要なのであって、あくまで米長委員のほうにこの権限はあるのである。権限をお持ちにならない天皇陛下に反論などする必要もないし、それを「すればいい」とするinti-sol氏は、国家や皇室がどうなればいいかの明確なイメージがないのではないかという印象を私は持った。